IT・家電見本市「CES 2022」(米ラスベガス、2022年1月5日〜8日)において、米GoogleがAndroidデバイスの連携を向上させるAndroidの機能アップデートを発表した。Bluetoothイヤホンのスムースなセットアップや接続の切り替え、Wear OSスマートウォッチによるAndroidスマートフォンのロック解除、空間オーディオなど、Appleのエコシステム機能に対抗するような新機能になっている。
ChromebookでもFast Pair可能に、Windows PCとの連携強化
対応するBluetoothイヤホン/ヘッドホンをAndroidスマートフォンに近づけ、簡単なステップでペアリングを完了できる「Fast Pair」。Googleによると、2017年に利用できるようになってから、同機能はすでに1億回以上もAndroid携帯とBluetoothアクセサリーの接続をサポートしている。
Googleは数週間後に、Fast PairをChromebookに拡大する。対応するBluetoothイヤホン/ヘッドホンをオンにすると、Chromebookが自動的に検出し、ワンクリックでペアリングできるとのこと。さらに数カ月後にGoogle TVおよびAndroid TV OSのデバイスでも利用可能にする予定。Androidは始動準備が進むスマートホーム機器の共通規格「Matter」をサポートしており、同規格に準拠するスマートホームデバイスもFast Pairを使って簡単にネットワークやGoogle Homeに組み込めるようになる。
今年後半には、Chromebookの新規セットアップにおいて、AndroidスマートフォンからGoogleログインやWi-Fiパスワードといった情報を取得してセットアップを簡略化できる機能を提供する。
Chromebookの画面から、接続するAndroidスマートフォンの機能にアクセスできる「スマートフォンハブ」。メッセージの閲覧・応答、「おやすみ時間モード」の操作、電話を探す機能、最近のChromeタブの表示、カメラロールの最近の写真やビデオへのアクセスなどを行える。今年後半にはAndroid携帯が離れた場所にある場合(別の部屋で充電中など)でも、Chromebookから「メッセージ」アプリにアクセスして利用できるようにする。
また、Windows PCとの間でも、Fast Pair機能を用いて簡単にAndroidスマートフォンを接続できるようにし、Bluetoothアクセサリのすばやいセットアップ、テキストメッセージの同期、Nearby Shareによるファイル共有などをChromebookと同じように快適に利用できるようにする。今年後半の提供を目指して、Acer、HP、Intelと開発作業を進めている。
Wear OSスマートウォッチでロック解除
Androidには、デバイスのロック解除、Chromeやアプリへのログインを簡略化する「Smart Lock」機能が用意されている。ユーザーが対応するスマートウォッチを装着している時に近くにある自分のAndroidスマートフォンがロック解除されるように設定したり、Androidスマートフォンを用いてChromebookのロック解除やデバイスへのログインを行える。数カ月以内に提供する予定のアップデートで、Smart LockをWear OSに拡大。ペアリング済みのWear OSスマートウォッチを使って、近くにあるAndroidスマートフォンやタブレット、Chromebookをすばやくロック解除できるようにする。
昨年、車のロック/ロック解除や始動にスマートフォンを用いるBMWのデジタルキーに、条件を満たすSamsungの携帯電話とPixelデバイスを使えるようになった。デジタルキー機能をより多くのAndroid携帯電話と自動車に広げる取り組みを進めており、今年後半にはUWB(超広帯域無線通信)を搭載した他のスマートフォンにデジタルキー機能のサポートを広げる計画だ。
接続の自動切り替えや空間オーディオなど
Bluetoothイヤホン/ヘッドホンのペアリングを容易にすると共に、デバイスの接続をスムースに切り替える技術の開発も進めている。例えば、対応するBluetoothヘッドホンを使ってAndroidタブレットで映画を見ている時にAndroidスマートフォンに電話がかかってきたら、映画が自動的に一時停止し、ヘッドホンの接続がスマートフォンに切り替わる。通話が終了したら映画に戻るという具合だ。また、頭の動きをトラッキングする空間オーディオにも取り組んでおり、数カ月中に対応するイヤホン/ヘッドホンで利用できるようにする予定。
スマートフォンでのコンテンツ再生をテレビやスマートスピーカーで共有できるようにするChromecastについても、ユーザーがより多くのデバイスで利用できるようにエコシステムの拡大に努めており、Boseのスマートスピーカーおよびサウンドバーを皮切りに、今後数カ月のうちにいくつかのブランドからChromecast対応製品が登場するという。