5G対応の低価格スマートフォン「AQUOS wish」が1月14日に発売された。2021年12月には価格帯の近い「arrows We」が大手3キャリアからそろって発売されたように、近年、2万円台のエントリーモデルは各キャリアが欠かさずラインアップする重要な商品となっている。
値引き規制によって、高価な機種を値下げする売り方ではなくあらかじめ安価な機種を用意するようになったことが最大の理由だ。また、各社ともに3G停波に向けて4Gや5Gへの巻き取りを進めているため、3Gユーザーの買い替えを促す意味でも安価な機種が必要とされる。
2022年1月現在、大手キャリアやサブブランドの“2万円スマホ”にはどんな選択肢があるだろうか。新機種発売のタイミングで一度整理してみたい。
ドコモの2万円台で買える機種
ドコモの現行機種で2万円台のものは、「arrows We F-51B」(21,450円)、「Galaxy A22 5G SC-56B」(22,000円)。残価設定型の割引プログラム「スマホおかえしプログラム」の対象にはせず、元から価格を抑えている。
前モデルのarrows Be4 PlusやGalaxy A21と同等の価格を維持しており、基本性能は最低限だが、おサイフケータイや防水、そして5Gにも対応する。
機種 | 価格 |
---|---|
arrows We F-51B | 21,450円 |
Galaxy A22 5G SC-56B | 22,000円 |
他社のローエンド~ミドルレンジのラインアップと比べると、価格競争力の高い中国メーカーが不在のため、やや層が薄い印象。店頭割引で一括0円になることを狙った22,000円前後の機種からワンランク上を求めると、Galaxy A52 5G SC-53B(59,400円/スマホおかえしプログラムで39,600円)やAQUOS sense6 SH-54B(57,024円/スマホおかえしプログラムで39,864円)まで飛ぶことになる。
arrows We F-51B、Galaxy A22 5G SC-56Bの主な仕様は下表のとおり。
arrows We F-51B | Galaxy A22 5G SC-56B | |
---|---|---|
OS | Android 11 | Android 11 |
CPU | Snapdragon 480 | Dimensity 700 |
メモリ | 4GB/64GB | 4GB/64GB |
ディスプレイ | 約5.7インチ 1,520×720ドット | 約5.8インチ 1,560×720ドット |
バッテリー | 4,000mAh | 4,000mAh |
アウトカメラ | 約1,310万画素(広角)+約190万画素(マクロ) | 約1,300万画素 |
インカメラ | 約500万画素 | 約500万画素 |
防水/防塵 | IPX5/IPX8、IP6X | IPX5/IPX8、IP6X |
生体認証 | 指紋認証 | 顔認証 |
その他の機能 | FeliCa対応 | FeliCa対応 |
サイズ | 約147×71×9.4mm | 約150×71×8.9mm |
重量 | 約172g | 約168g |
価格 | 21,450円 | 22,000円 |
auの2万円台で買える機種
auの場合、5G対応で2万円台後半のものが「AQUOS wish SHG05」(26,180円)、「arrows We FCG01」(26,180円)、「Redmi Note 10 JE XIG02」(28,765円)、「OPPO A54 5G OPG02」(28,765円)の4機種。
いずれもSnapdragon 480を搭載する機種で、基本性能はほぼ横並び。コンパクトサイズを重視するならAQUOS wishやarrows We、大画面や大容量バッテリーを求めるならRedmi Note 10 JEやOPPO A54 5Gとなるだろう。
機種 | 価格 | 割引価格 |
---|---|---|
AQUOS wish SHG05 | 26,180円 | 22,001円 |
arrows We FCG01 | 26,180円 | 22,001円 |
Redmi Note 10 JE XIG02 | 28,765円 | 22,885円 |
OPPO A54 5G OPG02 | 28,765円 | 22,885円 |
表中の割引価格は、残価設定型の割引プログラム「スマホトクするプログラム」を利用し、2年後に端末を返却した場合の実質負担金。残価設定は2年後に予測される市場価値に左右されるため、ハイエンドモデルのように端末代金の半額近い残価が設定されることはなく、数千円の割引に留まる。
2020秋冬モデル以降は全機種5G対応とする方針が明らかにされているが、在庫限りの4G端末を探せば、Galaxy A21 シンプル SCV49やAQUOS sense3 basic SHV48(各22,000円)も安価な購入候補となる。
AQUOS wish SHG05、arrows We FCG01、Redmi Note 10 JE XIG02、OPPO A54 5G OPG02の主な仕様は下表のとおり。
AQUOS wish SHG05 | arrows We FCG01 | Redmi Note 10 JE XIG02 | OPPO A54 5G OPG02 | |
---|---|---|---|---|
OS | Android 11 | Android 11 | Android 11 | Android 11 |
CPU | Snapdragon 480 | Snapdragon 480 | Snapdragon 480 | Snapdragon 480 |
メモリ | 4GB/64GB | 4GB/64GB | 4GB/64GB | 4GB/64GB |
ディスプレイ | 約5.7インチ 1,520×720ドット | 約5.7インチ 1,520×720ドット | 約6.5インチ 2,400×1,080ドット | 約6.5インチ 2,400×1,080ドット |
バッテリー | 3,730mAh | 4,000mAh | 4,800mAh | 5,000mAh |
アウトカメラ | 約1,300万画素 | 約1,310万画素(広角)+約190万画素(マクロ) | 約4,800万画素(広角)+約200万画素(マクロ)+約200万画素(深度) | 約4,800万画素(広角)+約800万画素(超広角)+約200万画素(マクロ)+約200万画素(モノクロ) |
インカメラ | 約800万画素 | 約500万画素 | 約800万画素 | 約1,600万画素 |
防水/防塵 | IPX5/X7、IP6X | IPX5/IPX8、IP6X | IPX8、IP6X | 非対応 |
生体認証 | 指紋認証 | 指紋認証 | 指紋認証/顔認証 | 指紋認証/顔認証 |
その他の機能 | FeliCa、eSIM対応 | FeliCa対応 | FeliCa対応、90Hz表示 | 90Hz表示 |
サイズ | 約147×71×8.9mm | 約147×71×9.4mm | 約163×76×9.0mm | 約163×75×8.4mm |
重量 | 約162g | 約172g | 約200g | 約190g |
価格 | 26,180円 | 26,180円 | 28,765円 | 28,765円 |
UQ mobileの2万円台で買える機種
UQ mobileの端末ラインアップを見ると、auと共通の機種が増えてきている。2万円台で買える機種は「AQUOS wish」(26,180円)、「arrows We」(26,180円)、「Redmi Note 10 JE」(28,765円)、「OPPO A54 5G」(28,765円)。
4機種とも、価格はauとUQ mobileで変わらない。端末の選択肢に縛られず、料金プランや割引、オプションサービスなどで両ブランドを比較して選べる。
機種 | 価格 | 割引価格(新規) | 割引価格(MNP) |
---|---|---|---|
AQUOS wish | 26,180円 | 15,180円 | 4,180円 |
arrows We | 26,180円 | 15,180円 | 4,180円 |
Redmi Note 10 JE | 28,765円 | 12,265円 | 6,765円 |
OPPO A54 5G | 28,765円 | 12,265円 | 6,765円 |
表中の割引価格は、新規契約/MNPで「くりこしプランM +5G」以上を選んだ場合を想定した。「くりこしプランS +5G」の場合は割引額が下がり、機種変更やauからの番号移行の場合は割引対象外となる。
ソフトバンクの2万円台で買える機種
ソフトバンクで2万円台の現行機種は「arrows We」と「OPPO A55s 5G」。価格はいずれも27,360円。発売時期をさかのぼると、Redmi Note 9T(21,600円)もオンラインストアでは一部カラーがまだ購入できる。
残価設定型の割引プログラム「新トクするサポート」を利用する場合の実質負担額は各13,760円。ローエンドでもおよそ半額の残価が設定されているのは、他キャリアにはない特徴だ。
機種 | 価格 | 割引価格 |
---|---|---|
arrows We | 27,360円 | 13,760円 |
OPPO A55s 5G | 27,360円 | 13,760円 |
arrows Weは他社版とほぼ同等だが、ソフトバンク版のみeSIMに対応している。OPPO A55s 5Gはau/UQ mobileで扱われているOPPO A54 5Gより後発のモデルで、指紋認証の有無やカメラの仕様、バッテリー容量などが異なり、防水性能を備える。
arrows We、OPPO A55s 5Gの主な仕様は下表のとおり。
arrows We | OPPO A55s 5G | |
---|---|---|
OS | Android 11 | Android 11 |
CPU | Snapdragon 480 | Snapdragon 480 |
メモリ | 4GB/64GB | 4GB/64GB |
ディスプレイ | 約5.7インチ 1,520×720ドット | 約6.5インチ 2,400×1,080ドット |
バッテリー | 4,000mAh | 4,000mAh |
アウトカメラ | 約1,310万画素(広角)+約190万画素(マクロ) | 約1,300万画素(広角)+約200万画素(深度) |
インカメラ | 約500万画素 | 約800万画素 |
防水/防塵 | IPX5/IPX8、IP6X | IPX8、IP6X |
生体認証 | 指紋認証 | 顔認証 |
その他の機能 | FeliCa、eSIM対応 | eSIM対応 |
サイズ | 約147×71×9.4mm | 約162×75×8.2mm |
重量 | 約172g | 約178g |
価格 | 27,360円 | 27,360円 |
ワイモバイルの2万円以下で買える機種
ワイモバイルで通常価格2万円台の機種は意外にも少ないが、ソフトバンクからの番号移行を除くほとんどの契約種別で割引が効く機種が多い。2021年夏モデル以降の比較的新しい機種をピックアップして、オンラインストアでの通常価格/割引価格を下表にまとめた。
機種 | 価格 | 割引価格(MNP) | 割引価格(新規) | 割引価格(機種変更) |
---|---|---|---|---|
AQUOS wish | 31,680円 | 10,080円 | 10,080円 | 24,480円 |
Libero 5G II | 21,960円 | 1円 | 9,800円 | 14,760円 |
OPPO Reno5 A | 31,680円 | 10,080円 | 10,080円 | 18,000円 |
表中の割引価格は、契約種別に応じた機種代金割引を反映したもの。端末の下取りや2年後の返却などの条件はない。MNPや新規契約であれば特に大きな割引を受けられる。
Libero 5G IIは割引前で21,960円、MNP割引なら1円の安価な機種だが、防水、FeliCa、指紋認証、eSIMに対応し、フルHD液晶を搭載するなどコストパフォーマンスの高い内容となっている。また、OPPO Reno5 Aも新規・機種変更ともに割引によって2万円を切るが、Snapdragon 765Gや6GBメモリを搭載し、本記事で取り上げた中ではもっとも高性能な機種となる。
一方、発売からある程度経っている機種なら、契約種別に応じた割引ではなく機種代金自体が値下げされているものもある。割引が付きにくい機種変更やソフトバンクからの番号移行なら、そのような機種を選ぶのが得策だろう。
AQUOS wish、Libero 5G II、OPPO Reno5 Aの主な仕様は下表のとおり。
AQUOS wish | Libero 5G II | OPPO Reno5 A | |
---|---|---|---|
OS | Android 11 | Android 11 | Android 11 |
CPU | Snapdragon 480 | Dimensity 700 | Snapdragon 765G |
メモリ | 4GB/64GB | 4GB/64GB | 6GB/128GB |
ディスプレイ | 約5.7インチ 1,520×720ドット | 約6.67インチ 2,400×1,080ドット | 約6.5インチ 2,400×1,080ドット |
バッテリー | 3,730mAh | 3,900mAh | 4,000mAh |
アウトカメラ | 約1,300万画素 | 約1,600万画素(広角)+約800万画素(超広角)+約200万画素(深度) | 約6,400万画素(広角)+約800万画素(超広角)+約200万画素(マクロ)+約200万画素(モノクロ) |
インカメラ | 約800万画素 | 約800万画素 | 約1,600万画素 |
防水/防塵 | IPX5/IPX7、IP6X | IPX5/IPX7、IP5X | IPX8、IP6X |
生体認証 | 指紋認証 | 指紋認証 | 指紋認証/顔認証 |
その他の機能 | FeliCa、eSIM対応 | FeliCa、eSIM対応 | FeliCa対応 |
サイズ | 約147×71×8.9mm | 約169×78×8.8mm | 約162×75×8.2mm |
重量 | 約162g | 約200g | 約182g |
価格 | 31,680円 | 21,960円 | 31,680円 |
楽天モバイルの2万円以下で買える機種
楽天モバイルの場合、通常価格で2万円台あるいは2万円以下の機種は「Rakuten Hand」(12,980円)、「OPPO Reno3 A」(26,980円)、「AQUOS wish」(29,800円)、「AQUOS sense4 lite」(25,001円)がある。
後発事業者として新規獲得に力を入れている楽天モバイルは、ほとんどの機種で楽天ポイントによるポイント還元を行っている。実質2万円以下となる機種を下表にまとめた。
機種 | 価格 | 実質価格(新規) | 実質価格(MNP) |
---|---|---|---|
Rakuten Hand | 12,980円 | 0円 | 0円 |
Rakuten BIG s | 39,980円 | 14,980円 | 14,980円 |
AQUOS sense4 lite | 25,001円 | 1円 | 1円 |
AQUOS wish | 29,800円 | 24,800円 | 9,800円 |
AQUOS sense6 | 39,800円 | 34,800円 | 19,800円 |
OPPO A73 | 15,001円 | 1円 | 1円 |
OPPO Reno3 A | 26,980円 | 1,980円 | 1,980円 |
OPPO A55s 5G | 32,800円 | 27,800円 | 12,800円 |
OPPO Reno5 A | 42,980円 | 17,980円 | 17,980円 |
端末のラインアップもミドルレンジモデルを中心としているため、ポイント込みで考えると実質2万円を切る機種が多い。
現行の規制における22,000円の割引上限はあくまで回線と端末のセット販売に対する制限だ。楽天モバイルは回線契約の特典とセット購入の特典を別途設けているため、合計で25,000ポイント還元や30,000ポイント還元(iPhoneのみ)の機種もある。
機種によって適用されるキャンペーンが異なり、MNP限定の特典もあれば、新規契約でも同額のポイントバックを受けられるものもある。楽天モバイルオリジナルの「Rakuten Hand」や旧機種の「AQUOS sense4 lite」「OPPO A73」など、ほぼ全額がポイントで返ってくる機種に注目だ。
なお、初回申込限定のキャンペーンが多いため、家族分の携帯回線をすべて一人の名義で契約している場合などは同じ条件で2台目を買えない点に注意しておきたい。
0円・1円機種となるRakuten Hand、AQUOS sense4 lite、OPPO A73の主な仕様は下表のとおり。
Rakuten Hand | AQUOS sense4 lite | OPPO A73 | |
---|---|---|---|
OS | Android 10 | Android 10 | Android 10 |
CPU | Snapdragon 720G | Snapdragon 720G | Snapdragon 662 |
メモリ | 4GB/64GB | 4GB/64GB | 4GB/64GB |
ディスプレイ | 5.1インチ 1,520×720ドット | 5.8インチ 2,280×1,080ドット | 6.4インチ 2,400×1,080ドット |
バッテリー | 2,630mAh | 4,570mAh | 4,000mAh |
アウトカメラ | 約4,800万画素(広角)+約200万画素(深度) | 約1,200万画素(広角)+約800万画素(望遠) | 約1,600万画素(広角)+約800万画素(超広角)+約200万画素(モノクロ)+約200万画素(深度) |
インカメラ | 約1,600万画素 | 約800万画素 | 約1,600万画素 |
防水/防塵 | IPX2、IP5X | IPX5/IPX8、IP6X | 非対応 |
生体認証 | 指紋認証/顔認証 | 指紋認証/顔認証 | 指紋認証/顔認証 |
その他の機能 | FeliCa、eSIM対応 | FeliCa、eSIM対応 | eSIM対応 |
サイズ | 約138×63×9.5mm | 約148×71×8.9mm | 約159.8×72.9×7.45mm |
重量 | 約129g | 約176g | 約162g |
価格 | 12,980円 | 25,001円 | 15,001円 |