アニメーション映画『鹿の王 ユナと約束の旅』(2月4日公開)の完成披露試写会が17日、都内で行われ、堤真一、竹内涼真、杏、安藤雅司監督が登壇した。
2015年度本屋大賞、日本医療小説大賞をW受賞した上橋菜穂子氏のベストセラー巨編『鹿の王』を映画化した本作は、謎の病を巡る緻密な医療サスペンスと感動の物語が組み込まれた冒険大作。『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『君の名は。』という、邦画の歴代ランキング上位5作品のうち3作品の作画監督を全て担ったトップアニメーター・安藤雅司氏が、本作で初監督・キャラクターデザイン・作画監督を務めた。
新型コロナウイルスの影響で二度の公開延期をやむを得ず決断した本作が、ついに公開を迎える。主人公の孤独な戦士・ヴァン役を演じた堤は、「二度公開が延期になってようやく公開できることになりました」と述べ、「疫病というものを中心に描かれているんですけど、今のこの時期に見るべき作品だと思います。この状況だからこそ明るいものをもらえるし、力ももらえる作品になっている。それぞれの立場でそれぞれ共感できる役が必ずあるし、より多くの方に見ていただきたいと思います」と作品の魅力を伝えた。
もう一人の主人公で謎の病の治療法を探す天才医師・ホッサル役を演じた竹内は「二度の延期を経て、運命に抗いようやく2022年に公開できるのが運命なのかな」とコメント。抗体を持つ者を追う暗殺者・サエを演じた杏は「重たいテーマをファンタジーの中で描くことによって、私たちの生きている世界が浮き彫りになるような気がしていて、決して作られた世界ではない真実が詰まっている。いろんな病が蔓延するというところも、すごくメッセージ性を持って、先ほど竹内さんが運命とおっしゃっていましたが、まさにそのような作品になったんだろうなと思います」と語った。
安藤監督も「延期延期でやっとこの日を迎えることができました。ぜひご覧になっていただきたいと思います」とメッセージ。本日1月17日に53歳の誕生日を迎えた安藤監督は、「おめでとうございます」と祝福されると笑顔を見せ、「いい1年にしたい。この映画の公開も決まって、めでたい日を同じ日に迎えられてうれしい限りです」と話した。