かけがえのない人へ、願いや気持ちを込めてプレゼントしたい誕生石ジュエリー。11月の誕生石といえば「トパーズ」と「シトリン」ですが、名前は聞いたことあるものの意味まで知っている人は少ないものです。
本記事では11月の誕生石であるトパーズとシトリンについて、名前の意味や色の特徴などをご紹介。あわせて宝石のお手入れ方法も解説します。
ぜひ誕生石ジュエリーを選ぶ際の参考にしてください。
誕生石とは
誕生石は1月ごとに定められている宝石のことです。1月から12月まで毎月決まった誕生石が存在。誕生石を身につけることで自分の身に降りかかる災いを払い、幸せを運ぶと考えられています。
国ごとに種類が異なるケースも
誕生石の起源は1912年のアメリカ。宝石商組合が複数の宝石を各月の誕生石として公式認定したことが始まりです。当時参考にしたとされるのが聖書に書かれた12種類の宝石であり、加えて当時人気が高かった宝石も選ばれました。
後に誕生石の概念は世界へと拡大。自国になじみのある宝石を新たに選定した国々もあるため、誕生石の種類は全世界同一ではありません。
「トパーズ」とは
「トパーズ」は古くから治療や太陽神の象徴とされてきた11月の誕生石です。硬度は8と比較的高く丈夫なものの、ひびが入りやすいため丁寧に扱う必要があります。トパーズをあしらった誕生石ジュエリーでは、ネックレスやピンキーリングなどがおすすめです。
ギリシャ語に由来
トパーズの語源とされるのが、「探し始める」ことを意味するギリシャ語「topazos」。トパーズの産地であった島が霧深く、宝石自体が光る夜間のみトパーズを採掘できたことに由来するものです。他にも「炎」を意味するサンスクリット語「タパス」をトパーズの語源とする説も存在します。
トパーズの漢字表記
トパーズの和名は「黄玉(おうぎょく)」です。過去には黄色の宝石が発掘されるとトパーズに分類されていた歴史もあります。
無色からピンクまで多彩なカラーバリエーション
トパーズといえば一般的に黄色のイメージがありますが、実はトパーズは黄色だけではありません。光や熱によって宝石が変化するトパーズならではの特徴により、オレンジやピンクなど豊富な色合いが存在します。
無色透明なトパーズは「カラーレストパーズ」。ダイヤモンドに似た見た目の宝石でコーディネートを問わず身につけやすく、他の宝石とよく合います。「インペリアルトパーズ」と呼ばれる宝石はシェリー酒のようなカラーが特徴的。天然石の中でも希少価値が高いです。
トパーズによっては加熱処理などを施すことで、色合いを変化させたものもあります。ブルートパーズは無色透明なトパーズを加工して作られた宝石。色の濃淡が魅力の「ミスティックトパーズ」なども、さまざまな工程を経て色合いを変えています。
カラーごとに産地が異なる
トパーズの主な産地はブラジルやパキスタン、ロシア、ナイジェリア、スリランカなどです。産出される土地によってカラーが変化する特徴があります。
ブラジルのミナスジェライス州は黄色やオレンジの他、ピンク、バイオレット、紫やオレンジ色を含んだ赤色のトパーズの産地。パキスタンの北西部で産出されるのはピンクトパーズと、紫がかったシクラメンピンクのトパーズです。
お手入れは柔らかい布で
定期的にトパーズをお手入れするなら、布で表面を優しく拭き取るだけで構いません。布は極力柔らかい質感のものを選んでください。
汚れが目立つときはぬるま湯に中性洗剤を溶かし、トパーズを入れます。柔らかめのブラシで軽く磨いた後は、真水でよく洗い流しましょう。水気も柔らかい布で優しく拭き取るのがコツです。
トパーズは靭性が低く亀裂が生じやすい宝石でもあります。超音波洗浄器あるいはスチームクリーナーの使用は避けてください。
トパーズの効果・宝石言葉の意味
トパーズは友情と貞節の象徴。コミュニケーションの取り方が上手になるともいわれています。
知性と美の象徴
トパーズの宝石言葉は「誠実」「希望」「成功」「友情」「潔白」などです。所持し続けると熟睡できるとされ、美容と健康を促す宝石といわれることもあります。インドには胸の上につけたトパーズから長寿や美、知性にまつわる効果が得られるとの考え方もありました。
トパーズには他に、心に落ち着きを与える働きも。調和のとれた生活が送れるようになる効果も見込めます。
「シトリン」とは
「シトリン」はキラキラと輝く華やかさが魅力の11月の誕生石です。落ち着いた色合いと相性がよく、秋色ファッションと合わせると明るい印象をプラスできます。
硬度は7でひび割れにも強く、日常使いに最適。シトリンをあしらったネックレスやピアスを身につければ、グッと大人らしい印象になるでしょう。
「柑橘類」が語源
シトリンの語源は「柑橘系」の意味を持つ言葉「citron」です。理由はレモンやオレンジなどの果物がシトリンの色によく似ていたこと。ラテン語で「レモン」を指す「シトラス」が由来である、との考え方もあります。
シトリンの漢字表記
シトリンの和名は「黄水晶(きすいしょう)」です。鉄イオンや放射線が作用して黄色に変化した水晶を指します。
明るいオレンジ色が特徴
シトリンのカラーはオレンジ系や黄色に分類され、みずみずしく明るい色合いが特徴です。黄色といっても黄金色から薄めの黄色まで存在するなど、ひとつの色でも多彩なバリエーションがあります。
ボリビアはシトリンの貴重な産地
シトリンはボリビアをはじめ、スペインやメキシコ、マダガスカルなど世界のさまざまな地域で産出されています。中でもボリビアにあるアナイ鉱山は、貴重な天然シトリンの産地です。オレンジとイエローを合わせた色の他、「アメトリン」と呼ばれるアメシストとシトリンの混合石も発見されています。
ぬるま湯でお手入れ
比較的硬度が高く亀裂に強いシトリンは、石鹸を溶かしたぬるま湯でのクリーニングで十分です。代わりに超音波洗浄器でお手入れしても問題ありません。スチームクリーニングは高温になりシトリンにダメージを与える恐れがあるため、使用は避けましょう。
シトリンの効果・宝石言葉の意味
古来よりシトリンは「太陽のエネルギー」がある宝石と考えられてきました。中世ヨーロッパにおける上流階級の人々はシトリンを大切に扱い、愛していたとされています。
希望を意味する人気の宝石
シトリンの宝石言葉は「友情」「希望」「生命力」などです。シトリンを持つことで希望や勇気が生まれる、あるいは物事に積極的になれるといわれています。シトリンは商売繁盛と富にも関係があり、事業のさらなる発展を願う人々からも人気を集めました。
シトリンにはヒーリング効果も期待されており、ストレス解消や心身の安定につながることも。体と心を落ち着かせ、前向きになれる力をもたらす希望の宝石といえるでしょう。
「ブラッドストーン」も11月の誕生石
一般的にトパーズとシトリンの2種類と定義されていることが多い11月の誕生石。実は11月の誕生石にはもうひとつ、「ブラッドストーン」も選定されています。
病気と子宝に効果あり
ブラッドストーンは血液にまつわる病気の改善と、子宝運アップが期待される宝石です。「癒し」「仕事」などの意味を持ちます。和名は「血玉髄(けつぎょくずい)」および「血碧石(けっぺきせき)」です。
11月の誕生石ジュエリーで日常に彩りを添える
11月の誕生石は「トパーズ」と「シトリン」の2種類。「ブラッドストーン」も11月の誕生石に含まれることがあり、血液系の病気や子宝運に効果があるとされています。
「トパーズ」は無色透明をはじめ、黄色やピンク、青色などカラーが豊富な誕生石です。宝石言葉には「希望」「友情」「成功」などがあり、美と知性を象徴する宝石としても考えられていました。激しい温度変化に弱い性質で、お手入れは柔らかい質感の布で拭くといいでしょう。
「シトリン」はオレンジやイエローなど柑橘系に似た色合いが特徴的な誕生石。太陽のエネルギーを宿しており、「希望」「友愛」などの宝石言葉があります。耐久性があるため、石鹸を溶かしたお湯でのお手入れがおすすめです。