女優の松本まりかが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、13日に放送される『もう限界かもしれません ~コロナと父娘のラーメン屋~』。「もう限界かもしれません」という張り紙が話題となったラーメン店の女性店主や、経営者である父親たちを追った作品だ。
この映像を通して、様々な点で共感したという松本。特に、“自分にとって本当に大切なものは何か”を考えることにおいて、強く響くものがあったという――。
■コロナで窮地の飲食店「知るべき現状」
昨年5月、「もう限界かもしれません」の張り紙で話題になった東京・荻窪のラーメン店。コロナ禍での度重なる休業要請で、苦境に立つ経営への思いを訴えたのは、ずっと水商売の世界で生きてきたえつ子さん(35)だ。
この張り紙のことを、もともとSNSで見て知っていたという松本。今回の番組で、コロナによって飲食店が窮地に立たされていることに「知るべき現状だったと思います」と感じるのと同時に、ネット上で「同情商法はやめろ」「協力金をもらうくせに」と炎上していたことも踏まえて、「飲食店へのコロナの影響とSNSでの誹謗中傷という2つから、社会の問題の見方ができたと思います」と語る。
さらに、えつ子さんと二人三脚でラーメン店を切り盛りする従業員の姿から、“生きがい”というものを、もう1つのテーマとして受け止めた。
「従業員の方は34歳で給料は低いとおっしゃっていましたが、お客さんに『おいしい』と言ってもらえることが生きがいになっていましたよね。もちろんお金がないと生きていけませんが、自分が生きる中で“本当に大切なものは何か”というのが、伝わってきました。立場は違うけど、私も『自分が本当にやりたいことって何だっけ?』『どういう生き方がしたいんだっけ?』と常々感じていないとブレてしまうので、自分事として捉えて、いろいろ気づかせてもらいました」
■私は大切なものを見失ってるんじゃないか…
“自分にとって本当に大切なものは何か”――今や数多くの作品で引っ張りだこの松本だが、ブレイクして多忙になってから、それをより模索するようになったという。
「何が一番大切か。この2年、それだけは失いたくないと思いながらも、そこに向き合うことができなくなっていきました。一緒に作品を作る人たちと感動を分かち合ってこれたのか、私は大切なものを見失ってるんじゃないか…。今回の映像で、従業員の方が『店を続けたいんです』と、自分にとって大切なものをつかもうとしている姿に、すごく響くものがありましたし、教えられることがありました」
ほかにも、お客さんから応援の声が届くラーメン店の姿から、自身もファンやマネージャー、作品のスタッフなどに支えられていることを改めて実感。こうして共感点の多かった今回の番組について、「コロナで苦しんでいない人はほとんどいないと思うので、『自分だけじゃないんだ』と思ってもらえるんじゃないかなと思います」と強調する。
さらに、「小さな1つの事例の現場の話って、なかなか見えないじゃないですか。本当に細かいところまで知るということが大事だと思うし、私も今回の映像を見てハッとさせられたことがあったので、何かの気付きの一歩になるかもしれません。現状を変えることができる方とかにも、ぜひ見ていただきたいですね」と呼びかけた。
●松本まりか
1984年生まれ、東京都出身。00年に『六番目の小夜子』(NHK)で連続ドラマデビューし、18年『ホリデイラブ』(テレビ朝日)で注目を集める。近年はドラマ『向こうの果て』(WOWOW)、『それでも愛を誓いますか?』(ABCテレビ)、『東京、愛だの、恋だの』(Paravi)、『雨に叫べば』(Amazonプライム・ビデオ)で主演を務め、『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日)などバラエティでも活躍。今年は映画『MIRRORLIAR FILMS Season2』、『妖怪シェアハウス』の公開が控え、4月にはドラマ『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』(テレビ朝日)がスタートする。