東京商工リサーチは2月3日、「『からあげ屋さん』動向調査」を発表した。本調査は、同社の企業データベース(対象約390万社)から、営業種目や業績変動要因(主要分)に「からあげ(表記ゆれ含む)」類の記載があるものを抽出、分析している。

調査結果は以下の通り。まず「『からあげ屋さん』企業数推移」を見ると、運営企業は2021年9月末で235社、コロナ前の2019年9月末から45社(23.6%増)増加している。

  • 「からあげ屋さん」企業数推移

また運営企業235社の本社所在地を見ると、トップスリーは「九州」(40.8%)、「関東」(20.0%)、「近畿」(14.89%)だった。

  • 「からあげ屋さん」235社本社所在地

同社は「養鶏が盛んで、鶏肉消費量も多い九州は、人口の多い関東や近畿の2倍以上の『からあげ屋さん』の運営企業がある」とコメント。

次に「運営企業235社の資本金別」を見たところ、「個人企業他」(50.2%)が最多となっている。

  • 運営企業235社の資本金別

「『からあげ屋さん』は他の飲食店に比べ、少ない初期投資でも開業できるメリットのほか、FC方式で展開するケースも多い。FC店への加盟は比較的容易なため、個人企業や資本金500万円未満で開業する事業者も目立つ」

また、「『からあげ屋さん』法人117社設立年別」を見ると、88社(構成比75.2%)が2016年以前に設立されている。

  • 「からあげ屋さん」法人117社設立年別

同社は「ただ、『からあげ屋さん』の多くは過小資本で、少ない人員が従事する小・零細企業が占めている。ここまで成長をたどった『からあげ』ブームだが、長引くコロナ禍で同業他社の参入が増えると、そろそろ淘汰の波が起こる可能性もある」と指摘する。