2月18日10時から2月24日21時まで「マジック:ザ・ギャザリング バーチャル・アート展」がオンラインで開催されます。「マジック:ザ・ギャザリング」は世界中で4000万人を超えるプレイヤーとファンを持つトレーディングカードゲームで、2月18日には、新カードセット『神河:輝ける世界』が発売されます。今回のバーチャル・アート展は、その新カードセット『神河:輝ける世界』のアートや世界観を体験できるメタバースです。

バーチャル・アート展の開催に先駆けて、メディア体験会が開催されました。そこでひと足早く体験してきた『マジック:ザ・ギャザリング』のアートの世界をお届けします。

  • マジック:ザ・ギャザリング バーチャル・アート展が2月18日より開催

『神河:輝ける世界』は、2004年、2005年に発売された「神河物語」「神河謀反」「神河救済」の3つのセットからなるブロックの舞台・次元「神河」の約2000年後を描いたもの。「神河」シリーズは、和のテイストを含んだデザインが特徴で、侍や忍者などのクリーチャーが存在するほか、武士道や忍術といった能力が登場します。

アート展では、『神河:輝ける世界』に収録されているカードアートを展⽰。『北斗の拳』などで知られる漫画家・原哲夫氏や、『メタルギア ソリッド』シリーズのアートディレクションを手がけた新川洋司氏、『バーチャファイター2』などのイラストを担当した寺田克也氏など、日本人を中心とする83名のアーティストの描く134点のカードが登場します。

バーチャル・アート展のVR制作を担当したのはambr社。「東京ゲームショウ2021」で「TGS VR 2021」を担当した企業です。バーチャル・アート展は、「TGS VR 2021」と同様に、VR機器だけでなく、Windows PCの専用アプリでも体験できます。対応機器はWindows PC、Meta Quest 2(Oculus Quest 2)、Oculus Rift / Rift S、HTC Vive / Vive Pro 1&2。無料で誰でも参加可能です。

エントランスに入ると、本会場までの道のりに『マジック:ザ・ギャザリング』の歴史やこれまでのアート作品が展示されていました。本会場は環状で、「世界」「神」「伝統」「革新」「異次元の脅威」といった複数のエリアに別れています。また、エリアではいくつかのテーマが設定されており、テーマに合わせたカードが展示されていました。

世界のエリアでは、京都の清水の舞台を模した展示空間に浮世絵タッチの土地アートが並び、神のエリアでは、母聖樹の足下の神社を取り囲むように神々のアートが並びます。

また、伝統のエリアは、満開の桜を眺めながらアートが閲覧できる空中回廊になっていました。革新のエリアは、アンダーシティのビル群にサイバーなイメージの展示を実施。異次元の脅威は巨大なアートが並ぶエリアとなっていました。

会場全体は「神河」シリーズの和のテイストを感じさせつつも、サイバーな空間が広がっています。時代劇的であり、SF的でもある、スチームパンクのようなレトロフューチャー的な印象を受けました。

そのほか、アニメーションの特別展エリアや、集会場的な八角堂なども用意しています。

  • 『神河:輝ける世界』の雰囲気を漂わせるVR空間(開発中の画面です)

  • バーチャル・アート展の会場は環状になっており、エリアによってはさらに派生した空間も用意されていました

エリアの移動は、ワープ方式とスライド方式の2種類がありました。ワープは移動先を指定して一気にその場所に飛ぶ移動方法。ワープといっても5歩先くらいまでしか指定できないので、こまめにワープを繰り返して移動するイメージです。スライド方式は、ゲームでマップ上を移動するように動く方法。スライド方式の利点は前後左右に自由に移動しやすく、細かい動きに対応しているところです。ですが、3Dに慣れていない人は、3D酔いしやすい移動方法なので、ちょっとでもくらっときたり、気分が悪くなりそうになったりしたら、ワープ移動に切り替えることをオススメします。

会場にはナビゲーション・ロボットが設置されており、ロボットに近づくことで、音声でエリアやテーマについて、ナレーションとテキストで解説してくれました。美術館の音声ガイドに近い感じです。また、カードのアート作品だけでなく、未公開の設定資料や開発秘話ボードなども展示。『マジック:ザ・ギャザリング』の世界に、より深く触れることができるでしょう。

  • ナビゲーション・ロボットに近づくと、音声と文字で解説をしてくれます(開発中の画面です)

展示されているカードは、Grab(掴むこと)で、目の前に引き寄せることができます。カードが正面に大きく展示され、カードの解説や下絵などもじっくり鑑賞できました。

Grabによって、カードを大きく表示できるのは、バーチャルならではの仕様でしょう。こういったバーチャルな展覧会はリアル会場と同じような臨場感を感じながら、デジタルならではのギミックを体験できるようになっています。

特に展示スペースが限定されるリアルの美術館や博物館だと、すべてのカードの下絵を掲示することは難しい場合もあり、より豊富な展示物を閲覧できるのもうれしいポイント。また、これだけ情報量のある展示物を観て回るには時間がかかるので、多くの人でごった返すリアル展示とは違い、いつ入っても空いている会場で好きな時間に好きなだけ滞在できるのも、バーチャルならではの快適さです。

なお、カードを引き寄せるとそのカードを獲得したことになり、全134種類をコンプリートする楽しみも用意されていました。

カード収集のもうひとつの楽しみとして、アバターの進化があります。アバターは、折り紙の忍者のイメージですが、カードを収集した枚数によって、レベルがあがり、見た目が豪華になっていきます。

  • 会場内にはさまざまなカードが展示されています(開発中の画面です)

  • カードを掴むとカードが正面に大きく表示され、コメントや下絵なども見られるようになります

  • 開始直後のアバターはシンプルな折り紙の忍者です(開発中の画面です)

  • レベルがアップするとかなり豪華な衣装に変わります(開発中の画面です)

バーチャル・アート展は、1つのチャンネルに最大12人まで一緒に入れます。2人以上で一緒にバーチャル・アート展に参加する場合は、同じサーバーを指定することで、一緒に鑑賞可能。1人で楽しむ場合は、不特定多数が参加するチャンネルに入り、偶然居合わせた人と一緒にバーチャル・アート展を観てまわります。

アバターの上部の吹き出しから、任意のメッセージを書き込んでコミュニケーションも可能です。そのほか、マナの変更(アバターの色が変化します)や拍手やハートマークなどのアクションアイコンを出すこともできます。

音声チャットにも対応しているので、気の置けない仲間が集まれば、みんなでおしゃべりをしながらアート展を楽しめるでしょう。ゆっくり語り合いたい場合は、八角堂と呼ばれるミーティングルームを使用します。

  • マナの変更や『マジック:ザ・ギャザリング』のプレイ歴などの情報も表示できます

  • カードからドラゴンを召喚できるイベントも用意されています(開発中の画面です)

  • 『マジック:ザ・ギャザリング』の情報を得たり、一緒に閲覧した仲間と語り合ったりできる八角堂(開発中の画面です)

会期は約1週間と短め。いつのまにか会期が終わっていたなんてことにならないように、しっかりとリマインドの設定をしておきましょう。

『マジック:ザ・ギャザリング』のプレイヤーでないと楽しめないと心配する人もいるかもしれませんが、原哲夫氏や新川洋司氏、寺田克也氏の迫力のイラストは、カードゲームを知らなくても、絵画として楽しめる魅力があります。むしろ、カードゲームをやらないのであれば、ここ以外で触れる機会はほとんどないと思うので、ぜひ観ておくべきでしょう。

ちなみに、『マジック:ザ・ギャザリング』は現物のカードゲームだけでなく、モバイルゲーム版の『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』もリリースされています。バーチャル・アート展を体験たあとは、カードゲームの『マジック:ザ・ギャザリング』を始めてみるのもいいでしょう。eスポーツタイトルとして、人気が上がっていきそうな気配もありますよ。