欧州ソニーは現地時間1月4日、薄型テレビ「BRAVIA XR」の新製品を発表。新たな有機ELパネルを採用した4Kの「A95K」、ミニLEDを採用した8Kの「Z9K」など6シリーズを展開する。さらに、ユーザーを認識して画音質を最適化するという独自のカメラデバイス「BRAVIA CAM」も登場。欧州での発売日はいずれも後日発表予定としている。
「XR」と名付けた認知特性プロセッサー(Cognitive Processor)を搭載し、人が見ている映像に合わせて自動で画質・音質を向上させる「BRAVIA XR」の新製品。同社の海外公式YouTubeチャンネルでは「新しいBRAVIA XR テレビの発表」(New BRAVIA XR TV Announcement)と題した動画を公開しており、国内でも1月5日0時から配信開始した。
ソニーのBRAVIA 2022年発表モデルのラインナップは以下の通り。このうち、BRAVIA XRでは液晶のZ9K、X95K、X90Kの3シリーズと、有機EL採用のA95K、A90K、A80Kの3シリーズを用意する。ほかにもXRではないが、4K HDRプロセッサX1を搭載した液晶テレビX85K、X80Kの2シリーズも同時発表した。
BRAVIA(2022年発表モデル)のラインナップ
- Z9Kシリーズ(8K液晶/ミニLED):85/75V型 ※MASTER Series
- X95Kシリーズ(4K液晶/ミニLED):85/75/65V型
- X90Kシリーズ(4K液晶/Full Array LED):85/75/65/55V型
- A95Kシリーズ(4K量子ドット有機EL):65/55V型 ※MASTER Series
- A90Kシリーズ(4K有機EL):48/42V型 ※MASTER Series
- A80Kシリーズ(4K有機EL):77/65/55V型
- X85Kシリーズ(4K液晶):85/75/65/55/50/43V型
- X80Kシリーズ(4K液晶):75/65/55/50/43V型
ミニLEDを採用した8K液晶テレビ「Z9Kシリーズ」と4K液晶テレビ「X95Kシリーズ」は、最新世代のミニLEDバックライトを正確に制御し、驚異的な明るさを実現するという「XR Backlight Master Drive」を搭載している。
ソニーが開発したローカル調光アルゴリズムを使用して、数千もの小型の超高密度ミニLEDを“絶対的な精度と独立性”で制御。「信じられないほどまばゆいばかりのライトと深い黒、そしてハイライトの周りにフレアやハローがほとんどない美しく自然なミッドトーンで、前例のないダイナミックレンジを楽しめる」とする。
有機ELテレビのうち、MASTER Seriesとして展開する最上位「A95Kシリーズ」は、新しいQD-OLED(量子ドット有機EL)パネルを採用しており、従来のテレビと比べて色の明るさを最大200%向上させるという。また、高画質技術として新たに「XR Triluminos Max」を投入。最も幅広いカラーパレットを提供し、自然に美しい色合いと色合いを再現するという。
BRAVIA XR(2022年モデル)の高画質技術として、有機ELモデルにはグレアの高いピークとシャドウの深い黒の明るさを調整する「XR OLED Contrast Pro」、液晶モデルでは「XR Contrast Booster」を採用。また、A95K以外のテレビでは「XR Triluminos Pro」を盛り込んだ。さらにNetflixとコラボレーションし、周囲の明るさに基づいて画像処理を自動的に調整する「Netflix Adaptive Calibrated Mode」も提供する。
ユニークなのが、新開発のオリジナルカメラデバイス「BRAVIA CAM」。これはテレビの上に設置して使うもので、ユーザーが座っている場所をテレビが認識し、それに応じて映像と音声を最適化。「ユーザーが常に家の中で最高の席を確保できるようにする」としている。ジェスチャーコントロールやビデオチャットでも利用できるとのこと。また、ユーザーがテレビの前にいないことを認識すると、エネルギーを節約するためにディスプレイを暗くするという。
サウンド面では、サウンドが画面に表示されているものと正確に一致することを保証するという「AcousticSurfaceAudio+」、または「AcousticMulti-Audio」といった技術を投入。また、同社のホームシアターシステム「HT-A9」やサウンドバー「HT-A7000」、ネックバンドスピーカー「SRS-NS7」といった別売機器と連携して360度の立体音響を楽しめるとする。
いずれもOSにはGoogle TVを採用。独自のコンテンツサービス「BRAVIA CORE」を引き続き提供する。PlayStation 5にゲーム映像を最適化する技術も採用している。
上位機種のZ9K、X95KとA95K、A90Kには、新しいプレミアムアルミニウムリモコンを同梱。ボタンがバックライトで光ることで暗い場所でも使いやすくした。ほかにも、テレビにリモコンを見つけるように指示すると、リモコンが鳴ってユーザーが探せる機能も備えるという。
なお2022年の一部のBRAVIAでは、地球環境への配慮の一環として、同社が開発した再生材利用率最大99%の再生プラスチック「SORPLAS」を使用。テレビのパッケージサイズは約15%縮小し、インクやプラスチックの使用率を減らしたという。