3月16日から東京・新橋演舞場ほかで公演される舞台『毒薬と老嬢』の制作発表記者会見が行われ、久本雅美、藤原紀香、演出の錦織一清が出席した。

舞台『毒薬と老嬢』の制作発表記者会見に登場した錦織一清、久本雅美、藤原紀香(左から)

1941年にブロードウェイで初演されるや大ヒットを記録し、ウエストエンドでもロングランを記録したブラックコメディの傑作である同舞台。安楽死や高齢化社会への風刺も含んだ本作のテーマは時代が変わっても色褪せず、これまで日本をはじめ多くの国で再演された。そんな同舞台のセリフを関西弁に配色した同舞台に、久本雅美と藤原紀香が初共演する。近所でも評判の慈善家老姉妹のアビーとマーサを演じ、2人が繰り広げる衝撃のストーリーと2人に振り回される登場人物たちをコミカルに描かれる。演出には錦織一清が担当する。

アビー役の久本は「本当なら2年ほど前にやるはずだったお芝居ですが、残念ながらコロナで押し押しでやっと皆さんの前に立てるので感謝の思いでいっぱいです。お客さんに何よりも喜んでいただけるように頑張ります」とやっとの思いで上演に辿り着けたことに感謝し、「藤原さんとは初めてのタッグで、心配なのはどちらが藤原紀香なのか分からないこと」と笑いを誘う場面も。

一方の藤原も「久本姉さんと(姉妹を)務めさせていただけることが楽しみで仕方がありません。加えて錦織さんの演出ということ、皆さんのお話を聞いていると稽古場に笑いが絶えなく面白い演出だと聞いております」と好印象。演出を担当する錦織は「本来でしたら2年前の10月に上演していた作品ですが、春に大きな所で出来ることは夢のようです。久本さんとは組ませていただいた時は色んなアイデアをいただきながら楽しくやらせてもらいました。藤原さんとは初めてですが、隣にいると僕もまだ恥ずかしいなと思い、僕もまたまだ男なんだなということを自覚しました」と藤原の魅力に参ったようで、「この作品の中にあるちょっとハミ出したり倫理観の面白さをどうやって面白くするのかを目標に頑張りたいと思います」と意欲を見せた。

同舞台の出演が正式に決まる3年前に、京都の祇園で偶然にも出会ったという藤原と久本。藤原が「その時はちょっと結構離れたところにいたんですが、『のりおー!』という声が聞こえてきて振り向いたら姉さんがいたんです。『めちゃめちゃ楽しみにしてるからな~!』と仰っていたんですが、隣にいたマネージャーさんが姉さんを羽交い締めにして『まだ言うたらあきまへんで』と言うなど祇園の街が騒然となりました」と明かしつつ、「そこから考えると3年後しに実現するということで、めちゃくちゃ楽しみにしていました。どんと久本さんの胸をお借りするつもりで飛び込んで稽古に邁進したいと思います」と久本との共演が待ち遠しい様子。対する久本は「あの時は失礼しました。こっちはベロベロでしたから(笑)」と謝罪しながらも、「非常に華があるチャーミングな役者さん。私もそれに乗っかって自分も輝きたいと思っております。すごく楽しみです」と藤原との再会を喜んでいた。

舞台『毒薬と老嬢』は、3月16~20日に東京・新橋演舞場、3月26・27日に愛知・祇園座、4月2日に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、4月9・10日に北海道・道新ホール、4月16~24日(20日は休演)に大阪・松竹座でそれぞれ公演される。