「お金に強くなるマネーカウンセリング」をモットーに年間100人以上のクライアントのお金に関する悩みを解決しているマネープランナーズの裏門が、今回解決するのは40歳男性のお悩み。「40歳が65歳までに5000万円貯めるには、毎月いくら積立をすればいいでしょうか?」という内容です。では、そのカウンセリング内容を見ていきましょう。

ご相談者の状況

相談者:朝倉さん(仮名)
    男性・40歳・会社員管理職・年収470万円

お悩み: 65歳までに5000万円貯めるために必要な積立額は?

内藤さんの相談内容は以下です。

子供が中学生になり、これからさらにお金がかかってくるのですが、自分たちの老後の準備を何も出来ておらず不安です。そのため、65歳の退職までに5,000万円貯めたいのですが、今からいくらぐらい積み立てていけば良いでしょうか?

ファイナンシャルプランナーからの回答

それではファイナンシャルプランナーからの回答を見てみましょう!

まずは単純に、銀行預金で貯めた場合の積立額から見ていきましょう

今回は金利0.001%の普通預金で貯めた場合で考えてみます。40歳の朝倉さんが65歳までの25年間で5,000万円を貯めようとすると、“毎月166,666円”の積み立てが必要になります。

年間にすると200万円の積み立てなので、現在の年収を半分ほど貯蓄が必要となりますね。

また、定期預金ではどうでしょうか? 2021年12月現在定期預金で最も高い金利を探してみると、0.27%でした。この金利で計算してみると、5,000万円には毎月161,124円が必要となります。 高い金利とは言えないため、長期的に増やす手段として向いていないといえるでしょう。

では銀行預金以外ではどのような貯蓄手段があるでしょうか?
貯蓄手段として①安全性資産 ②収益性資産 の2つの方法があります。

それぞれ解説していきましょう。

安全性資産で貯蓄する

安全性資産とは、国債や貯蓄型保険のように元本割れリスクの小さい資産です。
リスクの少ない安全資産は「ローリスク・ローリターン」のため、リスクが少ないと同時に収益も多くはありません。

安定的に少しずつ増やしていきたい時や、元本割れリスクをカバーしたい時にぴったりの方法といえます。

収益性資産で貯蓄する

一方で収益性資産とは、株や投資信託のように収益を多く見込める資産のことをいいます。
「ハイリスク・ハイリターン」なので、大きな利益が期待できる一方、損失も大きくなる可能性があります。

安全性は低くても、より多くのリターンを狙いたい時に向いている方法といえます。

このように、金融商品を選ぶ際には「安全性資産」「収益性資産」のどちらに入るかを考えてみると良いでしょう。

安全性資産で貯めていった場合

それでは40歳から65歳までの25年間を安全性資産で貯蓄した場合には、毎月どのぐらい積立が必要なのでしょうか?

今回は利回り0.7%の安全性資産でシミュレーションしてみましょう。

利回り0.7%の安全性資産に25年間積み立てた場合、“毎月152,557円”で5,000万円を貯めることができます。
年間にするとおよそ183万円です。
朝倉さんのお子様が中学生で、これからさらに学費などがかかると想定するとかなり家計を圧迫することになりそうです。

それでも銀行の定期預金での積立と比べると、毎月14,109円の軽減となりました。


収益性資産では、利回り4%、利回り7%の2パターンでシミュレーションしてみましょう。

利回り4%の収益性資産で積み立てた場合は、“毎月97,252円”の積み立てで5,000万円達成となります。

さらに高い利回り7%の場合だと、“毎月61,723円”の積み立てで5,000万円を達成することが出来ます。
この 場合、銀行預金との差を見てみると、
▶利回り4%:月63,872円の軽減
▶利回り7%:月99,401円の軽減
になりました。

ただし、収益性資産は「ハイリスク・ハイリターン」の通り、常に高い収益性を維持できる保証はありません。
元本割れリスクも常に付きまとうため、貯蓄を減らしてしまう可能性があることも理解しておくことが重要です。

安全性と収益性の両方で貯めていった場合

さて、安全性資産と収益性資産のそれぞれのシミュレーション結果が分かりましたね。
最後は、『分散投資』として安全性資産と収益性資産の両方で貯めていった場合を見てみましょう。

分散投資をしないと、すべての資金がひとつの金融資産に集中することになるので、運用がうまくいかなかった場合にはマイナス影響が資産全体に及びます。
分散投資を行い、値動きの異なる複数資産に分散することで、リスクを分散しながら安定的な収益を期待することが出来ます。

まずは収益性資産と安全性資産の割合を50%ずつに分けた場合です。
5,000万円のうち2,500万円を安全性資産で、2,500万円を収益性資産で貯蓄したシミュレーションになります。  

・2,500万円
利回り0.7%の安全性資産だと毎月76,278円の積立  

・2,500万円
利回り7%の収益性資産だと毎月30,861円の積立  

合わせて、毎月107,139円の積み立てで5,000万円が達成となりました。  

次は収益性資産の割合を高くした場合です。
5,000万円のうち1,500万円を安全性資産で、3,500万円を収益性資産で貯蓄したシミュレーションをしてみましょう。  

・1,500万円
利回り0.7%の安全性資産だと毎月18,517円の積立  

・3,500万円
利回り7%の収益性資産だと毎月43,206円の積立  

合わせて、毎月61,723円の積み立てで5,000万円が達成となりました。

まとめ

安全性資産と収益性資産はどちらも優れた貯蓄手段ですが、それぞれメリットデメリットがあるため、自分の性格や目的に応じて安全性と収益性を使いこなすことが重要といえます。
また、資産を分散させるためにも、どちらの資産も持っておくとより安心といえるでしょう。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー

裏門春菜(うらもんはるな)
所属:株式会社マネープランナーズ