米NVIDIAは2月7日(現地時間)、ソフトバンクグループは2月8日(日本時間)、それぞれArmの買収と売却における契約を解消すると発表した。Armは2022年度中の株式上場を目指すとしている。

Armは2016年9月にSoftbank傘下に入り、2020年9月にはNVIDIAに売却されることが発表されていたが、先月末に買収が難航していることが米Bloombergによって報道されていた。今回の発表で正式に両社から発表がなされた形となり、NVIDIAはArmの買収を断念する。両社は契約解消の理由について、「誠実な努力を続けてきたが、規制上の重大な問題を回避できなかった」としている。

今後、SoftbankはArmを2022年度中に株式上場するための準備を進めていくとしており、売却対価の前受金としてSoftbankがNVIDIAから受け取った12.5億ドル(1ドル115円で約1,438億円)は、2022年3月期第4四半期の利益として計上される。

Armは世界中のスマートフォンなどに採用されている半導体のIP(知的財産)を保有する企業。NVIDIAのCEO ジェンスン・フアン氏は発表の中で、「私たちは1つの会社にはなりませんが、Arm社と密接に連携していくつもりです。マサが行った多大な投資により、Arm CPUがクライアントコンピューティングだけでなく、スーパーコンピューティング、クラウド、AI、ロボティクスにまで範囲を広げることができるよう、Armを位置づけています」と述べている。