仕事をしていれば誰でも一つや二つ、納得のいかない思いをしたり、腑に落ちない気持ちで業務を行うことはあるだろう。特に、顧客から無理な要求や理不尽なクレームがあった場合に、その対応に苦慮したという経験のある人も多いかもしれない。

そこで今回は、マイナビニュース男女会員312人を対象にアンケート調査を実施。「仕事をしているときにクレームを受けたり、理不尽な要求をされたこと」などを聞いた。

  • クレームを受けたり、理不尽な要求をされたことはある?

Q.仕事をしているときにクレームを受けたり、お客様から理不尽な要求をされたことはありますか?

「はい」(63.0%)
「いいえ」(37.0%)

Q.実際にどのようなクレームや要望を受けたのか具体的にお答えください

■「店舗での接客」

・「商品に30%OFFのシールが貼られていたが、50%にしてほしいと言ったきた」(レジ打ち/男性/34歳/石川県)
・「桃を買ったお客様が、『食べたら美味しくなかったからお金返して』と言ってきた」(百貨店の店員/男性/54歳/千葉県)
・「明らかに使い古した財布なのに、購入したところなのに破れている、と言われた」(百貨店/女性/45歳/大阪府)
・「明らかに長期使用による商品劣化なのに不良品と言われ、サイズ交換か返品を要求された」(子ども服会社の事務/女性/38歳/兵庫県)
・「どう見ても何度も洗ったぽい下着を、糸がほつれているから交換してほしいと居座る。最初から不良品だったと言い張る」(インナーウエアの小売店/女性/53歳/三重県)
・「初期不良で壊れていて、同じ商品の交換ではなく『グレードアップした商品と、誠意という名の詫び料』を求められた」(家電の販売/男性/48歳/兵庫県)
・「サービスで、ぼろきれで窓を拭いてたら、有料洗車用の綺麗なタオルで、と強要された。勿論金は払わない」(ガソリンスタンド店員/男性/48歳/山形県)
・「『他の店に電子レンジを修理に出したが、1週間かかると言われた』と突然やってきて、修理品は他の店に出しているのに、当店にどうにかならないかと言ってきた」(家電販売の店頭対応/男性/51歳/熊本県)
・「ツケで払いたいお客様から、制度が変わりツケで払えなくなったことを説明しても、なぜ、できなくなったのかと何度もクレームを受けた」(灯油販売/男性/72歳/千葉県)
・「商品棚にない欠品している商品を、今すぐ必要だから早く並べろと急かされて、お客様に『今は在庫がないので出せません』と言ったところ、突然怒鳴り出して 収拾がつかなくなりました」(スーパーの品出し/男性/54歳/富山県)
・「薬指にサイズを合わせて納品したら、『中指にしろと言った』と取りあわない客。伝票にも薬指のサイズ記入ありなのにね」(宝石販売/男性/54歳/神奈川県)

■「コンビニ」

・「箸やストローをたくさん要求された」(コンビニでバイト/男性/48歳/富山県)
・「賞味期限の近い商品の値引きを要求された」(コンビニのバイト/男性/30歳/兵庫県)
・「おつりのお札がシワで汚いから変えてくれ」(コンビニ/男性/50歳/愛知県)
・「おでんの汁だけ無料で欲しいと要求された」(コンビニのレジ打ち/男性/31歳/埼玉県)
・「賞味期限がまだ残っている商品なのに、『ギリギリまで売るな』と怒られた」(コンビニのレジ打ち/男性/37歳/東京都)
・「弁当の袋詰めが悪いと言われ、商品を投げつけられた」(コンビニのレジ打ち/男性/50歳/東京都)
・「おでんのシラタキをイソギンチャクと注文する客がいて、冗談だと思ったので少し微笑みながら『シラタキですよね?』と言ったら怒って帰ってしまい、後に店側にもクレームが入っていた」(学生時代のコンビニでアルバイトの時/男性/46歳/茨城県)

■「飲食店」

・「中華が辛すぎたので、作り直せと言われた」(飲食店のホール/男性/41歳/東京都)
・「焼おにぎりに銀歯が入っていた、と激怒してきた」(カラオケの受付/男性/47歳/福岡県)
・「商品が冷めていたので代金を無料にしろ、と言われた」(ファストフード店のレジ打ち/男性/36歳/神奈川県)
・「店長不在の状態で電話がきた。料理に虫が入っていたとのことで、もうお店を出た後だったが電話をしてきたため、現物を確認できなかった」(飲食店の店員/男性/45歳/東京都)
・「タッチパネルの使い方がわからない客から、『タッチパネルの操作性が悪い、表示の造りが悪い』などタッチパネルのせいにして、延々と文句を言われた」(飲食店の店員/男性/52歳/大阪府)

■「営業」

・「ありえない納期で届けるように要求された」(商社の営業/男性/47歳/栃木県)
・「『通信が不安定で株で損をしたので、損失補填しろ』と言われた」(通信の営業/男性/42歳/埼玉県)
・「お渡ししたパンフレットに給付金支払対象外の例がきちんと載っているのに、事例が発生したときに『説明を受けていない』と言われた」(保険の営業/女性/37歳/兵庫県)
・「ご契約者様死亡に伴う契約者の名義変更の手続き書類をお送りしていたにもかかわらず、再三の督促に書類のご返送もなく、契約者が変わっていないというクレーム」(保険の営業/女性/40歳/東京都)
・「営業上の成約に際して先方の担当者から、契約額支払い分からのキックバックを要求された」(民間対応の営業/男性/63歳/愛知県)

■「窓口対応」

・「お得な商品だと言われて買ったが、全然儲からない。どうしてくれる!」(お客様相談室/男性/66歳/北海道)
・「営業終了時間を過ぎていたのに、荷物を受け取ってくれと迫ってきた」(社内で事務/男性/36歳/神奈川県)
・「理不尽な要求。購入してからかなり時間が経っているにもかかわらず、交換しろと要求してくる客」(カスタマセンター/男性/53歳/東京都)
・「支払いしていないにも関わらず、『支払いした、調べろ』と一向に折れない単純な逃げ口上。そのうち高圧的になり、電話を一方的に切る」(リース会社で支払い未払い督促業務/男性/60歳/埼玉県)
・「来庁時に、玄関の銅像が猥褻であるとのクレームを受けた」(窓口対応/男性/52歳/愛媛県)

■「その他」

・「屋外での音楽イベントの開催を担当したとき、近隣の住民の方から音がうるさいとのクレームを受けたことがある」(イベントの開催の仕事/男性/61歳/東京都)
・「モンスターペアレントから理不尽な要求(自分の子どもが学校に行かないのは、担任のアンタが悪いからだ)に悩まされた」(教師/女性/39歳/青森県)
・「娘が描いた絵を『下手だね』と言われ、娘がとても傷ついた。言った相手の名前を学校のホームページに記載しろ、という要求があった」(公立小学校長/男性/60歳/千葉県)
・「東北夏祭り期間中に個人予約は受けつけていなかったが、予約が入っていると言い張られた。金額も繁忙期料金を設定していたが、閑散期の一番安い料金で予約済みと言い張られた」(ホテルフロント/男性/49歳/神奈川県)
・「隣の住人がうるさいので、電気を停止して頂きたい旨の申し入れがあった」(電気の運用管理/男性/66歳/岩手県)

■総評

調査の結果、仕事をしているときにクレームを受けたり、理不尽な要求をされたことがある、と回答した人は63.0%。3分の2近くの人がそのような体験をしていることが判明した。

実際にどのようなクレームや要望を受けたのか聞いた。まず職種別では、「店舗での接客」「コンビニ」「飲食店」「窓口対応」など不特定多数の相手と直接対応する機会の多い職種が目立った。特に「コンビニ」はバイト先として選ぶ人も多いだけに、理不尽なクレームを受けた体験を持つ人も多くなるようだ。

具体的な内容としては様々なケースが寄せられた。「法外な値引き」や「無理な返品」「ありえない納期」「言った言わないに起因する揉めごと」など、多くの人が共感するであろうエピソードが綴られている。

ここでも「コンビニ」ネタは、「レジ袋をただでくれ」「髪の毛混入の言いがかり」「割り込んで来て、早くしろと怒鳴られた」「袋に商品を入れすぎて形が崩れていると言われた」などバリエーションが豊かだ。お弁当やホットデリカの販売、公共料金の支払い、宅配の受付やチケット販売などコンビニ業務は多岐にわたるだけに、いきおいクレームの内容も多彩なものになるのかもしれない。

今回のアンケートでは、全体の6割以上の人が何らかのかたちでクレームや理不尽な要求をされた経験があることがわかった。そこにはもしかしたら、長引くコロナ禍で人と人との距離感が掴みにくくなり、また不自由な思いを強いられていることへの反動も影響しているのかもしれない。私たちも暴走するクレーマーにならぬよう、自身の行動を戒めていきたい。今回は、そんな思いを新たにする調査結果となった。

調査時期: 2021年12月28日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 312人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません