テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2022』(毎週日曜4:30~)では、難病の診断を受けながらパン屋を開業した女性に密着した『難病のパン屋さん~ひかり閉ざされても』(北海道テレビ制作)を、6日に放送する。
網膜の異常で徐々に視野が狭まる難病「網膜色素変性症」。国内の患者は推定3万人で、現在のところ確立した治療法はない。
元看護師の市場梨沙さん(32)が、この病気の診断を受けたのは6年前。念願の看護師試験に合格してすぐのことだった。当時は2歳の娘を育てるシングルマザー。病気は子供に遺伝することもあると知らされた。
絶望の末に看護師の夢を諦め、選んだ道は趣味を生かしたパン屋。2020年、北海道東川町にパン屋を開業した。視野が狭いため苦労は絶えないが、1人で70種類以上を焼き上げる。こうして、市場さんのお店「18bakery(イチバ ベーカリー)」は、町でも評判の美味しいパン屋さんと呼ばれるまでになった。
万が一、子供が同じ病気になったとしても負けないよう毎日厨房に立つ。「大丈夫。できることはきっとあるよと、人生をかけて伝えたい」。
それでも将来、子供の成長が見られなくなる。パンを焼けなくなる日も来るだろうという不安に押しつぶされそうになりながらも、彼女の人生は続く。
番組では、2020年から国内で始まったiPS細胞による「網膜色素変性症」の世界初の手術も取材。難病に苦しむ人に一筋の光も見えてきている。「強く生きる」と決意している市場さん…難病に苦しみながらもパン職人として、母として、彼女の生きる姿を、声優・森川智之のナレーションで描いていく。