東急電鉄は7日、2023年3月の実施に向けて、国土交通大臣宛に鉄軌道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表した。今回の運賃改定は2005年の運賃改定以来、17年ぶり(消費税率変更によるものを除く)の申請になるとのこと。

  • 東急電鉄が鉄軌道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表

同社は安全性・安定性の確保を目的に、「3つの100%」として、ホームドア・センサー付固定式ホーム柵、車内防犯カメラ、踏切障害物検知装置を完備するなど、業界水準を大きく上回る規模の設備投資を継続的に実施してきた。

一方、設備維持に要する費用は年々増加し、加えて新型コロナウイルス感染症の拡大によるテレワークなど新しい生活様式の定着により、とくに定期利用者が同業他社と比較しても大きく減少していることから、今後もコロナ禍前の需要水準には戻らないと想定され、厳しい経営状況にあるという。

輸送人員は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に減少。2020年度は約8億人で、2018年度と比べて約3割の減少。緊急事態宣言が解除された2021年10月以降も、定期券の利用者は約3割減で推移しているとのこと。

今回の運賃改定は、このような経営環境下においても、安全性・安定性を支える高水準な鉄道インフラを適切に維持・更新し、将来世代に負担を先送りすることなく鉄道事業を継続するとともに、社会に必要とされる価値を今後も提供していくためとしている。

  • おもな申請内容

おもな申請内容は、改定率12.9%、増収率11.7%。普通旅客運賃の値上げ幅は、東横線、目黒線、田園都市線、大井町線、池上線、東急多摩川線の初乗り運賃と世田谷線の値上げ額は10円程度、その他の区間はおおむね改定率と同程度、こどもの国線の運賃は据置きとする。定期運賃では、通勤定期は改定率と同程度の値上げ、通学定期は家計負担に配慮して運賃据置きとした。