日本テレビ系で放送中のバラエティ番組『有吉の壁』の企画「ブレイクアーティスト選手権」に登場し、大きな話題となった鼻詰まり系ヴィジュアルバンド・美炎-BIEN-。昨年11月に開催された同番組の武道館ライブでもトリを務め、ミュージックビデオ制作のためのクラウドファンディングを開始すると、目標金額を大幅に達成するなど、その勢いはますます増している。さらに、2月23日には、先行配信楽曲「鼻吹雪」「鼻水木」2曲のシングルCDを発売することも決定した。飛ぶ鳥を落とす勢いの美炎-BIEN-。バンドを結成するお笑いコンビ・チョコレートプラネットの長田庄平、松尾駿、お笑いトリオ・パンサーの向井慧、菅良太郎の4人はどんな野望を描いて活動を繰り広げているのだろうか――。

  • 左から 美炎-BIEN-のZumari(向井慧)、Kushami(長田庄平)、Dust(菅良太郎)、Kafun(松尾駿)

ボーカル・Kushami(長田)、ギター・Zumari(向井)、ベース・Dust(菅)、ドラム・Kafun(松尾)と人気芸人が顔をそろえ、バラエティ番組発のバンド、しかも鼻にはティッシュ……と、やや“色”が強そうに感じられるが、そのいで立ちは、ヴィジュアル系バンドファンにも一目を置かれ、バラエティの域を超えたこだわりが感じられる。長田は「『有吉の壁』で第一声を発し、ワンフレーズ歌ったときから、僕のなかで(バンドとして突き進んでいく未来は)確定しました」と力説すると「そこからは大きな未来は想像していたのですが、でもまさかライブやCD発売が現実になったのは正直びっくりしています」と本音もチラリ。

向井も「僕はKushamiから誘ってもらってメンバーに入れてもらったのですが、そこから武道館でライブをやったり、ミュージックビデオの撮影があったり……。周囲のスタッフさんもすごくたくさんいて、なんかいつもと違う世界のようで驚いています」と戸惑いがあるようだ。

“鼻詰まり系”というフレーズは付くが、ヴィジュアル系バンドとしての思いは強い。「LUNA SEA、GLAY、SIAM SHADE」(長田)、「GLAY」(松尾)、「PIERROT、DIR EN GREY」(向井)と影響を受けたヴィジュアル系バンドの名前をあげるなか、菅は「ちょっとズレるかもしれないけれど僕はCASCADE。さらにもちょっとズレると、Mr.Childrenですかね」と違った嗜好も。

武道館ライブ、シングル配信、そしてCD発売とスターダムを駆け上がる美炎-BIEN-。「有吉の壁」の公式Twitterでは「目指せ紅白」というハッシュタグもSNS上では盛り上がった。長田は「もちろん最終的には紅白に出たいです」と野望をのぞかせる。具体的なビジョンを聞くと長田は「とりあえずNHKに花粉をばらまいて、他のアーティストが歌えなくなるなか、僕らは鼻にティッシュを詰めて歌えるので、ライバルが減るのかなと」とジョークを飛ばすが「いきたいですよね」と向井も菅も夢を馳せる。

お笑い芸人とヴィジュアル系バンドという二足の草鞋。本業の“お笑い”への相乗効果はあるのだろうか――。長田は「芸人とはまったく違う土壌なので、直接的には分からないけれど、跳ね方とか広がり方が全然違うので面白いです」と興奮気味に語る。続けて長田は「お笑いファンだけではなく、もっともっといろいろな人を巻き込んで、たくさんファンを獲得したいです。最終的にアーティストのフィールドであるフェスや紅白に出たとき、芸人として新たな力を得たと実感できるかなと思っています」と語っていた。

向井は「僕らはパンサーというお笑いトリオをやっているのですが、吉本の音楽グループということで、吉本坂46とかもあったのですが、美炎-BIEN-は冬眠することなく、しっかり頑張っていきたいです」とお笑いとバンドのどちらもしっかりと活動していくことを誓っていた。

パンサーの尾形貴弘はバンドを脱退したという設定になっているが、長田は「まだ分かりませんが、今後はバンドの深みを出すために新しい楽器パートを入れたりするかもしれません。最終的にはEXILEみたいにメンバーを増やしたり、“美炎-BIEN-ガールズ”みたいな女性グループを結成したり、そんな風に広がっていければいいですね」と壮大な計画を述べていた。