俳優の福士蒼汰が25日、いのうえ歌舞伎『神州無頼街』製作発表会見に出席し「マモちゃんとようやく共演できて嬉しい」とバディを組む宮野真守への愛を爆発させていた。会見には松雪泰子、宮野真守、高嶋政宏、演出のいのうえひでのり氏も参加。出席予定だった劇作の中島かずき氏は、新型コロナウイルス陽性のため欠席となった。

  • いのうえ歌舞伎『神州無頼街』製作発表会見を開催

本作は、これまで中島氏がいのうえ歌舞伎では取り上げてこなかった“幕末”や“侠客”を題材に、猥雑で妖しく、ヤクザで摩訶不思議な世界で魅了する物語。2020年、コロナ禍によって公演が叶わなかった作品が満を持して2022年春、世に放たれる。

物語の主人公で博識の若き町医者、 秋津永流(あきつながる)を演じる福士。「本来、2020年にやる予定だった舞台ですが、コロナ禍でできなくなりました。最初は中止ということで悔しかったのですが、皆さまの声をいただき延期となり、こうして公演ができるようになりました」としみじみ語ると「2年間経験したことを舞台に活かせると思い稽古に励んでいます」と延期がプラスになったことを強調する。

共演者の気概を感じながらの稽古だという福士。なかでも陽気でお調子者の口出し屋、草臥(そうが)を演じる宮野とのバディは大きなモチベーションになっているようで「マモちゃんと共演できることがうれしい。よろしくねマモちゃん」とエールを送ると、宮野も「念願の福士くんとの初共演。2017年の舞台『髑髏城の七人』Season月〈上弦の月〉で一緒でしたが、ダブルチームで同じ役だったので、一緒にステージに立つことはなかったんです。ステージ上での2人を一番のおススメにしていかなければ」と強い意気込みが感じられた。

福士の舞台役者としての魅力について、いのうえ氏は「映像でアクションをやっていますが、生のキレは全然違う。アクション監督と稽古をしてダメ出しを受けても、その姿がとても楽しそう。本当にお芝居が好きなんだなと感じます。生の動きは格別なものがあると思います」と語ると、宮野も「本当にまっすぐな性格で、楽しそうに稽古場にいる。そのピュアさが役にもピッタリで、彼についていけば僕もスキルアップできると思う」と全幅の信頼を寄せる。

そんな宮野の発言に福士は「包容力があって優しい。何をやっても許してくれる」と宮野の魅力を述べると「全部が好きです」とラブコール。福士と宮野のやりとりを見ていた松雪は「愛し合っているんですね。素敵です」と目を細めていた。

2年越しの公演。福士は「殺陣も多い、歌も多いド迫力な舞台ですが、根底には人の生きざまが描かれている。そこにも注目してほしい」と見どころを語り、いのうえ氏も「お祭りのような作品にしたい」と意気込んでいた。

いのうえ歌舞伎『神州無頼街』は、3月17日~29日の大坂・オリックス劇場を皮切りに、4月9~12日の静岡・富士市文化会館ロゼシアター大ホール、4月26日~5月28日まで東京・東京建物Brillia HALLにて上映。

撮影:田中亜紀