「今年(2021年)もクオリティの高いワイヤレスイヤホンが豊作でしたね」――。某所某日、マイナビニュース・デジタルの林編集長と茶飲み話に花を咲かせながら2021年を振り返っていたところ、どちらが言い出したわけでもなく「例えばジャニーズファンの皆さんって、いつもどんなイヤホンで音楽を聴いているんだろうか?」という好奇心がふと天から降りてきました。
ならばいざ! ということで、林編集長の友人で自他ともに生粋のジャニーズファンと認める3名に集まっていただき、「ワイヤレスイヤホンの好みのタイプ」を教えてもらうことに。集まっていただいた皆さんは……。
【安部さん】
推しのグループとメンバー:Hey! Say! JUMP 八乙女 光さん
愛用イヤホン:アップル「EarPods」(有線)
【田中さん】
推しのグループとメンバー:Hey! Say! JUMP 伊野尾 慧さん
愛用イヤホン:オーディオテクニカ「ATH-CKS330XBT」(ワイヤレス)
【木下さん】
推しのグループとメンバー:SixTONESの箱推し
愛用イヤホン:アップル「EarPods」(有線)
何百回も聴いた、大好きなあの曲を最新の完全ワイヤレスイヤホンで聴き直してみよう
皆さんにとっては「もう何百回も聴いている」というお気に入りの楽曲を、筆者と編集部からの「推しイヤホン」(4台)で聴いたあとに、思いついたことを自由に語り尽くしてもらいました。価格帯や機能が異なる4つの完全ワイヤレスイヤホンです。ジャニーズファンのお眼鏡にかなうイヤホンはさて……。
【1】オーディオテクニカ:ATH-CK1TW:7,480円
女性音楽ファンにも人気。コンパクトでカラフルな、オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホン入門機。ノイズキャンセリング機能は非搭載ですが、耳にぴたりとフィットする高い装着感によるパッシブな遮音効果は大。
【2】ビーツ:Beats Studio Buds:17,800円
林編集長いわく「渋谷とかオシャレタウンに行くとみんな着けてるブランド」、Beats by Dr.Dreの完全ワイヤレスイヤホン。強力なノイズキャンセリング機能と、iPhone・Androidスマホの両方で快適な操作性が魅力。
【3】アップル:AirPods(第3世代):23,800円
おなじみ「アップルのワイヤレスイヤホン」第3世代。音抜けの良い開放型ハウジングのイヤホンですが、どっしりと響く低音も出せるのが自慢。アップルの立体音楽体験「空間オーディオ」にもフル対応。
【4】ソニー:WF-1000XM4:33,000円
音質にこだわるソニーの完全ワイヤレスイヤホンのフラグシップ。独自技術によりBluetoothオーディオでは困難とされてきたハイレゾ対応の高音質再生が楽しめます。ノイズキャンセリングなどリスニングをサポートする機能が充実。
「あのポイント」にこだわって聴きたい
―― 皆さんがふだん推しの楽曲をイヤホンで聴くとき、重視しているポイントはあるのでしょうか?
安部さん:ジャニーズのグループ曲は、Aメロ・Bメロはメンバーがソロで歌って、サビがみんなでユニゾン(複数の歌手が同じ旋律を歌う)という構成が多いと思います。だから、自担(ジタン=推しメン)の声が聞き分けられるのが何より大事。誰と誰のユニゾンかが分かるとうれしいかも。
田中さん:ファンはそれをツイッターで議論してます。ライブでやらないカップリング曲が特に難関で……。
木下さん:歌うパートは詳しく公開されていないので、本人たちがラジオで話したり、テレビの音楽番組に出演したとてきに映像を見て初めて分かることもあります。メンバーの声質が似ているSnow Manは分かりづらいので、いいイヤホンなら今までの謎が解明するかも(笑)!
それでは、3人に持ち寄ってもらったお気に入りの楽曲CDをアイ・オー・データ機器の「CDレコ5」を使ってiPhoneに取り込み、4つのイヤホンを順番に聴いてもらいましょう。3名の「課題曲」はこちらです。
安部さん:Hey! Say! JUMPのアルバム「Fab! -Music speaks.-」から3曲目の『狼青年』
田中さん:Hey! Say! JUMPのアルバム「Fab! -Music speaks.-」から1曲目の『Fab-ism』
木下さん:SixTONESもアルバム「1st」から3曲目の『Special Order』
■オーディオテクニカ「ATH-CK1TW」:澄み切ったミネラルウォーターみたい
さっそく、ATH-CK1TWが安部さんの好みにヒットしたようです。
<安部さんのコメント>
「全然違いますね! 音が澄んでます。今まで飲んでいたカルキっぽい水道水が自然のミネラルウォーターに変わったぐらい(笑)。とても音がクリアに聴こえます。もう前の水に戻りたくないなぁ…。7,000円台ならすぐに買っていいかも」
安部さん:私は「見た目がいいもの」が好きなんです、ジャニーズファンなので(笑)。好きなイヤホンのデザインは人それぞれだと思うんですけど、私はこれとこれ(ATH-CK1TWと、WF-1000XM4のブラック)がかわいいと思います。ピンクゴールドっぽいワンポイントのカラーと、やわらかい感じのデザインに惹かれますね。理想を言えばピンクか、または自分が推している八乙女くんのメンバーカラーがイエローなので、どちらかの色のイヤホンがあればもっとテンションが上がりそうです。
田中さん:私はいつもオーディオテクニカのイヤホンを使っているので、あまり違いが分かりませんでした。いつものヤツだなみたいな(笑)。でもキラキラとした星みたいな効果音がめっちゃ聞こえます。
安部さん:『Fab-ism』は童話をテーマにした曲だから、それはいい表現ですね。
木下さん:私は良くも悪くも「めっちゃふつう」な感じがします。でも、いつも使っているイヤホン(EarPods)よりも低い音がしっかりと聞こえて良いかも。変なクセがないから聴き疲れしないと思う。
■ビーツ「Beats Studio Buds」:ライブにとても近い印象
ビーツのイヤホンを推してくれたのは木下さんです
<木下さんのコメント>
「聞こえてほしい音をぜんぶ拾ってくれてます。ライブの演奏にすごく近い印象。躍動感があって楽しくのめり込めます!」
木下さん:SixTONESはメンバー全員が歌うし、歌も上手。ノイズキャンセリング機能をオンにすると声の力強さが伝わってくるし、ライブ感もいっそう高まる感じがしました。
田中さん:ビーツは低音がズンズンと響く感じが少し強くて気になりました。でもライブ感は確かにありますね。
安部さん:イヤホンが小さくてフィット感はいいですね。ノイズキャンセリングイヤホンは人生初体験なので、ちょっと驚きました。エアコンの音が聞こえなくなりますね。音楽再生を始めてしまうとまったく気になりません。音の印象は、私はちょっと高音が尖っているような感じがしました。低音はオーディオテクニカのイヤホンよりも少しこもっている感じかな……。ちょっと悪い言い方ですが、私の好み的にはなんか勝手な味付けをされたっていう印象があります。
■アップル「AirPods」:“いつものイヤホン”と同じ安定感
安部さんと木下さんがアップルのイヤホンをふだん使いにしているためか、AirPodsには「いつも感」がやや強く出たようです。
木下さん:いつも聞いているイヤホンに近いので定番感はあります。ビーツのあとに聴くと楽しい感じがもの足りない気もしますが、聴きなじみしやすいし、むしろこれがナチュラルで正解なんだろうと思います。
安部さん:音楽とボーカルが同じボリュームで同じように聞こえてくるフラットな感じがしますよね。
田中さん:私はiPhoneユーザーなので、ワイヤレスのペアリング設定が簡単にできたり、いろんな使い勝手がスムーズなのはAirPodsの良いところだと思います。装着した状態で自然にまわりの音が聞こえるので会話もしやすいし、電話応対も問題なさそう。仕事をしながらでも使えるかも。
■ソニー「WF-1000XM4」:ユニゾンの声が聞き分けられそう!
ソニーのイヤホンをベストチョイスに選んだのは田中さんです。
<田中さんのコメント> 「おもちゃ箱のようにキラキラとした曲の魅力がとても良く出ていると思います。やさしい「話し声」に近いトーンで歌う有岡大貴くんの声がキレイに聞こえるのがファンとしてうれしい! こんなに歌える声なんだって初めて知りました(笑)。あとは高音域のハモりがキレイですね。山田涼介くんのささやくようなセリフのパートもしっかり楽しめます」
安部さん:キラキラ感にセリフやシャウトなど、エンターテインメント要素が盛りだくさんの曲がとても楽しく聴けますよね。
田中さん:ノイキャン効果で音楽に集中できるので、メンバーの実力にぐっと迫れる感じがします。
木下さん:確かにノイキャンがすごい! 音もいちばんクリアでキレイですね。ボーカルの声がとても聴きやすいので英語詩が分かる。英語のリスニング能力も上がりそう(笑)
田中さん:好みで言ったらビーツのライブ感も捨てがたいんですが、総合したらソニーかな。ずっとライブ感だと疲れそうなので。ソニーはバランスが良いと思います。
安部さん:確かにソニーは声が聞きやすいですね。メンバーが一斉にユニゾンで歌ったときに、それぞれの声が聞き分けられる気がします。特に人数が多いグループにはソニーのイヤホンが合いそうです。
ジャニーズファンの「推し」はこんなイヤホンでした
今回、ジャニーズファンの皆さんにイヤホンを聴いていただきながら飛び出したコメントを拾って、「理想のイヤホン」をスケッチしてみました。
- 推しのメンバー、またはグループの「歌声」がクリアに聴けることがマスト。
- ノイキャン、またはイヤーピースによる遮音性能が高いイヤホンは音楽に入り込みやすいので好印象。
- 演奏をありのままリアルに再現するか、ライブ感を盛ってくれるイヤホンかで、大きくタイプと好みが分かれそう。
- そして「見た目」もすごく大事。
好きな音楽を心地よく聴けることのほかにも、イヤホンに求める条件として、「リモートワークのビデオ会議のときなど、仕事でも使えるように良いマイクがほしい」「バッテリーは長持ちしてほしい」「充電ケーブルがスマホと別々になるのはわずらわしい」などの声もあがりました。
同じ事務所に所属するアーティスト同士とはいえ、作品をつくるレコード会社・レーベルは異なっていたりします。だからこそ「ソニー系レーベルのグループのファンだと、なおさらソニーのイヤホンを買いたいという思いが強くなるかも」と口をそろえた皆さんの発言に、林編集長と筆者は思わずひざを打ちました。
今回は4機種すべて左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンを聴いてもらいましたが、「通勤通学、またはスポーツで体を動かすときに落とす心配が少ないネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンが安心」という声が強くあったことも紹介しておきます。
集まっていただいたジャニーズファンの皆さんに、「4つ違う製品をいっぺんに聴いてみると、いろんなイヤホンを聴き慣れていなくても発見があったよね」と喜んでもらえたことが、筆者としては何より幸いでした。次の機会があったら、今回とは違うイヤホンや「声優ボイス」を試してみたいですね。編集長、どうすか?