キリンビバレッジは1月20日、「2022年 事業方針発表記者会見」を開催。2021年の振り返りと2022年の事業方針、マーケティング戦略について説明した。
コロナ禍により、健康カテゴリーが好調
2021年の清涼飲料市場は、コロナ禍2年目前年比101%で着地見込みと同社の代表取締役社長 吉村 透留氏は話す。要因として、健康カテゴリーや外出機会の減少により量販やECチャネルが好調だったこと、在宅時間充実のニーズや節約志向から手淹れ飲料の需要が高まったことをあげた。一方で、自動販売機やコンビニエンスストアはコロナ前まで客足は戻り切っていないという。
販売実績は、清涼飲料合計で2億589万箱。中でもプラズマ乳酸菌入り飲料は534万ケースで、前年比+66%と大幅増という結果に。
2022年も新型コロナウイルスの影響により、消費者の意識・行動変容は続き、「健康」や「サステナビリティ」が一層高まると吉村氏。そこで同社は、午後の紅茶や生茶といった基盤ブランドの再成長と同時にヘルスサイエンス領域をもうひとつの事業の柱として、健康に貢献していくという。
午後の紅茶は、「無糖」「微糖」商品に注力。第1弾として、昨年9月に発売した「おいしい無糖 香るレモン」を3月1日にリニューアル。また、生茶は今春2年ぶりに大型リニューアル、味覚・容器を刷新する。
ヘルスサイエンス領域では、『免疫ケアと言えば「KIRIN」』を認知してもらえるよう市場創出・拡大を目指すと吉村氏は力を込めた。"免疫ケア"を定着させるために朝の習慣領域を獲得するべく、100mlペットボトル飲料「キリン iMUSE 朝の免疫ケア」を3月29日より全国展開するという。
基盤ブランドの再成長とヘルスサイエンス領域の2本柱に
続いて、同社 執行役員 マーケティング部長 山田 雄一氏が登壇。「基盤ブランドの再成長とヘルスサイエンス領域の拡大の両輪を回す」と話し、マーケティング戦略のポイントについて説明した。
基盤ブランドとなる午後の紅茶は、微糖商品の刷新やプラズマ乳酸菌商品の育成に加えて、熊本復興応援活動の継続など地域コミュニティを中心とする、CSV活動を実践し、ブランドを広めていく。また、生茶はブランドのフルモデルチェンジを行い、生茶(緑茶)の再生とほうじ煎茶との2本柱化を実現していく。さらに、環境対応にも注力し、「プラスチック削減」の取組も引き続き行う考えだ。
「ヘルスサイエンス領域」では、消費者が日常的に接する飲料に"免疫"を標準装備すること、朝の習慣領域の獲得、キリングループ素材を活用したシニア層への課題解決を提案やFANCL ブランドとのシナジーによる新たな価値の創出など、習慣化につなげるための戦略をとるとしている。