ビジネスSNS「Wantedly」を提供するウォンテッドリーが昨年11月、2022年から24年卒業予定の学生計398名を対象に「就職活動に関する調査」を実施した。

そこで、学生たちが就職先選びで最も重視していることや参考にしている情報源などについて発表された調査結果を紹介したい。

※以下、2022年3月卒業予定の学生を「22卒」(大学4年生、大学院2年生等)、2023年3月に卒業予定の学生を「23卒」、2024年3月に卒業予定の学生を「24卒」と表記

  • 就活の「イマドキ」は?

一番大切にしているのは「仕事のやりがい」

まず注目されるのは、就職先を選ぶ際に学生たちが最も重視することについての回答。どの卒業年度とも一番多かったのは「仕事内容のやりがい」だった。2番目には22卒、23卒が「自己成長」、24卒では「給与水準」が続いている。最も大事にされていないのは「知名度」という結果になった。

  • 就職先を選ぶ際に「重視」すること 提供:ウォンテッドリー

そして、学生からは「仕事のやりがいを求めるのは、自分の仕事のモチベーションにつながる」「会社に関係なく個人としてスキルアップしていきたい」「経済的に安定した暮らしがしたい」という声が寄せられている。

参考にする意見は、親よりYouTuber!?

就活生が参考にしていると回答した情報源のトップは「各企業のHP」(94%)で、次が「就活イベントの情報」(73%)だった。

ただ、実際に役に立ったかを聞いてみると1位は「各企業のHP」(63%)で変わらないものの、「就活イベントの情報」(26%)よりも「就活サービス内の記事」(33%)、「各企業の採用動画」(31%)、「就活YouTuber」(27%)が上回っていた。

  • 就活で「参考にしている」情報源と実際に役立った情報源 提供:ウォンテッドリー

中には「YouTubeで営業系の動画を見て、この人みたいになりたい!と強烈に思える人と出会い、いまの第一志望になっています」(関西外国語大学3年生/23卒)という学生もいる。

また、アンケートによると、最も役に立たなかったのは「家族、親戚などの意見」(7%)。今は家族の意見や先輩・友人の口コミより就活YouTuberのリアルな情報が影響を及ぼしやすいようだ。

就活開始時期は年々早期化

就職活動を始める時期に関しては、現時点ですでに23卒の89%、24卒の46%の学生が就活を始めている。大学1年生から取り組み始めた学生の比率は、22卒が4%に対し、23卒が10%、24卒では27%と年々増加。

  • いつ頃から就活を始めたか? 提供:ウォンテッドリー

この結果に関して、同社の広報担当である奈良英史氏は、「コロナ禍で就活が大変になるのではないかという不安が、就活の早期化の背景になっています」と解説する。

長期インターンシップがさらに普及?

今回の調査によって

・就職先選びで最も重視しているのは「仕事内容のやりがい」
・実際に役に立った情報源のTOP3は「企業のHP」「就活サービス内記事」「採用動画で、「就活YouTuber」が「就活イベント」を僅差で上回っている
・就活開始時期が年々早期化している

ということが就活トレンドとして注目されると分かった。

「仕事のやりがいを重視する学生が増え、自分が何に対してやりがいを感じるかを確かめる機会が求められています。その入り口の一つとなる長期インターンシップは今後ますます普及し、就活の早期化も進んでいくと考えられます」(奈良氏)

YouTubeやInstagram、Twitterなどを活用して「これだ!」と感じた企業に自らアプローチするなど、やりがいのある仕事につきたいという気持ちを優先して就活に取り組んでいる学生たち。

一人でも多くの就活生が、達成感と成長を存分に味わえる仕事と出会ってほしい。