テレビ朝日系とTELASAの連動スペシャルドラマ『デキないふたり』の「ディスきゅん」編が、きょう3日(24:15~)に、テレビ朝日系で放送される。
LINEマンガの恋愛ランキングで1位(21年8月10日時点)に輝き、現在も連載中のマンガ『デキないふたり』を初めて実写化した同ドラマ。広告会社で働く同期の白藤奈緒(山本舞香)、黒瀬孝仁(板垣瑞生)は、高校時代に最悪の別れ方をした元恋人同士。現在は、ライバルとして営業成績を競い合い、顔を合わせればケンカばかりの毎日を送っているが、“あること”をきっかけにその関係が変化し始める――というストーリーだ。
脚本は『ナイト・ドクター』や『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(21年)と2クール連続で「月9」枠を執筆した大北はるか氏、監督は、『来世ではちゃんとします』や『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(20年)の湯浅弘章氏という、話題の2人によるタッグ。原作の魅力を最大限に引き出し、さまざまな“胸きゅん”シーンが詰め込まれている。
また、テレビ朝日史上初となるTELASAとの連動企画となっており、きょう放送される「ディスきゅん」編では、奈緒の視点で物語がスタートし、過去の回想や現在の2人の関係、黒瀬への思いを自覚していく様を描く。一方、TELASAで先月31日から配信されている「ムズきゅん」編では、黒瀬の視点で2人の物語を別の側面から描写。「ディスきゅん」編と「ムズきゅん」編の両方を観ることで、より深く2人の関係を楽しめるオフィスラブコメに仕上がった。
■ヒロイン・山本舞香、ラブコメディーで見せた新境地
物語の主人公・奈緒を演じるのは、キュートなルックスでモデルとしても活躍する山本舞香。近年は、『ハケンの品格』(20年)、『コタローは1人暮らし』、『ソロモンの偽証』(21年)などのドラマや、『今日から俺は!! 劇場版』や『とんかつDJアゲ太郎』といった話題作に出演。さまざまな作品でヒロインを演じることも多い山本が、同ドラマで、これまであまり経験がなかったラブコメディに挑戦している。
奈緒は高校生時代に付き合っていた黒瀬から、初体験のときに放たれた一言がトラウマとなり、それ以来まともな恋愛ができずにいる“こじらせ系女子”というキャラクター。黒瀬と会社で顔を合わせるたびにケンカ腰で、“ディス”り合いが続き、まともに会話をすることはない。黒瀬のことを「絶対に許さない!」「あの性悪男」と息巻く奈緒だが、ふとした笑顔やさりげない優しさに“きゅん”としてしまうことも。
自身の心の変化に「ずっと嫌なヤツでいてもらわないと困るんだから……」と戸惑うが、奈緒に好意を抱いているイケメンデザイナーの金城冬馬(塩野瑛久)が割って入り、三角関係が勃発。優しく奈緒を見守り、スマートに支え、自身の思いもストレートに伝えられる男性として、黒瀬とは対照的に描かれる金城の登場で、奈緒の恋心はどこに行き着くのか。物語は、“あること”をきっかけに急展開を迎える。
山本が、「自分自身と重なる部分がすごくあった」と語るように、大人が共感できるエピソードが満載の同ドラマ。表では、黒瀬のことを“ディス”りながら、心の中ではかわいい側面を見せる奈緒に、じれったい気持ちも抱きながら、「分かる!」と共感する視聴者も多いだろう。そして、怒ったり、悲しんだり、笑ったり、くるくると様変わりする奈緒の心情を、感情豊かに表現した山本が、とにかくかわいい。恋心だけでなく、仕事を頑張る奈緒を応援したくなるようなドラマだ。
■“胸きゅん”のオンパレード! 原作で話題の“目隠しキス”も
また、同ドラマのポイントは、随所に盛り込まれた“胸きゅん”シーン。なかでも、原作でも話題の“目隠しキス”は、最大の見どころのひとつだ。夜遅くまで会社に残って仕事をする奈緒だったが、突然現れた黒瀬に目をふさがれてキスをされる――。演じた2人が、「ドキドキ感がすごいあるし、まさに“きゅん”ですよ」(山本)、「思わずしてしまったキスだった」(板垣)と振り返る“目隠しキス”は、制作陣こだわりの照明効果も加わり、極上の“胸きゅん”シーンに仕上がっている。
このほかドラマ冒頭から、山本と元カレ・紺野賢太を演じた高野洸のベッドシーンが描かれるなど、ちょっとセクシーなシーンや、さまざまなハグシーン、ドキッとするセリフやしぐさなど、最初から最後まで“胸きゅん”シーンのオンパレード。観ていてドキドキしっぱなしの1時間だが、最後の最後、クスッと笑えるシーンは、ラブコメディーならではの余韻を残してくれる。
そして物語中盤から、黒瀬の視点に切り替わるという新しい試みも面白い。黒瀬も奈緒と同様心に抱えているものがあり、自分の心に素直になれない“こじらせ系男子”だったのだ。一見クールでそっけない態度を取る黒瀬だが、モノローグでは心の声がダダもれ。「どうするんだよ! 俺!」「なんであんなことを……」と、表で見せる態度とはまったく違うコミカルな姿を見せる。そのギャップに、思わず“きゅんきゅん”してしまうこと間違いなしだ。
■「ディスきゅん」編と「ムズきゅん」編で、“二度おいしい”ドラマ
きょう放送される「ディスきゅん」編は、奈緒の視点で幕を開けるが、TELASAで配信中の「ムズきゅん」編は黒瀬の視点で物語がスタート。1つの物語を2つのバージョンで描いているため、同じシーンでも、見え方が異なり、「こういうことだったのか」という発見や、「なるほど」という気づきが満載だ。コメディー要素もさらにパワーアップしており、まさに、“二度おいしい”ドラマとなっている。
「ムズきゅん」編では、「ディスきゅん」編で描かれたエピソードの裏側が語られるほか、「ディスきゅん」編では描かれなかった入社式や高校時代のエピソードを知ることができる。そして、「ムズきゅん」編のオリジナルシーンとして、金城と奈緒の甘いデートシーンも。金城の奈緒に対する思いがつぶさに描かれ、夜景が見える場所でロマンチックな雰囲気に――。クールな黒瀬とは違った、金城の柔らかい雰囲気もまた魅力的だ。
「ディスきゅん」編と「ムズきゅん」編の2層構造という斬新なスタイルで、揺れ動く恋模様を描く『デキないふたり』。素直になれない“こじらせ系”の奈緒と黒瀬は、すれ違いや誤解を生みながら、7年間も止まっていた時間を動かすことができるのか。ぜひ、きょうの放送をチェックして、2人の行く末を確かめていただきたい。そして、たくさんの“胸きゅん”シーンで、2022年を明るい気持ちでスタートしてほしい。