マリトッツォや高タンパクのおやつ、レトロ食など、2021年もさまざまな食が注目を集めました。2022年はどのような食がブームになるのか気になる人も多いはず。先日発表された、料理レシピサービス「クックパッド」の食トレンド予測2022から、2022年に流行りそうな食トレンドを紹介したいと思います。
2022年は味付けや食感を楽しめる新感覚の料理や調味料に注目
クックパッドによると、2022年はいつもと違ったエスニックな味付けや食感を楽しめる“新感覚”の料理・食材の人気が高まるそうです。実際に選ばれた食トレンド予測2022を見てみると、これまであまり耳にしてこなかったワードがずらりと並んでいました。
・ポークビンダルー
ポルトガル人からインド西海岸地方のゴアに伝承され、今やゴアの名物料理と言われているポークビンダルーは、元は豚肉をワイン酢やにんにくで煮込んだ料理でしたが、伝承の過程で進化を遂げ、カレーへと変化したもの。人気が続くスパイスカレーの中でも、辛味と酸味がきいた新しい一品です。
・豆腐干
硬めの豆腐を圧縮・脱水させたもので、中国や台湾では和え物、煮物、炒め物、細切りタイプは麺の代わりに使われています。 豆腐干自体には味がないため、どんな料理にも使いやすく、さらに低糖質・高タンパクと体にも嬉しい食材です。
・半熟カヌレ
フランスの伝統菓子「カヌレ」の専門店が次々にオープンしており、クラシカルなもの以外に、デコラティブなものや、フレーバーのついた新しいカヌレが続々登場しています。 中でも外はカリッと、中はとろりとした食感の「半熟カヌレ」は、半熟チーズケーキ、半熟カステラなど “半熟ブーム”との掛け合わせと言うこともあり注目を浴びています。
・モクテル
イギリスで生まれたノンアルコールカクテルの総称で、 “似せた”“まねた”という意味の「mock(モック)」と「cocktail(カクテル)」を合わせた造語。 飲食店のアルコール提供自粛期間中の救世主として人気となり、定着しつつあるノンアールコールカクテルです。
・デュカ
ブームになった「ハリッサ」を筆頭に、注目度が高まっている中東の調味料。中でも今、ナッツやクミン、コリアンダーなどのスパイス、塩が絶妙なバランスで配合されている「デュカ」の愛用者が増えています。 サラダやお肉、バニラアイスなどシンプルなメニューにかけるだけで、いつでも手軽にエスニックな味わいを楽しめます。
まさに“新感覚”の料理や調味料が並ぶ中、想像するのが難しいポークビンダルーが筆者的に1番気になりました。クックパッドの担当者によると、お正月明けはお節料理などの甘い味付け、和の味に飽きてくる傾向があり、また帰省などで食べる人数が多いタイミングなので、一度に大量に作れるカレーは重宝するといった背景があるそうです。
新年を迎えたこのタイミングで、実際にどんな味を楽しめるのか、ポークビンダルーを作ってみました。
ポークビンダルーを作ってみた!
豚肉をワイン酢やにんにくで煮込んだカレーと言うこともあり、調理が大変そうなイメージのポークビンダルー。カレー粉と最小限のスパイスを使うだけで、工程が少なく、ズボラさんでもできるレシピがあるということでチャレンジしていきたいと思います。
「カレー粉+1スパイスで★ポークビンダルー」
【材料(4人分)】
●豚ブロック肉(赤身がおすすめ)400g
玉ねぎ1個
トマト缶1/4缶
●酢(半量白ワインビネガーにするのがおすすめ)大さじ4
●にんにく・生姜(すりおろし)各1かけ
●塩小さじ1
砂糖小さじ1
水500ml
■ パウダースパイス
●カレー粉大さじ1
●クローブ小さじ2.5
●チリペッパー小さじ1/2~1
■ テンパリング(※お好みで)
サラダ油大さじ2
マスタードシード小さじ1
ローリエ2枚
材料を集めようとしたものの、普段の調理であまり出番のないローリエやクローブ、マスタードシードなど、筆者の家の近くのスーパーでは取り扱いがなかったので、今回は生鮮食品EC「クックパッドマート」で全食材を注文してみました。
商品はコンビニエンスストアやドラッグストア、駅構内、マンションなどに設置された生鮮宅配ボックス「マートステーション」に届けられるので、わざわざ買い物に行き、食材を探す手間が省け、仕事帰りに受け取ることができました。
【作り方】
1.豚肉は一口大に切り、塩胡椒、レモン汁数滴(分量外)を振って5分ほど置く。●の材料を入れて豚肉に揉み込み、最低1時間置く。
2.鍋に油大さじ2(分量外)を熱し、薄切りにした玉ねぎが色づくまで炒める。
3.トマト缶を入れ、水分を飛ばしながらペースト状になるまで炒める。
4.1の豚肉を加え、炒め混ぜながらなじませたら、水を加える。煮立ったら火を弱めて30分ほど煮る。(蓋はしない)
5.鍋のふちに赤い油が浮いてきたら上手にできた印です。
6.砂糖を入れ、塩で味を調える。
(テンパリングしない場合はここで完成)
7.※スパイスの香りを移した油を後入れするテンパリングを行う場合、小さいフライパンに油を中火で熱し、マスタードとローリエを入れる。マスタードがパチパチ弾け出したら少し火を弱める。
8.マスタードが弾け終わったら、6に一気に加える。(はねるので注意!)
9.混ぜ合わせて油がなじんだら、完成!
トマト缶を使用しているからか、赤みの強いカレーが出来上がりました。酸味を感じるトマトベースの香りが、食欲を掻き立てます。
実際に食べてみると、口に入れた瞬間に酸味が広がり、玉ねぎと豚肉の脂身のまろやかさを感じつつも、ジワッと辛味に変わっていく不思議な感覚。なんとなく酸辣湯の雰囲気に似ており、刺激はありつつもさっぱりとした印象で、個人的には、飲み過ぎた次の日や、元気を出したい時に食べたい、パワーフードのように思えました。
手の凝った料理に見えますが、カレー粉を使い、簡単な工程が多いので気軽に試すことができるポークビンダルー。2022年のトレンドになりそうなカレーを味わってみては?