KERA CROSS第4弾『SLAPSTICKS』が東京・シアター1010にて25日に初日を迎え、出演者がコメントを寄せた。
本作は、サイレント映画からトーキーへと転換期を迎えるハリウッドを舞台に、映画作りに情熱を注ぐ人々を、映画への愛と希望にあふれる一人の青年を通じて描く。劇作家で演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)により、1993年にナイロン100℃で初演され、2003年にはオダギリジョー主演で再演されてきた。今回は幅広い世代からの支持で注目される若手クリエイター・三浦直之(ロロ)が演出を務めた。
物語はビリー(小西遼生)がデニー(元木聖也)にビジネスの話を持ちかけるところから始まる。スラップスティック・コメディのスターであるロスコー・アーバックル(金田哲)の映画を上映してほしいと頼むビリーは、若き日の自分(木村達成)がマック・セネット(マギー)のもとで助監督としてコメディ映画の撮影現場にいた時の様子や、ピアニストのアリス・ターナー(桜井玲香)との恋模様について語り始める。他愛もないエピソードや憧れのスターであるメーベル・ノーマンド(壮一帆)との出会いなどの思い出話は、ロスコー・アーバックルが新人女優のヴァージニア・ラップ(黒沢ともよ)の殺人容疑で逮捕されたという衝撃的な一報から次第に形を変え、デニーも話に引き込まれていく。
東京公演はシアター1010にて12月25日〜26日、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて2022年1月8日~10日、福岡公演は博多座にて1月14日~16日、愛知公演は日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて2022年1月28日、日比谷公演はシアタークリエにて2月3日~17日。
木村達成(ビリー・ハーロック役) コメント
やっと待ちに待った初日の幕が上がります。楽しみながら千秋楽まで怪我なく無事公演ができるように、最後まで気を緩めず演じていきたいと思います。クリスマスが初日、浮かれつつもいい緊張感の中、皆様にクリスマスプレゼントとしてこの作品を届けられればと思いますので、お楽しみに!!
桜井玲香(アリス・ターナー役) コメント
遂に幕が上がるという高揚感で胸がいっぱいです。
夢みる人たちが、その夢のため一生懸命生きる姿に奮い立たされる瞬間が沢山詰め込まれています。
儚くかけがえのない時間が流れる、素敵な作品に仕上がっています。劇場でお待ちしております。
小西遼生(中年のビリー役) コメント
過ぎた時間を思い出す時、バタバタと忙しなく生きていた時間ほど、それは鮮明に蘇り、愛おしく感じます。もちろんその分、後悔もきっと沢山。
喜劇は悲劇、嘘とまことの境界にある曖昧な感情を、それぞれの人生と重ね合わせ楽しんで頂きながら、映画を愛し命をかけていた人たちの姿を通して、ご覧頂く皆様の今日の喜びや、明日への活力になればと思います。そして、サイレントコメディ映画の魅力も知って頂けたなら幸いです。
壮一帆(メーベル・ノーマンド役) コメント
いよいよ初日を迎えようとしている今、ワクワクとドキドキが止まりません
歌もダンスもないストレートプレイはほんの少しの緩みがリズムを狂わせてしまうので、本番に向けて良い集中ができるよう調整していきたいですし、何より観に来て下さるお客様とこのストーリーの面白さを共有したいです!
カンパニーの良い空気が良いお芝居に繋がるよう、心してのぞみたいと思います
金田哲(ロスコー・アーバックル役) コメント
皆様!12月25日に最高のクリスマスプレゼントを用意させて頂きました!凄く素敵なモノが出来上がりました! ほんとにいいです! 名作です! 1920年代のハリウッドに登場する個性豊かなキャラクター達が放つピュアな気持ちと喜劇と悲劇を彷徨ったロスコー・アーバックルを是非、ご堪能ください!
元木聖也(デニー役) コメント
いよいよ『SLAPSTICKS』始まります!無声映画の面白さや、この時代にあったいろんな困難や葛藤など見どころがたくさんあります!昔の人は「こんなふうに映画を作っていたんだ」というのも、この舞台を観ていただければ分かるとおもいます。また、この舞台に出てくる役で、本当にその時代に生きていた人も出てきます。そんな事を思いながら観て、観終わった後に調べてもらったりしたら、より面白いかもしれません。映画にかける熱い想いを持った人達がたくさん出てくる、『SLAPSTICKS』楽しみにしててください!
黒沢ともよ(ヴァージニア・ラップ役) コメント
初めて台本を読んだ時に感じたわくわくがどんどん色や湿度を変えて、さらにさらにと膨らんでいくのを感じています。
"わたしたちの『SLAPSTICKS』"をたくさんの方に体感してもらえたら嬉しいです。大切に誠実に努めます。よろしくお願いいたします。
マギー(マック・セネット役) コメント
私、このカンパニーの最年長おじさんの経験をもってしても、今回の作品が、どんなお客さんたちに、どんな風に届くのか、幕が開くまで皆目、見当がつきません。そんな初舞台のような不安とワクワクで迎える初日。笑いに命を懸けた先人たちの熱い思いを込めて。若者たちとともに、いざ。
写真提供/東宝演劇部