本記事では所見の意味や所感との違い、類語、例文などをご紹介します。英語表現についても触れていますので、この機会にボキャブラリーを増やしてください。
所見とは
所見は「しょけん」と読みます。意味は何でしょうか。
所見の意味
所見には、主に2つの意味があります。
- 見た事柄のこと。見た結果下される判断や、それに対する意見のこと
- ある事柄についての意見や考え
所見は「医師の所見」や「教師の所見」などと用いられることが多くあります。これらは診察や学校生活を経て、どのような結果がもたらされたかを表すものです。
所見の使い方
ここでは、所見の使い方を解説します。
ビジネスシーンで
ビジネスシーンにおいても、「アンケート調査への所見」などと使われます。アンケート調査によってわかったこと、推察されることなどをまとめたもののことです。
また、人事評価にあたり上司が部下の業績や勤務態度などについて述べているのも「所見」にあたります。
学校の通知表で
一般的に、学校で渡される通知表には、教師が記入する「所見欄」があります。これは教師が生徒の学習や課外活動に対する取り組みを見た結果、その生徒が何を学びどう成長できたかを書くというものです。
その学期を振り返って生徒のよいところを具体的に書くことで、生徒の意欲向上につなげるとともに、家庭と共有することができます。
所見の例文
所見の意味や似た言葉との違いを確認したところで、次に例文を見ていきましょう。
- 医師から所見を聞くために、精密検査を受けることにした
- 先日行ったマーケティング調査について、所見をいくつか申し上げます
- この案件について、〇〇様の所見をいただけますでしょうか
所見と間違えやすい言葉
所見には「初見」や「所感」など、混同してしまいやすい言葉があります。違いを見ていきましょう。
所見と初見
所見と間違えやすい言葉に「初見(しょけん)」があります。初見は文字通り「初めて見る、初めて会うこと」という意味です。楽器を演奏する際に、楽譜を初めて見てすぐに演奏することを「初見で弾く」などと言います。
また、ゲームなどにおいて初めて見る攻撃を食らってしまうことを「初見殺し」と言います。所見と初見、読みが同じで見た目も似ていますが、意味はまったく異なるので注意しましょう。
所見と所感
所見と似た意味の言葉に「所感(しょかん)」があります。2つの言葉の意味を見比べてみましょう。
- 所見: 見た事柄のこと。見た結果下される判断や、それに対する意見のこと。ある事柄についての意見や考え
- 所感: 折に触れて心に感じたこと、感想
所見が、通知表や病院の診察などに代表されるように、「何かを行った結果の判断や意見」であるのに対し、所感は「何かに触れたことで抱く感想」という意味です。「所感を述べる」とは感想を述べるという意味になります。所見にはこのような「感想」という意味合いは含まれません。
所見の類語
次に、所見の類語を見ていきます。これらを知ることは、所見という言葉をより深く理解することにもつながります。
所見の類語には以下のようなものがあります。
- 考察(こうさつ): 物事の本質を明らかにするために、よく調べ考えること
- 見識(けんしき): 物事の本質を見通すことのできるすぐれた判断力、ある物事についての確かな考えや意見
- 見解(けんかい): 物事に対しての考え方や価値観、評価
所見の英語表現
所見を意味する英語は、以下のようなものがあります。
- opinion(意見、考え)
- view(見解、考え方)
- comment(批評、論評)
以下、例文を紹介します。
- I asked for the doctor the opinion of medical checkup.
(私は医師に、健康診断の所見を求めた)
- According to the committee’s view, this project will succeed.
(委員会の所見によると、このプロジェクトは成功するでしょう)
- I made a comment about his presentation.
(彼のプレゼンについて所見を述べた)
所見の意味や使い方・例文を理解して、ビジネスシーンで活かそう
所見とは「見た事柄のこと、見た結果もたらされる判断や意見のこと」を言います。「医師の診察による所見」「学校の通知表の所見」などがありますが、ビジネスシーンにおいても「人事評価で上司が部下に対して述べる所見」や、「マーケティング調査についての所見」などと用いられます。
同じ読みの初見と混同しやすいですが、初見は「初めて見る、会うこと」という意味で所見とは異なります。また似た言葉の「所感」は「折に触れて抱く感想のこと」という意味です。違いを理解しておきましょう。