オンライン開催の「dynabook Days 2022 Spring」では、法人向け14型モバイルノートPC「dynabook RJ74」(発売時期は2022年春、価格は未定)が披露されました。セミナーでは、注目ポイントやこだわりの新機能について担当者が語っています。dynabook Days 2022 Springの各種コンテンツは、2月28日までアーカイブ公開されます。ぜひ登録、視聴してみてください。

  • dynabook Days 2022 Springの特設サイトでは、dynabook RJ74の特徴を紹介。端末の360°デモも体験できます

14型にシフトした背景

Dynabookでは長年、13型をモバイルPCの基準にしてきましたが、新製品のdynabook RJ74は14型を採用。この背景について、Dynabookの古賀裕一氏は次のように語ります。

「この2年間、コロナ禍の状況で在宅ワークやリモートワークが始まり、外出先・出張先だけでなく、家庭内でもPCを使う時間が増えました。すると『スクリーンサイズを有効に使いたい』『13型は少し大きく、15型は大きすぎる』といった要望が寄せられるようになりました」(古賀氏)

そこでフレームレスの設計を突き詰め、従来製品の13型ノートPCとほぼ同サイズで14型のコンパクトボディを実現しました。なお、重さは1kgを切る見込みです。

  • 「この1台でお客さまの多彩な要望に応えます」(古賀氏)

CPUには、最新の第12世代Intel Coreプロセッサを搭載。CPUのパフォーマンスを発揮する工夫として、TDP(熱設計電力)は最大で28Wを処理できる設計に。古賀氏は「エンパワーテクノロジーによって、高性能なコンピューティングをお届けできる」とします。

  • 第12世代Intel Coreプロセッサを搭載

CPUに負荷をかけると発熱が多くなり、ノートPC本体の内部が高温になります。dynabook RJ74では、高密度の実装技術と本体内部の熱を効果的に排出する冷却ファンによって、CPUパフォーマンスが持続するようにしています。

  • 28W TDPで動かすdynabookエンパワーテクノロジーについて。ノートPCの内部には、ヒートパイプと、dynabook RJ74向けに新開発されたという2つのファン

そしてフレームレス設計は、液晶画面と本体のサイズがほぼ一緒というデザイン。液晶画面のベゼルが狭くなるとWebカメラの搭載スペースが限られますが、dynabook RJ74には新開発の超小型Webカメラを採用しています。カメラモジュールの幅は、わずか2.2mmというから驚きです。

  • 超小型のWebカメラを搭載。本体の軽量化にも貢献

液晶ディスプレイは「縦」が若干長くなりました。アスペクト比が従来の16:9から16:10に変わっています。古賀氏は「縦方向により多くの情報を表示できます。Excel、Teamsといったアプリを使うとき有効に活用できるでしょう」と話します。ブルーライトを抑制する機能も持たせました。

  • ディスプレイのアスペクト比は16:10に

  • クリックパッドを広く確保。Windows 11の4本指ジェスチャーコマンドも使いやすく

  • 電源ボタンに指紋認証モジュールを搭載

古賀氏は「この1台(dynabook RJ74)だけで、仕事をフィックス(完結)していただきたい。そんな思いから、すべてのインタフェースを搭載しています」とし、重要なポイントとして挙げたのが有線LANコネクタを搭載していること。Wi-Fiの普及で有線LANを使う場面は減りましたが、「例えば重要機密を扱う企業では現在も有線LANが使われています」(古賀氏)とのことです。

  • 有線LANコネクタを搭載

堅牢性を高めるため、MIL規格に準拠したテストも実施予定です。最後は「ハイブリッド時代に最適なPCとして、使い勝手やデザインにこだわって開発しました」とまとめました。

  • 落下の耐久テストなど、MIL規格に準拠したテストも行う予定

デザインについて

dynabook RJ74のデザイン面を説明したのは、Dynabookの関本晋也氏。ハイブリッドワークによって、ノートPCはさまざまなシチュエーションで持ち出されるようになりました。そこで従来のブラックやグレーに収まらないカラバリを検討したそうです。

「プレーンなホワイト、高級感あるゴールドなど、色のディスカッションを重ねました。ターゲットとしているユーザーが幅広いこと、またユーザビリティの観点もあり、フォーマルを意識したダークテックブルーを採用しました」(関本氏)

  • Dynabookの関本晋也氏

ひとつの大きな「R」(曲線)で構成することで、持ち運びやすいデザインにしています。カバンから出し入れのしやすさも考慮したとのこと。dynabook RJ74は狭額縁がひとつの特徴で、ユーザーはより画面に集中しやすくなりました。これを意識して、下側ベゼルに記載するdynabookのロゴは極力目立たないようにしています。「PCで作業中に、余計なノイズにならないように」(関本氏)と説明します。

  • ブランドロゴを目立たなく

同様に、ヒンジのデザインにもこだわりました。従来製品では両サイドにシルバーの別パーツを入れていましたが、同系色でまとめて一体感を演出。

「場所を選ばず、使い勝手にも考慮した、ハイブリッドワークに特化したPCに仕上がりました」(関本氏)

秀逸なカメラアプリ

Dynabookの渡辺敦史氏は、オンライン会議をサポートする3つのアプリや機能を紹介。(1)会議中のノイズをAIが除去するAIノイズキャンセラー、(2)マイクのミュート機能をキー操作ですばやく切り替えるワンタッチマイクミュート、(3)AIを用いたカメラ効果のAIカメラエフェクターです。これらにより、背景に自宅が映り込んでしまう、自分の顔が暗く映ってしまう、といった課題を解決していきます。AI技術では、会議アプリによらず効果を利用できるのが特徴です。

  • Dynabookの渡辺敦史氏

  • 3つのアプリでオンライン会議をサポート

  • AIカメラエフェクターの例。「顔位置調整」は、PCの正面から動いてもカメラが顔を追尾するチェイス機能に対応

最後に「オンライン会議、テレワークが浸透したいま、スムーズなコミュニケーションが重要視されています」(渡辺氏)と、dynabook RJ74がハイブリッドワークに最適なモバイルノートPCであることをアピールしました。