映画『MIRRORLIAR FILMS Season2』(2月18日公開)の完成披露試写会が12日に都内で行われ、山田孝之、松本まりかが登場した。
同作は伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクトの第2弾。俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開する。Season2では阿部進之介、紀里谷和明、志尊淳、柴咲コウ、三島有紀子、山田佳奈、そして419作品の応募の中から選ばれたクリエイター、Azumi Hasegawa、柴田有麿、駒谷揚の3名が参加する。
紀里谷和明監督作品『The Little Star』の主演を務めながらもプロデューサーとして紹介された山田は「そっちの方なんですね」と苦笑。この日は妻役を務めた松本もサプライズ登場する予定だったが、裏側から走る足音が近づいて来たために、山田も驚く。慌てて登場した松本は「ずっとそこにいたんですけど、まだかなと思って、後ろに戻った瞬間に呼ばれて、走ってきちゃったんです」と笑顔を見せた。
2人は2000年に放送されたドラマ『六番目の小夜子』以来、21年ぶりの共演となり、山田は「お互いなんとかしがみついてきた」としみじみ。松本が「すごく嬉しかったですけど、やっぱりちょっと怖かったかな。芝居を見られるじゃないですか。『どんなもんじゃい』っていう……」と心境を吐露すると、山田は「思わないよ」とつっこむ。松本は「メールとか、何年かに1回の時もあったし、最近は『た』とか『ま』とかそれだけのLINEだったり」と仲の良い様子で、山田は「あなた(松本)も忙しくなったから、人生相談を受けたりもあったんですよ」と説明する。松本は「お芝居をするのはなかなかないので緊張したんですけど、ミラクルな瞬間がたくさんあった」と共演を振り返った。
アクションシーンも豊富で、役として山田に殺意を抱いていたという松本は「孝之はきっと何でをしても大丈夫と思えた」と信頼を寄せ、「こんなに自分の手が力強かったことのないというくらいの状態で飛びかかったりとか、そのくらいの爆発する感情をすべてぶつけられた。私の殺意を見て孝之が本当に怯えた目をするんですよ。芝居じゃないことにぞくぞくっとして」と明かす。山田は「怖かったですよ、なにされるかわからないですから。飛んできたり殴られたりしました」と印象を表し、松本について「ずっと共演はなくて、ここ数年バッとどんどん活躍して、色々出るようになってきて、お芝居というよりも注目の人みたいになっている中で、これを俺とまりかでできるんだろうかとは思ったけど、すごかったです」と絶賛した。
この20年の変化について、松本は「20年間いち視聴者としても見てきましたけど、いろんな孝之の時代があるじゃないですか。まったくしゃべらないとか、番宣番組でとても無愛想だとか」と語り、山田は「無愛想じゃないよ。そういうテンションだから、そういう顔になってただけ。『俺はここで何をやってるんだ。何を求めてるんだこの人たち。なんで俺はそんなことやんなきゃいけないんだ。本当にやるべきことがあるんじゃないか』と」と当時の心境について弁解する。
松本はさらに「でも、そこから抜けた瞬間があったんです。開いた瞬間というか、コミュニケーションをしていこうと。そこから孝之が変わり始めて、今や俳優という枠を飛び出していろんなことをしてるじゃないですか。孝之のその行動にはすごく意味がある」とコメント。「今回、側から見ててなんで短編映画をこんなに作るんだろうと思ったんです。でもやってみて、短編映画を作る意味ってこういうことだったんだというのがすごく腑に落ちた。だからこれからもいろんなことをされると思うんですけど、注目して見ていきたいと思ってます」という松本に、山田は「まだ視聴者なんですね」と苦笑しつつ、「まじで本当に意味ないことやろうかなと思ってます。ここから先」と新たな野望も生まれていた。