エミライは、“小型据え置きヘッドホンアンプの決定版”をうたう、FiiO Electronicsの「K5 Pro ESS」を1月14日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は26,400円前後を見込む。

  • K5 Pro ESS

USB DAC内蔵の据え置き型ヘッドホンアンプ「K5 PRO」(2020年発売)の後継機種で、DACチップをESS製のポータブル向け最上位モデル「ES9038Q2M」に変更。K5 PROで採用していた「AK4493EQ」と比べてTHD+N(全高調波歪み率+雑音)を約50%向上させ、チャンネルセパレーションは最大8dB向上したとする。

USBコントローラーには、XMOS製「XUF208」を採用。最高768kHz/32bitまでのPCMと、DSD512(22MHz)までのネイティブ再生に対応し、「優れたクロックマネジメントシステムにより高品質なD/A変換回路を構築した」としている。

アナログ増幅回路については、「クラス最高レベルの忠実再生」を追求した4ブロック構成のオーディオ回路(二次のローパスフィルター+アナログボリューム+電圧増幅+電流駆動部)を搭載。増幅回路の各部分が連携し、「優れたダイナミックレンジと高解像度のサウンド」を実現するという。チューニングされたフィードフォワードアンプ回路設計を採用し、TI(テキサス・インスツルメンツ)のフラグシップオペアンプ「TPA6120」の出力は60%以上増加。32Ω負荷時に最大1.5W、300Ω負荷時に最大20Vp-pと強力な出力を実現した。ヘッドホン出力のインピーダンスは1.2Ω以下。

  • K5 Pro ESSの利用イメージ(ヘッドホンやプレーヤーなどは付属しない)

金属製の大型ボリュームノブを前面に備え、1ステップ0.5dBという細かな音量調整が可能なADCボリュームコントロールを採用。ボリュームノブの周囲にはリング状のインジケーターを備え、再生中の音楽のサンプリングレートに応じて色が変化する(48kHz未満は青、48kHz以上は黄、DSDは緑)。ボリュームノブは電源スイッチとしても機能する。

従来のK5 Pro同様に、ボリュームノブの回転変化をAD変換した値に基づいてアナログボリュームICを制御。可変抵抗(ボリュームノブ)に直接音楽信号を流して調節を行うタイプではなく、左右のチャンネル間の音量不均等(ギャングエラー)を排除しながら、直感的に音量を調整できるようにした。なお、音量調整には新日本無線製「NW1195A」アナログボリュームコントロールチップを使っており、内蔵オペアンプとの組み合わせでスムーズで高解像度な音量調整を実現するという。

  • 前面

入力端子はUSB-Bと、光/同軸デジタル、アナログRCAを各1系統装備。出力は6.35mmのヘッドホン端子に加えてライン出力用のアナログRCAも備えており、最大2Vrmsまで調整可能で、アクティブスピーカーや外付けアンプと組み合わせても使える。なお、ライン出力を使用する場合は、ヘッドホンを外す必要がある。入力の選択とゲイン調整は本体前面のレバースイッチで行え、ゲイン調整は低(0dB)、中(+6dB)、高(+10dB)の3段階で切り替えられる。

  • 側面と背面

本体はオールアルミニウム製で、アルマイト処理とサンドブラスト加工で仕上げた。縦置きと横置きのどちらでも利用可能だ。電源はDCフィルターを採用し、安定した低ノイズの電力供給が可能なDC 15V外部電源方式。本体サイズは120×146.5×55mm、重さは約480g。

  • 縦置きと横置きのどちらでも使える