俳優の吉沢亮が主演を務める大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)が、いよいよ26日に最終回を迎える。大河ドラマ初出演にして初主演を務めた吉沢が、幕末から明治へ、激動の時代を駆け抜けた渋沢栄一を熱演。13歳から91歳まで演じ切った吉沢について、制作統括の菓子浩チーフ・プロデューサーは「吉沢亮さんあっての『青天を衝け』。この難しい主役を演じられる人は、ほかになかなかいないと思います」と絶賛している。
新一万円札の顔としても注目されている渋沢栄一は、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように未来を切り開き、約500の企業を育て約600の社会公共事業に関わった“日本資本主義の父”。晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれている。
当初、最晩年まで描くと決めていなかったものの、それでも早い段階で決まったという。「大政奉還で終わったり、会社を作ったところで終わったり、いくつか終われるポイントがありますが、栄一さんの人生は途中で描くのをやめてしまったら全然描いていないことになるのではないかということで、早い段階で亡くなるまで描くことに決まりました」。
吉沢が91歳まで演じ切るかどうかは、制作を進めながら「ずっと考えていた」と告白。「20代の俳優ですから外見を91歳に見せるのは限界があると思いますが、そういうことよりも、同じ吉沢亮さんという俳優が渋沢栄一という人生を演じ切っていただくことがドラマとしての誠意だと思ったのと、吉沢さんからも『やりたい』と言っていただいたので、ぜひ吉沢さんに最後の91歳まで演じていただきたいということになりました」と決断した理由を説明した。
そして、「もちろん、この大河を託す思いでお願いしたわけですが、その想像をはるかに超えていました」と吉沢を絶賛。
「すごく難しい主人公だと思います。まず一つは、13歳から91歳までを演じるという無理難題。そして、活躍するステージがどんどん変わっていく。最初百姓だったところから幕臣になったり、パリから帰国したかと思えば明治政府に仕官し、急に退官したあとは経済のほうに行ったりと、1人の渋沢栄一という役ですが、その中に4人も5人もいろんな形の渋沢栄一がいて、それぞれのステージごとの栄一をすごく魅力的に演じていただいた」と感謝し、さらに「吉沢さんは力強いお芝居もすごいですし、かつ、繊細なお芝居も惹きつける力があって、吉沢亮さんあっての『青天を衝け』だなと思いました。この難しい主役を演じられる人は、ほかになかなかいないと思います」と俳優としての凄みを語った。