GENDA SEGA Entertainmentは、1月26日より東京・秋葉原地域にて、換金できないコミュニティ通貨「まちのコイン(アキコ)」を導入します。関係者は「本通貨を活用することで、業種を超えて秋葉原の企業・店舗が共闘できる。秋葉原らしい方法で街の価値を高めていければ」と期待を寄せます。
人のつながりを強化する通貨に
まちのコインは、カヤックが開発したコミュニティ通貨(電子地域通貨)サービス。導入時には、SEGA秋葉原4店舗、神田明神(神田神社)、秋葉原ワシントンホテル、メイドカフェ「リリアンプリアン」、パフォーマンス集団「リアルアキバボーイズ」など18カ所で利用可能です。
アキコの運営主体となったGENDA 代表取締役社長の申真衣氏は、まちのコイン導入の経緯について「昨年(2021年)7月にお話をいただきました。実際に先行導入した地域ではお客さまのフィードバックが良い、集客につながっている、などの声が聞かれます。そこでGENDAにとって大事な、秋葉原エリアで展開することを決めました」と説明。コロナ禍で集客が大変な時代だからこそ、みんなで一緒に集客していきたい、と意気込みます。2022年中に100カ所に導入したい考えで、目標とする利用者数は3,000人と定めました。
続いて登壇したカヤック 代表取締役の柳澤大輔氏は、地域の導入事例を交えながら、まちのコインのメリットについて説明しました。すでに全国の14地域で導入され、加盟店舗と団体が982スポット、登録ユーザーが2万1,159人に達しているまちのコイン(2022年1月23日現在)。例えば、プラごみ削減、フードロス削減といった「街、人、地球に良いこと」をしてコインをもらい、フラワーロスで悩む生花店でブーケを、フードロスを解決したい農家で野菜をもらえる仕掛けです。SDGsの取り組みと関係が深く、街固有の課題も解決していけるのが特長と言えるでしょう。
ちなみに加盟店は、初期費用も手数料も0円で始められます。カヤックでは1つの地域において月額10万円の費用が発生すると試算しますが、利用アプリに地域の広告を入れるなどして運用できると説明。柳澤氏は「まちのコインは原資が必要ありません。また、一定期間(最大180日)使わないとユーザーの元から回収されます。持続可能なこの仕組みにより、コインが循環し続けます」と説明し、法定通貨に換金できないからこそ提供できる、お金で買えない新しい顧客体験を楽しんでほしい、と呼びかけました。
このあと、秋葉原ワシントンホテルの支配人 亀井英雄氏が登壇。同ホテルでは宿泊すると500アキコ、朝食ブッフェの利用で200アキコ、フロントでサイコロを振って100アキコを付与し、また500アキコを使えばホテルに用意した1,200冊のコミックが1時間読み放題になる、などのサービスを準備します。亀井氏は「コロナ禍で稼働率が大幅減となりましたが、競合するホテルとも手を取り合い、まちのコインに参画しました。とても厳しい状況ではありますが、共闘することで新しい体験も提供できる。秋葉原の地域が活性化すれば、おのずとファンも多く獲得できると期待しています」と話し、今後もどんどん内容を追加していきたいとサービスへの期待を述べます。
またメイドカフェ「リリアンプリアン」を運営する花輪匠氏は「お客さまに食器を下げてもらえば協力のお礼にアキコを差し上げたり、キャストとお客さまが仲良くなれる体験も考えていきたい」と説明。このあと壇上では、神田明神の勝守(お守り)にキャストが特別なおまじないをかけるデモンストレーションが行われました。