2022年は「データ・ファーストモダナイゼーション」を推進

2022年は、「EDGE-TO-CLOUD COMPANY」として、データ・ファーストモダナイゼーションを実現し、顧客のビジネス変革と持続可能な社会に貢献することを目指す。

データ・ファーストモダナイゼーションとは、サイロ化されたデータが有機的につながり、そこから洞察を導くための仕組みを作ることを指す。「DXを支援する上で、データが洞察をもたらさなくては意味がありません。2022年はデータ・ファースモダナイゼーションを全面的に訴求していきます」と望月氏。

ITを活用した持続可能な社会への貢献については、古くからグローバルで取り組んでいるが、「日本市場に対し、当社の提供できる価値をどこまでお伝えできているのかという点において、改善の余地があります。サステナブルの観点から、われわれが提供できる価値をアピールしていきます」と、望月氏は言う。

望月氏は、他社に対する4つのアドバンテージを武器に2022年を戦っていきたいと述べた。1つ目のアドバンテージは「製品のカバレッジの広さ」だ。HPEはエッジ、オンプレ、クラウドと提供する幅広い環境に対し製品を提供しているが、望月氏は「だからといって、自社の製品にこだわっておりません。われわれはオープンであり、他社のテクノロジーも含めて提供していきます」と話す。

2つ目のアドバンテージは「ゼロトラストセキュリティ」だ。望月氏は、「エッジが拡大すると、保護すべきリソースが分散し、ゼロトラストが必須になってきます。われわれはAruba ESP、Project Auroraといったソリューションを提供しています。ゼロトラストセキュリティについてきちんと伝えられることが強みです」と説明した。

3つ目のアドバンテージは、他社製品も含めて、構築から運用までサポートできる「アドバイザリー」だ。4つ目のアドバンテージはオンプレミス環境を従量課金で提供するプラットフォーム「HPE GreenLake」となる。「HPE GreenLake」では、複数世代にわたるIT環境の最適化を行うことができ、統合されたクラウドエクスペリエンスを提供する。これにより最適なプロビジョニングが実現される。

望月氏は、HPE GreenLakeについて、「ファイナンスモデルだけでなく、次元の違うモデルを提供しています。10年間のノウハウを結集しており、完成度が高く、競合製品とは一味も二味も違います」と、完成度に自信を見せた。

「HPE LIVING PROGRESS」で顧客のSDGs達成を支援

2022年において、注力したい取り組みとして紹介されたのが「HPE LIVING PROGRESS」だ。これは、将来のテクノロジーに対するニーズを持続可能的に満たしていくための取り組みだ。

「HPE LIVING PROGRESS」は、「LOW-CARBON-ECONOMY(循環型低炭素社会への移行をリード)」「PEOPLE AND COMMUNITY(人と社会への投資)」「INTEGRITY AND RESPONSIBILITY(誠実で責任をもった企業運営)」という3つの柱の下、SDGsに取り組んでいく。 循環型低炭素社会への貢献としては、例えば、2020年単年で3,100万のIT資産を回収し、87%の再利用を実現している。「HPE GreenLake」はオーバープロビジョニングを抑えることができるという。加えて、製品のほとんどがエコラベルを取得しているため、これらの製品を使うことで、企業はSDGsの「調達」の加点につながるそうだ。「お客さまのグリーンなITに貢献できるのは価値あること」と望月氏はいう。

人と社会への投資として、日本では世代ごとにプログラムを設計している。プログラムを通して、従業員がタスクを立ち上げて活動しているそうだ。望月氏は「多様化が進む日本社会において、大事なことであり、他の企業とも胸襟を開いて意見交換をしながら、その活動をより高めていきたいと考えています」と話した。

社長就任2年目は発展期として、全員野球を目指す

最後に、2022年に向けての抱負について聞いてみた。望月氏は社長に就任して「3 Yearストラテジー」を策定し、1年目は創世期だったという。創世期は、ビジネスバリューを意識して、ソリューション中心の会話をし、従業員の行動変革とトータルのソリューション提供に注力してきたそうだ。

2年目に入る今年は「発展期にしていきたい」と望月氏は話す。具体的には、「DXプラットフォームイニシアチブ」を発展させていきたいという。「DXプラットフォームイニシアチブ」は、5G/IoT、ハイブリッドクラウド、データマネジメント&AI、デジタルワークプレイスというテーマで構成され、製品ではなくビジネス課題を解決するソリューション提案を推進する活動だが、それぞれの領域で多くの事例が創出できている。また、「去年までは 一部のセールス、プリセールスの貢献が大きかったものを、今年はサービス、デリバリー、マーケティング部門も含めて全員野球にしていきたいです」と望月氏。

そして、2022年に目指すゴールは「DXカンパニー」としてのさらなる認知拡大だが、全社員が総力をあげてもやれることには限界がある。そこで、頼りになるのがパートナーの存在だ。望月氏は、パートナーとの共創について次のように語った。

「パートナーの方々にはこれまでサーバやストレージ、ネットワーク製品を売ってもらっていました。これからはDXプラットフォームに価値を見出してもらい、自社のソリューションを入れ込んでいただき、パートナーの方々と双方向の共創を加速させていく発展期を形にしていきたいです」