日産自動車は「キャラバン」をベースに作成したコンセプトカー「CARAVAN MOUNTAIN BASE CONCEPT」を公開した。ルーフには太陽光パネルを装着し、内外装を木目調のデザインで統一した“走る山小屋”には、意外にも(?)日産の最新技術が詰まっていた。
自動追尾式の太陽光パネルを搭載!
CARAVAN MOUNTAIN BASE CONCEPTは「山に遊びに行ったときの拠点、ベースとなるクルマ」(日産の説明員)をイメージして作ったコンセプトカー。なんといっても目を引くのが、ルーフに付いている大きな太陽光パネルだ。このパネル、横方向にくるくる回るし、角度も変えられる。展示車両のパネルは手動だったが、想定としては太陽を自動で追尾するパネルにするつもりだそうで、それは「技術的にも可能」であるという。走行中、パネルはたたんでおくことができる。
パネルで発電した電気はサブバッテリーに蓄電し、暖房や車内のディスプレイなどの電力として使用する。キャラバンは電気自動車(EV)ではないので、作った電気でクルマを走らせることはできない。
荷室には木目調のベンチとテーブルが据え付けてある。1枚の木材を加工して作ったような雰囲気で、とてもおしゃれだ。注目したいのが、壁に映っている画面。プロジェクターかと思いきや、木目調フィルムを透過させて、奥にあるディスプレイを壁に映し出しているそうだ。実はこれ、日産が開発中の最新技術であるとのこと。
このクルマにはほかにも最新技術が詰め込まれている。リアウィンドウに採用している「電子フェード」もそのひとつだ。簡単な操作でリアウィンドウが瞬時に曇りガラスになるという技術で、例えば車内で着替えたいときや、ビデオ会議をするときなどに役立つという。電子シェードは2021年末、同社のミニバン「セレナ」で市場投入している。
このコンセプトカーは一点物だが、将来的にキャラバンの「マウンテンベース・エディション」といったような形で商品化する可能性はあるのだろうか? 日産の説明員は「企画・開発の検討段階にあるクルマなんですが、一般のお客さまの声も聞きつつ……」と話していた。