エン・ジャパンが1月31日、「定年延長によるミドル・シニアの活用」の調査結果を発表した。調査は1月13日~19日、同社運営サイト「ミドルの転職」を利用する転職コンサルタント199名を対象にインターネットで行われた。
はじめに、「直近、50代を対象とした求人は増えていると感じますか?」と尋ねたところ、43%が「増えている」と回答。求人が増えていると感じる企業タイプを聞くと、「中小企業」(76%)が圧倒的に多く、次いで「大手企業」と「ベンチャー企業」(ともに35%)が並ぶ結果に。2019年の前回調査と比較すると、「大手企業」が9ポイント増加していることから、大手企業で50代以上を採用する動きが増えつつあることがうかがえた。
また、50代以上の求人が増えていると感じる理由については、「若手人材の不足により、採用人材の年齢幅を広げざるを得ないため」(63%)がトップに。次いで「既存事業拡大に伴う、経験者募集が増えているため」(53%)、「新規事業立ち上げに伴う、経験者募集が増えているため」(37%)と続いた。
50代の雇用の流動性をどのように感じるか伺ったところ、45%が「流動性が(どちらかといえば)低い」と回答。理由を聞くと、前回調査同様に「企業が50代の活用策を考えられていないため」(2019年59%、2022年53%)がトップに。また、「定年延長で企業コストが嵩み採用自体が鈍化しているため」(同:15%、27%)、「50代が担っていた役割を若手など別世代が担い始めたため」(同:11%、22%)で10ポイント以上上昇した。
次に、「ミドル・シニアの活用について取り組みを行なっている企業は何割程度あると感じますか?」と伺ったところ、29%が「5割以上」と回答し、2019年調査から11ポイント増加。また、企業の取り組みとして多いものを伺ったところ、「年齢軸にとらわれない人事管理」(59%)が最多に。
また、2021年4月の改正高年齢者雇用安定法で努力義務となった「70歳までの雇用確保」については、53%が「対応が進んでいない企業が多いと感じる」と回答。さらに、改正高年齢者雇用安定法への対応について「企業からよく聞く課題を教えてください」と聞いたところ、「年齢軸にとらわれない人事管理について検討しきれていない」が最も多く39%だった。