愛知県は27日、スタジオジブリが制作した観光動画「風になって、遊ぼう。」を公開した。映画監督の中川龍太郎氏、映像ディレクターのUssiy氏 、音楽の岩崎太整氏が、愛知県を舞台に描き出した4分20秒の映像作品となっている。
この動画は、2022年11月1日に予定している「ジブリパーク」(愛知県長久手市)の開業を見据え、愛知県内各地の魅力を広く伝えるべく制作された。
動画内には、国宝犬山城(犬山市)、日本遺産 「有松」(名古屋市)、あいち航空ミュージアム(豊山町)、サツキとメイの家(長久手市)など、県内15カ所の観光名所が登場。ジブリパーク来園客を、県内各地への周遊や宿泊につなげたいというねらいがある。
ストーリーは以下。
森の中で、旅人が残した鞄から、羽根の版画を見つけた少女 。
その脇を「 風 」 が飛び去っていく。
少女は、その「風」を追うままに、愛知県内各地を駆けぬけ、「サツキとメイの家」で、羽根を見つける 。 羽根を運ぶ風になって駆ける、少女の冒険物語 。
オーケストラが演奏するオリジナル曲を背景に、ジブリ作品にも多く見られる風の描写や飛翔するさまをドローンによる空撮で表現。愛知の歴史を感じるノスタルジックな作品となっている。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、今回監督を務めた中川龍太郎氏について、「さまざまな才能を持っている人ですが、僕が彼を気に入ったのは1点、宮崎駿に性格がそっくりなんですね。あまり深く考えないで行動してしまう(笑)感性ややることなすこと、非常に宮崎駿に似ているんです。その精神がこの作品にも反映されているのではと思います」と、発表会の場で話した。
ちなみに、動画と合わせて制作されたキービジュアルの内の「ジブリパークのある愛知」の文字は、鈴木プロデューサーが書いたものだという。
動画は、愛知の公式観光サイト「Aichi Now」内の特設サイトや愛知観光コンベンション局の公式YouTubeチャンネルで配信するほか、駅のデジタルサイネージやイベントなどで積極的に活用。キービジュアルは、ポスターやパンフレットなどに利用される。
また、どちらも市町村や観光関連事業者へのデータ提供が可能で、店頭での掲出や商品パッケージなどへの活用も期待しているという。
動画はフルバージョン(4分21秒)と15秒バージョンの2パターン。キービジュアルはカラーとモノクロがある。動画、キービジュアルともに日本語版と英語版が用意されている。
(c)2022 Studio Ghibli