JR東日本は8日、JR東日本グループ全体の長期目標としている2050年度のCO2排出量「実質ゼロ」に向けた取組みについて発表した。この中で、水素ハイブリッド電車「HYBARI」の実証試験を3月下旬から開始することも発表された。
JR東日本グループでは、将来にわたり環境優位性を向上し、社会に新たな価値を創造する企業グループであり続けるために、2050年度のCO2排出量「実質ゼロ」をグループ全体の長期目標に設定。今回、新たに2030年度までのJR東日本グループ全体のCO2排出量削減目標を「2013年度比▲50%」に設定し、目標達成に向けた取組みを通じて脱炭素社会の実現に貢献するとしている。
水素ハイブリッド電車「HYBARI」は、エネルギーを「使う」フェイズでの取組みとなる。車両はすでに落成しており、3月下旬から南武線の川崎~登戸間と南武線支線(浜川崎~尻手間)、鶴見線で実証試験を開始する。今後は実証試験を重ね、将来の社会実装を推進していくとのこと。
2022年春には、新幹線と水素を燃料とする燃料電池自動車(FCEV)や超小型電気自動車(バッテリーEV)の「ゼロエミッション車」のレンタカーを組み合わせた「環境にやさしい新たな旅」を提案。高崎・郡山・仙台・新潟の駅レンタカー営業所に燃料電池自動車(FCEV)レンタカーを2台ずつ計8台配置するほか、小山・郡山・仙台・新潟・軽井沢の各営業所に超小型電気自動車(バッテリーEV)レンタカーを2台ずつ、計10台配置する。
エネルギーを「つくる」フェイズでの取組みとしては、東北エリアを中心に風力・太陽光・地熱といった再生可能エネルギー導入に向け、グループ会社であるJR東日本エネルギー開発とともに積極的に開発に取り組んでいくとのこと。2030年度までに東北エリアにおけるCO2排出量を実質ゼロにすることをめざし、2022年度から順次、東北エリアの電車運行に使用する電力に「非化石証書」を利用して実質的に再生可能エネルギー由来に置き換えるとしている。