シャープのAIoT家電を操作するスマートライフアプリ「COCORO HOME」から、スマート照明「Philips Hue」シリーズの操作が可能になった。同アプリに機器登録できる他社製IoT家電は、住宅設備以外では初となる。
シャープと、Philips Hueを展開するシグニファイジャパンが1月25日に連携開始を発表。シャープのグループ会社である、AIoTクラウドが提供するクラウドサービス「AIoTプラットフォーム」を活用しており、同アプリからPhilips Hueの点灯や消灯が行えるようになった。
対象製品は以下の通り。
- Philips Hue フルカラー シングルランプ
- Philips Hue ホワイトグラデーション シングルランプ
- Philips Hue ホワイト シングルランプ
- Philips Hue Play ライトバー
- Philips Hue Go
- Philips Hue ライトリボンプラス/ライトリボンプラス エクステンション
COCORO HOMEアプリにPhilips Hueを登録すると、機器リスト画面から照明をオン/オフできる。さらに、Philips Hue専用アプリとあらかじめ連携しておくことで、照明の色や明るさを変更したいときにCOCORO HOMEアプリの「詳しい操作」ボタンを押すとPhilips Hue専用アプリが立ち上がり、より細かな操作が行えるようになる。
対応する各製品に加えて、照明の“ハブ”となるHueブリッジと、My Hueアカウントへの登録も必要。COCORO HOMEへの各製品の登録方法は、シャープのWebサイト上で案内している。
今回の連携により、COCORO HOMEアプリの機器リストにPhilips Hueが加わり、既存のシャープ製AIoT家電や、他社製のガス給湯器やエネファームといった住宅設備とまとめて統合管理できるようになる。
一例として、COCORO HOMEアプリ内で「まとめて操作」に登録しておけば、帰宅時にエアコン電源オンや給湯器のお湯はり、Philips Hueの点灯といった複数機器の一括操作が行え、毎日の手間を減らせるとしている。
なお、シャープとAIoTクラウド、シグニファイジャパンは同日、記者向けのオンライン説明会を開催。今回の取り組みの詳細や、IoT機器の普及とそれによる生活データ活用の促進について紹介した。
シャープでは現在、スマート対応製品を含めて一般消費者向けの照明機器はラインナップしていない。しかし、シャープ Smart Appliances & Solutions事業本部 AIoT事業推進部 部長の中田尋経氏は「家の中でスマートライフを構築するには、照明が必須。その提携先として、シグニファイのPhilips Hueと連携した。(照明は)スマートライフを完成させるために欠かせない重要なパーツととらえており、今回の連携が新しい生活の価値を生み出すひとつにきっかけになると思う」とコメントしている。
また、AIoTクラウド 松本融副社長がスマートライフ市場の現状を説明。シャープグループは2015年からAIoTの取り組みを進めており、現時点でのネットワーク接続家電の出荷台数は400万台以上に到達している。同社では普及の進んだIoT製品やサービスに対する支援として、さまざまなメーカーやサービス事業者と組んでIoTやスマートライフの価値を高める提案を進めているとのこと。
今回の取り組みにより、シャープとシグニファイジャパンは快適な暮らしにつながる新サービスの創出に取り組み、照明を軸として家の中の複数の機器を掛け合わせ、新たな価値創出を目指すという。その一例として松本副社長は、エアコンの設定温度を入眠温度へと徐々に下げながら、スマート照明もそれに連動して暖色に調整しつつ明るさを落としていったり、テレビを見ているときは番組情報と連携した色への変更や、映画などのコンテンツにあわせて明るさを自動制御したり、給湯器との連動で風呂へのお湯はり完了をリビングの照明の点滅で知らせる、といった活用イメージを紹介した。
シャープとAIoTクラウドは、今後もAIoTプラットフォームを通じてさまざまな機器メーカー・サービス事業者のプラットフォームと連携することで、家庭内のIoT機器データを集約し、生活データの分析・活用を進め、新サービスやビジネスの展開を目指す。