台所でカレーを調理している一人の女の子。別部屋に移動し、カレー鍋を置いた場所は布団の中。つまり文字通り「カレーを一晩寝かせる」ということ。超絶クオリティで描かれた、ツッコミどころ満載のアニメを制作したのは安田現象さん。いつも、3DCGソフトを駆使してたった一人でアニメを制作してきた安田さんですが、2022年は新たな展開もあるようで…。
カレーを一晩寝かせる女の子(Twitter 安田現象@gensho_yasuda より引用)
2020年には自主制作アニメ「メイクラブ」を公開。その後も音楽ユニット「ずっと真夜中でいいのに。」 の楽曲「正しくなれない」のアニメMVを手がけたことでさらに話題になりました。今回の「カレーを一晩寝かせる女の子」は2022年1月29日に投稿された最新ショートアニメ。カレーを布団で寝かせるというベタといえばベタ、意外と言えば意外な展開に、17万人を超えるフォロワーからツッコミが入りました。
「ええー カレーの匂いがついた布団になってしまうw」「蓋ぁぁぁ、蓋してあげてぇぇ」「布団焦げてそう」などなど。一方で演出や背景などに注目しているリプライも。「光の感じめちゃくちゃ好きだ…」「毎回思うけど周りの音とか部屋の内装とかすげえ細けぇ」「『〆切』の文字から何か疲れ果てて現実逃避しているかのようにも見えますw」作者の安田さんに、今回のアニメや今後について直接お話を伺いました。
■制作者さんに聞いてみた
……非常に高いクオリティですが、完全に一人で制作されているのでしょうか。
ありがとうございます。映像はすべて一人で制作しております。音だけはサウンドクリエイターの@DoggoWankoさんにお願いしました。
……今回の作品で苦労した点、工夫した点は?
いつもは1カットでアニメを作ってきたのですが、今回は2カットで作りました。2カットにすることで単純に作業も倍以上になり大変でしたが、演出幅が広がって、よりアニメライクな楽しみ方ができるようになったと思います。
……背景に「〆切」などの貼り紙があったり、この女の子の物語を感じますが、どんな意図があるのでしょうか。
自分がそれを明言してしまうと「答え」になってしまい、想像する楽しさを奪ってしまいます。自分の作品の中でどんな世界が広がっているのか、それを想像してもらうことも自分にとっての喜びの一つです。
……今後はどんなアニメを作っていきたいですか。具体的な予定などあれば教えてください。
今後は物語性の強い作品も作っていきたいです。最近、長尺のアニメを作るために小さなスタジオを立ち上げて、数人がかりで制作を始めました。脚本なども修正を重ねていいものが仕上げられたので、完成まで気を抜かずにしっかり作りきっていきたいです。
個人自主制作のアニメ作家の方が、後にメジャーな劇場作品などで大ヒットとなり、ブームとなるようなことも起こっています。日本アニメの持ち味であるセル調テイストを受け継ぎながら、3DCGの良さを最大限生かしたアニメを制作する安田現象さん。近い将来、「安田現象」現象が巻き起こるかも! 楽しみに最新長編アニメの誕生を待ちましょう。
▼カレーを一晩寝かせる女の子
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— 安田現象 (@gensho_yasuda) January 29, 2022