テレビ朝日の早河洋会長は4日、年頭挨拶で、シニア層向け戦略や「バラバラ大作戦」の進化版を展開する方針を打ち出した。
現在、民放テレビ局は、より多くの広告収入を獲得するため、49歳までをターゲットにした「コア層」を重視する傾向にあり、若年層向けの番組強化に取り組んでいるが、そんな中でテレ朝は「世帯・個人全体視聴率の数字はいいが、コア層には弱い」と言われてきた。
これに対し、早河会長は「編成が強化に取り組んでおり、番組改編のたびに改善されてきています」と説明。その上で、「そもそも収益性や営業効率でいうなら、視聴率もさることながら、広告収入の売上高で語られるべきであり、その点では、テレビ朝日は今年度上期タイム、スポットとも2位の成績をあげており、スポットも5年連続2位ですので、営業現場は胸を張っていいと思います」と強調した。
一方で、「少子高齢化が急速に進む今こそ、50歳以上のボリュームゾーンにも目を向ける必要があるのではないか」と提起。「49歳以下の視聴者も50歳以上の視聴者も共に大事にする、ターゲットのハイブリッド戦略を展開していきたいと考えるに至りました」といい、「この戦略では、番組対応もさることながら、シニア層を重視するアドバタイザーと連携し、高齢化社会を前向きに捉えたうえで、シニア層の生活を豊かにする選択肢を、テレビ機能を使って増やしていくことを目的とします。新しいビジネスモデルとして、エンターテイメントサービスを提供していくこの計画は『アクティブ チョイス プロジェクト』と命名、本格スタートへ向け作業を加速させていきます」と方針を明かした。
また、若手クリエーターの発掘、育成を目的としてスタートした深夜のバラエティゾーン「バラバラ大作戦」を発展・進化させる「スーパーバラバラ大作戦」を編成することを表明。「明確な手ごたえがあった『バラバラ大作戦』をスケールアップし、バラエティを中心に大枠のエンターテイメントゾーンを構築する」「私たちが陥りがちな安定的で定番、既成の番組制作ではない冒険的、挑戦的で奔放なもの作りのスタジアムのような、そんな理想郷をイメージしているところです」と構想を語った。