日本経済団体連合会は1月18日、従業員の定期給与(月例賃金)の実態を調べた「2021年6月度 定期賃金調査」の結果を発表した。調査期間は2021年9月6日~10月30日、調査対象は経団連企業会員および東京経営者協会会員企業、有効回答は329社。

高卒と大卒の賃金、55歳時点で11万円弱の差

  • 学歴別の標準者賃金 -全産業・規模計-(出典:日本経済団体連合会Webサイト)

賃金額は、全学歴において年齢・勤続年数が上がるにつれて上昇し、55歳でピークを迎えた後、役職定年などの影響で下落または横ばいとなる傾向が続いているという。

学歴別の標準者賃金を主な年齢ポイントでみると、総合職(管理・事務・技術労働者)の場合、大卒では、22歳22万2,821円、40歳45万8,305円、55歳61万668円、60歳59万5,036円。高卒では、18歳17万7,187円、40歳38万1,009円、55歳50万3,686円、60歳48万3,273円。高卒と大卒では、55歳時点で11万円弱の差があった。

産業別の平均賃金をみると、所定労働時間内賃金は、全産業39万1,408円、製造業37万7,922円、非製造業41万8,086円。所定労働時間外賃金は、全産業5万4,557円、製造業5万4,610円(前年比1万6,089円増)、非製造業5万4,452円(同8,388円増)と、製造業が大きく増加。同調査では「コロナ禍による需要減少から回復傾向にある」と分析している。

役職者賃金(平均所定労働時間内賃金)は、部長(兼取締役)100万816円(同3万9,969円減)、部長72万55円(同1万3,008円増)、部次長60万107円(同1万356円減)、課長54万4,015円(同2,645円増)、係長41万1,183円(同2,614円減)。「部長の所定労働時間内賃金を100として役職間の賃金比率をみると、すべての役職において前年に比べて減少した」(同調査)。