小田急電鉄は、2022年3月12日に実施するダイヤ改正で、特急ロマンスカーの運転本数を見直すと発表した。平日朝に「モーニングウェイ号」を増発する一方、「はこね」は平日・土休日ともに減便(「スーパーはこね」も含む)。一般列車も日中時間帯や夕夜間を中心に運転本数を見直す。

  • 「はこね」「スーパーはこね」などで活躍する特急ロマンスカー・GSE(70000形)

現在、平日朝に新宿駅へ向かう特急「モーニングウェイ号」は計9本(相模大野発2本、本厚木発1本、秦野発3本、小田原発1本、藤沢発1本、片瀬江ノ島発1本)を運転。着席ニーズの高まりを受け、ダイヤ改正後は3本増発し、計12本(相模大野発2本、本厚木発2本、秦野発4本、小田原発2本、藤沢発2本)の運転とするほか、町田駅に停車する列車も増やす。

これにより、平日朝のラッシュピーク時間帯である8時前後の1時間に下北沢駅を通る列車が現行の36本から38本に増え、より快適な通勤輸送環境を実現するとのこと。一方で、小田原駅または新松田駅を6~7時台に発車する相模大野行の急行を5本減便。本厚木駅を始発としていた通勤準急・各駅停車各1本を秦野駅または伊勢原駅始発に変更し、運転区間を延長する。

  • 増発する「モーニングウェイ号」に使用する特急ロマンスカー「EXE α」(30000形)

  • 平日朝の「モーニングウェイ号」が3本増発され、ダイヤ改正後は計12本の運転に

新宿~箱根湯本間を結ぶ特急「はこね」「スーパーはこね」は現在、平日に上下計45本(下り22本・上り23本。うち下り2本は「スーパーはこね」)、土休日に上下計51本(下り23本・上り28本。うち下り4本は「スーパーはこね」)を運転。ダイヤ改正後、平日の運転本数は上下計30本(15本減)、土休日の運転本数は上下計39本(12本減)に減便される。

新宿~本厚木・小田原間の特急「さがみ」は現行の平日12本(下り3本・上り9本)・土休日5本(下り3本・上り2本)から平日15本・土休日12本、新宿~藤沢・片瀬江ノ島間の特急「えのしま」は現行の平日3本(下り1本・上り2本)・土休日11本(下り5本・上り6本)から平日4本・土休日14本に増える。JR御殿場線へ直通し、新宿~御殿場間で運転される特急「ふじさん」は平日の運転本数に変更はないが、土休日の運転本数が現行の上下計8本(下り4本・上り4本)から上下計6本に。その他、新宿~海老名間でロマンスカーの速達性が向上し、伊勢原駅や秦野駅に停車する列車も増やすとのこと。

日中時間帯から夕夜間にかけて、一般列車も運転本数が見直しに。平日の11~16時頃にかけて、新宿~町田間と多摩線で一般列車を1時間あたり3本程度減便する予定となっている。現在、新宿発新松田行で運転される急行は町田発小田原行の急行(新松田~小田原間は各駅停車)に置き換え、6両編成で運転。東京メトロ千代田線から直通する準急は急行に変更し、向ヶ丘遊園駅までの運転とする。新宿発唐木田行の急行はダイヤ改正後、多摩線内を各駅停車で運転する。

  • 最新型の通勤車両5000形

  • 日中時間帯の一般列車は新宿~町田間や多摩線を中心に、運転本数が見直しに

平日の18~21時頃にかけて、新宿発の各駅停車を現行の1時間あたり8本から6本に減便。東京メトロ千代田線から直通する列車も8本から6本に変更し、種別を準急に統一する。同時間帯に新宿発で江ノ島線へ向かう急行を快速急行、多摩線へ向かう快速急行を急行に変更し、運転本数を一部見直すほか、急行は終日にわたり経堂駅に停車し、経堂駅および成城学園前駅での準急・各駅停車との接続を改善し、利便性向上を図る。なお、土休日は終日にわたり平日日中とおおむね同じダイヤとなる予定。これに加え、都心方面や観光地へのニーズを踏まえた列車も運転する。

夕夜間の特急ロマンスカーは帰宅時間の早期化に対応し、17時以降に新宿駅を発車する下りを「ホームウェイ号」として運転。東京メトロ千代田線から直通する「メトロホームウェイ号」も運転時刻を1時間繰り上げ、新たに大手町駅17時30分発「メトロホームウェイ41号」(本厚木行)を設定する。現行の大手町駅22時30分発「メトロホームウェイ49号」は運転取りやめに。「ホームウェイ号」も新宿駅を22時以降に発車する列車を現行の6本から3本に減便する。ダイヤ改正後、小田原方面の「ホームウェイ号」は海老名駅、「メトロホームウェイ号」は成城学園前駅に全列車停車する。

小田急電鉄のダイヤ改正では、他にも江ノ島線での藤沢駅を中心とした運行形態変更をはじめ、運転時刻・区間の変更など予定している。ダイヤ改正前日の3月11日をもって、特急ロマンスカー・VSE(50000形)の定期運行を終了することも発表された。