Dynabookは1月26日、ノートPC「dynabook R」シリーズ新製品として、13.3型サイズのフットプリントに14型液晶を搭載したノートPC「dynabook RJ74/KU」を発表しました。法人向けの販売で価格は販売形態によって異なり、公表されていません。発売は2022年春頃を予定しています。
第12世代Core搭載、14型でアンダー1キロの高性能モバイル
dynabook RJ74/KUは、コロナ禍で緊急的に始まったテレワークが常態化していくことを見据え、ハイブリッドワークを想定した新たな「R」シリーズとして展開する14型ノートPCです。
dynabook RJ74/KUのオンライン発表会で、Dynabook代表取締役社長兼CEOの覚道清文氏は、東芝のパソコン事業時代から続く「R」シリーズを冠する機種はこれまで「時代を変える機種に名付けられてきた」と紹介。
Dynabookがハードウェア以外のサービスも提供していくという意気込みで、これまでの「Revolution」(革命)に加え、「Resolution」(解答)と「Renew」(時代を刷新)という意味も今回の「R」シリーズに込めたとしました。“新しさ”を強調するため、同社法人向けPCとしては珍しいブルー系のカラー(ダークテックブルー)を本体色に採用しています。
dynabook RJ74/KUの主な特徴は以下の通りです。なお、本機の概要やスペックはニュース記事「Dynabook、第12世代Core搭載でほぼ13.3型サイズの狭額縁14型モバイルPC」に詳しいので、こちらもご参照ください。
dynabook RJ74/KUの主な特徴
- 13.3型のフットプリントに14型液晶(16:10)を搭載
- 1㎏以下(予定値)の重さ、15mmの薄さ
- Intelの第12世代Core搭載、vProも選択可
- 28W TDPで動かすdynabookエンパワーテクノロジー
- LPDDR5メモリ内蔵
- MIL規格準拠の堅牢性、10種のテストを検証
- バッテリー駆動時間は18時間以上(予定値、JEITA 2.0)
- ビデオ会議に便利な機能
dynabook RJ74/KUの主な仕様 | |||||
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型番 | dynabook RJ74/KU | ||||
OS | Windows 11 ProもしくはWindows 10 Pro(選択可) | ||||
CPU | Intel Core i7-1270P vPro | Intel Core i5-1250P vPro | Intel Core i7-1260P | Intel Core i5-1240P | |
メモリ | 16GB | 8GB | 16GBもしくは8GB | ||
ストレージ | 256GB SSDもしくは512GB SSD | ||||
グラフィックス | Iris Xe グラフィックス | ||||
光学ドライブ | ― | ||||
ディスプレイ | 14.0型WUXGA(1,920×1,200ドット、ノングレア) | ||||
通信 | Wi-Fi 6(IEEE802.11a / b / g / n / ac / ax)準拠の無線LAN、Bluetooth 5.2、ギガビット準拠の有線LAN | ||||
生体認証 | 指紋/顔認証 有り無しを選択可 | ||||
インタフェース | USB 3.2 Type-A(Gen1)×2、Thunderbolt 4(USB4 Type-C)コネクタ×2、HDMI出力×1、マイク/ヘッドホン出力×1など | ||||
サイズ | W312.4×D224.0×H15.9mm | ||||
重さ | 後報 | ||||
バッテリー駆動時間(JEITA 2.0) | 後報 | ||||
Office | Office Home & Business 2021 |
「どう軽くするか?」が最大の課題
Dynabook 執行役員 商品・設計・NCC・ビジネスパートナー戦略所管の中村憲政氏は、「dynabook RJ74/KU」のコンセプトを“コミュニケーションを止めない”デバイスだとしました。
これを実現するため、モバイル向け第12世代Intel Coreの搭載など高い性能や、ビデオ会議に役立つAIノイズキャンセル機能/映像補正機能、MILスペックに準拠した堅牢性などを入れ込んだといいます。
「13型ノートPCのフットプリントで14型のパネルを搭載し、軽さも実現する。これを(開発における)第1の目標としていたが、とても大変だった」と中村氏。搭載するモバイル向け第12世代Intel Coreは、「Pコア」(Performanceコア。高い処理能力が必要なときに動く高性能コア)、「Eコア」(Efficientコア。処理能力がさほどいらないときに動く省電力コア)と呼ばれる2つのコアを搭載しており、前世代の第11世代Coreと比べ、最大40%の性能向上がうたわれています(モバイル版Hシリーズ時)。
dynabook RJ74/KUでは、Pコア4基、Eコア8基の12コア・16スレッドで動くCore i7-1270P vPro/1260P、およびCore i5-1250P vPro/1240Pを搭載します。同機では第12世代Coreを28W TDPで動かし高い性能を出す独自のdynabookエンパワーテクノロジーを内蔵。CPUから出る熱を逃がすため、限られたスペースの中でCPUを冷やすダブルファンの搭載や、ヒートパイプの並べ方を調整するなど冷却パーツを改良しています。
また、2基のファン回転数をずらしたり、ブレードの形状を変えたりするなど構造も見直し、テレワークで気になりがちな静音化も図りました。ファンとヒートパイプはdynabook RJ74/KU向けに新開発したものを搭載しています。
加えてカメラモジュール幅を従来の45%減となる2.2mmに小型化するなど、構成パーツの各所で軽量化を重ねたとしました。
オンライン会議を補助する機能としては、一押しでマイクをミュートにする「ワンタッチマイクミュート機能」、自分や相手側で発生する環境騒音、キーボードの打鍵音といったノイズを低減する「AIノイズキャンセラー機能」、Webカメラに映し出された自分以外の背景をぼかしたり、顔位置を検知し常にユーザーが正面に一定サイズで写るよう補正する「AIカメラエフェクター機能」などを搭載しました。
写真で見るdynabook RJ74/KU
販売目標は初年度10万台。海外展開や個人向けモデルも検討
覚道氏は、2019年1月の社名変更後、2022年でDynabookが4年目になることに触れつつ、2022年はコロナ禍を背景に生活スタイルやワークスタイルが変化すると語りました。そのなかで同社はモバイルコンピューティング技術とAIoT活用ソリューションを生かし、利用者の生産性の向上やデジタル化を促進を目指します。
Dynabookは現在「テレマティクス」「文教」「オフィス・テレワーク」「現場」「ヘルスケア・医療」の5分野に注力していますが、2022年はシャープグループとしてグローバルに拠点を持つ強みを生かし、新たなデバイスやサービスの展開で積極的に市場を拡大していくと強調しました。
dynabook RJ74/KUの販売目標台数は、グローバルも含め初年度10万台を目指し、海外展開や個人向けモデルも現在検討しているといいます。