アユートは、英Chord ElectronicsnのFPGA DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「Mojo 2(モジョ・ツー)」を2月25日に発売する。価格は79,980円。カラーはブラック。先行予約受付を2月18日に開始する。
2015年発売の「Mojo」から約7年、Chordのデジタル設計コンサルタントであるロブ・ワッツが初代Mojoに再び焦点を当て、再イメージ、再設計を行った新製品。進化したFPGAテクノロジーを採用し、独自のアルゴリズムを用いて最大768kHz/32bitのPCM再生と、DSD256のネイティブ再生に対応する。
DAC内蔵型ポータブルヘッドホンアンプとして世界初となる、新開発のフルトランスペアレント型ロスレスDSP「UHD DSP」を搭載しているのが大きな特徴。
UHD DSPは、「音質を劣化させることなく、より広い周波数帯域にわたって総合的な音質の調整」を可能にする。705〜768kHzで動作する104bitのカスタムDSPコアを採用した独自技術で、他のオーディオDSPと比べて高い精度を追求。内部でのノイズシェーピングを徹底し、極小信号のフィルタリングを維持したままクリアな音質を確保した。
周波数帯域ごとに18段段階の調整が行え、低域や中低域、中域、高域といった全周波数帯域にわたる微調整が可能。音量調整範囲は+18dB~-108dBに改善し、メインボリュームをローボリュームモードとハイボリュームモードに切り替えて各調整範囲で最適な音量を設定できるようにした。また、DSP制御による4段階のクロスフィード機能を新たに搭載。「スピーカーのような空間演出ができる自然なヘッドホンリスニング」を追求している。
Mojo 2では、デジタルDCサーボによるDCカップリングも採用。40個のDSPコアを使い、独自のWTA(Watts Transient Aligned)フィルターの改良を施したことで40,960タップ(補間フィルターの複雑さを表す技術的指標。初代Mojoは38,896タップ)を実現した。
ノイズシェーパーの改良により、奥行き感やディテール感も強化。さらに、4eパルスアレイDACの改良により、歪みや帯域外ノイズの低減も実現。ほかにも、カップリングコンデンサーを廃止することで高音のニュートラル性を追求した。
本体のコントロールは、4つの多色ポリカーボネートコントロールスフィアのボタンから行え、メニューシステムを新たに導入。ミュート機能や、4段階のクロスフィード調整、移動時における誤動作防止のボタンロック機能、UHD DSPによるロスレス・トーン・コントロールを操作できる。
ロスレス・トーン・コントロール機能ではオーディオ信号のイコライジングを簡単に変更でき、1モードあたり各9段階、1dB毎に調整可能。最大9dBのブーストおよびカットが音量ボタンを押して行える。イヤホンやヘッドホンなどの接続機器のある特定周波数が強すぎると感じた場合、Mojo 2ではこの機能を使ってレスポンスカーブをフラットにできるという。
出力はヘッドホン出力(ステレオミニ)×2で、出力レベルは90mW/5.2Vrms(300Ω)、600mW/4.2Vrms (30Ω)。出力インピーダンスは0.06Ω。ダイナミックレンジは125.7dB。
入力端子は光デジタル、同軸デジタル、micro USBに加え、新たにUSB Type-C端子を搭載した。別売のMojo専用ストリーマー/サーバー「Poly」と互換性があり、ハイレゾストリーミングや、microSDカードを使った最大2TBのライブラリ保存/再生ができる。
バッテリー駆動時間は約8時間。FPGA管理による新しいバッテリー充電システムを導入してバッテリー管理を改善しており、充電速度が上がったほか、電力損失も75%削減。低温でより効率的な充電を可能にした。バッテリー容量は9%増加した(初代Mojoは1,650mAh)。
バッテリーレス動作に対応する改良型インテリジェントデスクトップモードを搭載。Hugo 2で定評のあった「インテリジェントデスクトップモード」を改良したもので、絶縁型バッテリーと電源ユニットの再設計により、音質を損なうことなくバッテリーレス動作に対応。フィルタリングとアイソレーションの改善も図った。
ボディはビードブラスト加工を施した高品位なアルミニウム製ケースワークを採用し、ブラックアルマイト仕上げを施した。本体サイズは、初代Mojoよりやや大きい約83×22.9×62mm(幅×奥行×高さ)で、重さは約185g。Polyをドッキングさせたときの重さは合計約270g。
なお、専用レザーケース「Mojo 2 Case」(7,980円)、「Mojo 2 Poly Case」(12,980円)もMojo 2と同日に発売する。