JR東日本、NTTドコモ、日本電信電話(NTT)の3社は、鉄道利用者に混雑を避ける行動を効果的に促す技術(行動変容促進技術)の有効性を検証するため、1月24日から山手線沿線で共同実験を開始すると発表した。
共同実験では、モニターとして募った山手線の利用者を対象に、実験参加者それぞれの心理的特性に応じた効果的な働きかけ(ナッジ)により、人々の行動変容を促進するという。具体的には、人々の行動変容を促す行動変容促進技術を活用したスマートフォンへのメッセージ配信により、列車・駅の混雑時間を避ける行動や、徒歩・自転車(バイクシェア)等の代替移動手段を利用する行動を促す。
混雑時間帯を避ける行動、代替移動手段の利用を促すためのメッセージは、実験参加者のプロファイル情報を分析して複数パターンを作成。メッセージの配信には、ドコモが提供する「dポイントクラブ」アプリを使用する。実験参加者は、「dポイントクラブ」アプリ上でメッセージ内容を確認し、メッセージに応じた行動変容の有無を回答してもらう。
実験参加者の心理的な特性に合わせ、メッセージを変えることによる行動変容促進効果を分析し、さらに利用者への働きかけと実際の行動変容の関連性を分析することで、鉄道の混雑解消における行動変容促進技術の有効性を検証するとのこと。実証実験の実施期間は1月24日から3月31日までを予定し、実験参加者として日常的に山手線を利用する乗客1,000人程度がすでに募集されている。
JR東日本、NTTドコモ、日本電信電話(NTT)は、今回の共同実験で得られる成果を活用し、行動変容促進技術のさらなる高度化を図るとともに、多様な個々人のニーズと社会全体の課題(混雑解消、安心・安全、経済成長、脱炭素など)にバランスよく対応する移動環境の実現に資する技術開発を進め、より大規模な実証実験の実施や商用サービス化をめざすとしている。