既に第一報をお届けしたIntelのCES 2022における基調講演だが、やはり事前説明会で漏れていた情報がいくつかあったので、これをご紹介したい。

Core i9-12900KS(?)

Desktop向けであるが、ごく一部により性能を高めたKSシリーズプロセッサが投入されることが明らかにされた(Photo01)。かつてのCore i9-9900KSに近い位置づけと思われるが、具体的なSKUや消費電力とか価格、出荷終了などは現時点ではまだ明らかにされていない。基調講演では、実際にP-Coreが5.2GHz、E-Coreが4GHz動作している様子が示された(Photo02)。

  • Intel CES 2022 Update - Core i9-12900KSか? 性能を高めたKSシリーズの存在

    Photo01: 動作周波数は最大5.5GHz、出荷は3月末の予定。Core i7以下のグレードにも用意されるかどうかは不明。

  • Photo02: Core i9-12900Kの場合、P-Coreは最大5.2GHz、E-Coreは最大3.9Gzの設定であり、これを上回る設定が可能になっていることがHWINFO64の表示から判る。

Alder Lake vs Cezanne

先の記事でもCore i9-12900HK vs Ryzen 9 5900HXのベンチマークが色々示されていたが、基調講演ではHitmanなどでのフレームレート比較(Photo03~05)も示された。

  • Photo03: 完全に同じシーンではないが、まぁ比較には十分だろう。

  • Photo04: フレームレート部のアップ。AverageでAlder Lakeが32%高速としている。

  • Photo05: その他のゲーム比較。中段右の"49% Faster"がHitmanベンチマーク全体でのフレームレートの比だとしている。

Intel Arc関連

Alchemistのコード名を持つIntelのDG2 GPUであるが、Mobile向けには今年第1四半期に出荷されることが明らかにされた(Photo06)。既にAlienware X17(Photo07)とLenovo YOGA(Photo08)に搭載されるほか、50以上のデザインが進行中とされる(Photo09)。

  • Photo06: 既にノートメーカーにはサンプルが届いて評価中とのこと。

  • Photo07: 最初に名前が出た一つがこちら。まぁGaming向けとしてはリーズナブルな構成。

  • Photo08: YOGAブランドへの搭載はちょっと意外。Gaming Tablet?

  • Photo09: さりげなくNUCまで入っていたり。

このArcに絡むのがDeep Linkと呼ばれる新しい機能(Photo10)。実は先の記事のスライドでは落としたのだが、Alder LakeのプラットフォームにはDeep Linkという新しい機能が用意されているとされており(Photo11)、基調講演では実際にAlchemistを単体で使った場合と、内蔵GPUとAlchemistをDeep Linkで連動させた場合のエンコード速度の比較なども示された(Photo12)。

ただ今回はあくまでもMobile向け(DG-128?)で、Desktop向けに関しての情報は一切無いのがちょっと残念であった。まぁ競争の激しいDesktop向けよりも、まずは比較的優位があるMobile向けでシェアを確保したいということなのかもしれない。

  • Photo10: AMDのSmartShiftとかNVIDIAのMax-Qと同種の技術と思われる。

  • Photo11: Intel Arcとの組み合わせでしか使えないのか?とかこれはHシリーズのみの機能なのか?とかいろいろ疑問はあるのだが、その辺は後追いで。

  • Photo12: 左がAlchemist単体でエンコードした場合で、まだ58%しか終わっていないのに、同時にスタートした内蔵GPU+Alchemistでは既にエンコードが終わっている。