「塵も積もれば山となる」とは、「どんなに小さいことでも、積み重ねることによって大きくなる」という意味のことわざです。日常会話からビジネスシーンまで、使う機会が多いことわざなので正しい使い方を確認しておきましょう。
本記事では、「塵も積もれば山となる」の詳しい意味や由来、例文を解説していきます。また、類語や英語表現も紹介します。
塵も積もれば山となるの意味
「塵も積もれば山となる」とは、「どんなに小さいことでも、積み重ねれば大きくなる」という意味のことわざです。平安時代に作られた「古今和歌集」の序に同様の記述が見られ、江戸時代にはすでに塵も積もれば山となるということわざとして常用されていました。古くからあることわざですが、現代でも日常的に使われています。
なお、ここで使われている「塵」は「些細なこと」や「小さなこと」という意味。「ゴミ」や「埃」という意味ではないので注意しましょう。
塵も積もれば山となるの由来
塵も積もれば山となるの由来は、インドの仏教書「大智度論(だいちどろん)」内の「譬如積微塵成山、難可得移動」という文章です。
これは、「わずかな怒りや欲望でも、積み重なると魂が救われるのが難しくなる」ということを「どんなに小さなものでも、積み重ねて山になったら動かすのは難しい」という表現でたとえています。
塵も積もれば山となるの類語
ここからは、塵も積もれば山となるの類語を紹介していきます。塵も積もれば山となるを四字熟語に言い換えた表現も紹介するので、語彙力を高めるためにもチェックしておきましょう。
千里の道も一歩から
「千里の道も一歩から」とは、「大きなことを成し遂げるには、身近なところから始めるのが大切だ」という意味のことわざです。また、「始めたあとに着実な努力を続ければ大きな成果につなげられる」という意味合いも含んでいます。塵も積もれば山となるの類語として違和感なく使えるでしょう。
なお「里」は古代中国の単位で、1里は400mほどだったとされています。そのため、千里は「きわめて長い距離」のたとえとして用いられているといえます。
石の上にも三年
「石の上にも三年」とは、「冷たい石の上でも、長く座り続ければ温まる」ことから「辛抱していれば報われる」という意味のことわざです。江戸時代には「石の上にも三年いれば温まる」として使われていました。「長く続けていれば報われる」という意味合いがあるため、「塵も積もれば山となる」の類語として問題なく使えます。
雨垂れ石を穿つ
「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」とは、雨垂れも長く続けば石に穴が空くように「小さなことでも根気よく続ければ、大きな成果になる」という意味のことわざです。「努力を続ければ成功する」といった意味合いでも使うことができます。塵も積もれば山となるに比べると耳にする機会の少ないことわざですが、表現の幅を広げるためにも覚えておきたいところです。
積土成山
「積土成山(せきどせいざん)」は「努力を積み重ねれば、大きなことを成し遂げられる」という意味の四字熟語です。塵も積もれば山となると同じ意味合いの四字熟語として使えます。
塵も積もれば山となるの英語表現
塵も積もれば山となるの英語表現は、「Many a little makes a mickle.」です。このままで、塵も積もれば山となるという意味で使えます。この機会に覚えてみてください。
塵も積もれば山となるの使い方
塵も積もれば山となるには、「努力を続ければ大きな成果につながる」という意味合いだけではなく、「小事を疎かにしてはいけない」という戒めの意味もあります。状況に合わせて使い分けられるように、例文をチェックしておきましょう。
塵も積もれば山となるの例文
塵も積もれば山となるの例文は、下記のとおりです。
- 「塵も積もれば山となるので、1日10分のウォーキングでも毎日続けることが大切だ」
- 「少しずつでもいいから貯金をしましょう。塵も積もれば山となります」
- 「わずかなミスでも、繰り返すと大きく評価を落とすことになるだろう。塵も積もれば山となるというからね」
塵も積もれば山となるを使ってみよう
今回は、「塵も積もれば山となる」の意味や由来、類語や使い方などをくわしく紹介しました。
「塵も積もれば山となる」は「小さいことでも、積み重ねれば大きな結果につながる」という意味のことわざです。
日常会話だけでなくビジネスシーンでも使えることわざなので、正しい使い方を確認しておきましょう。類語となることわざや四字熟語も知っておくと、語彙力が高まります。ぜひこの機会に覚えてみてはいかがでしょうか。