大切な記念日旅行。温泉好きのカップルやご夫婦なら、「一緒に温泉に入って疲れを取りたいし、せっかくなら、旅をきかっけにもっと仲良くなりたい……」そう願うのではないでしょうか?
そんな時におすすめなのが、星野リゾートが全国に手掛ける温泉旅館ブランド「界」。中でも、石川県にある「界 加賀」は、そぞろ歩きが楽しい山代温泉にあり、ラグジュアリーな湯治にプラスして、旅先で気軽に楽しめるポイントがいっぱいです。
今回は温泉大好きな筆者夫婦が、「界 加賀」の「ふたりの気晴らし湯治プラン」を利用して、1泊2日の山代温泉“湯治デート”を体験してきました!ステキな記念日を過ごしたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
【12:30】そぞろ歩きが楽しい「山代温泉」に到着
加賀温泉郷の入口にあるJR「加賀温泉」駅からバスorタクシーで、約10分。山代温泉は開湯1300年の歴史を持つ、北陸屈指の温泉地です。
その歴史は古く、一羽のカラスが水たまりで羽の傷を癒しているところを、高僧・行基が見つけたのが始まりだと言われています。
しかし、カラスと言っても、どこにでもいるカラスではありません。開湯のきっかけを作ったカラスは、伝説の三本足を持つ霊鳥「ヤタガラス(八咫烏)」!
そして、「ヤタガラス」が山代温泉に欠かせない存在だということは、街をそぞろ歩きすれば、すぐに分かります。
というのも、山代温泉の公式キャラクター「すぱクロくん」の正体は、ずばり「ヤタガラス」。さまざまなお店で「すぱクロくん」グッズを見つけたり、案内板に三本足のカラスが描かれていたり。「ヤタガラス」を探してみるのも、山代温泉ならではの楽しみ方です。
【13:00】「ギャラリー & ビストロ べんがらや」でランチデート
「界 加賀」のチェックインは、15時から。少し時間があるので、ランチを食べに山代温泉で人気のお店へ向かいます。
「ギャラリー&ビストロ べんがらや」は、ランチもスイーツもご当地感たっぷりのお店。山代温泉通りでも、ひときわ目立つ赤茶色の「べんがら格子」が目印です。
筆者が注文したのは、見た目も上品で華やかな「温泉丼」。アツアツご飯の上に、トマトに、大根に、れんこん……と、とにかくお野菜がたくさん!口に含むと、甘海老の塩麹漬けととろ~り温泉卵が混ざり合い、体に優しく滋味深い味わいです。
そして主人は、べんがらや名物のおひつ膳を注文。桶に入ったご飯は、加賀五目・鮭・明太子・梅干ちりめんの4種から選べます。「うーん、どれにしようかな……」悩んだ末、今回は加賀五目を。
ご覧いただいて分かるように、このメニューはご飯がメインの献立てです。石川県産の契約米コシヒカリに、好きなご飯のお供をのせて。まずはそのまま楽しんだら、次に急須の玄米茶をかけて、お茶漬けにします。
サラサラ食べられるうえに、薬味を変えれば、また違った味わいに。白米のボリューム満点ですが、最後まで飽きずに美味しく食べられますよ。
ちなみに、こちらのお店は、山代温泉で有名な温泉旅行「葉渡莉(はとり)」や「瑠璃光(るりこう)」の姉妹店。メニューの監修は、「葉渡莉」の料理長が行っていて、かなりの本格派です。
さらに、スイーツも地産地消を忘れていません!
札幌市に「シメパフェ」があるように、加賀市にも「地産地消5層パフェ」があります。加賀パフェは、毎年、内容が変わるため、何度訪れても楽しめるメリットが(※コロナ禍の影響で、2021年は昨年と同様)。
こちらのお店の加賀パフェは、というと……
なんと「会席料理」がキーワード。「葉渡莉」料理長考案のスイーツらしく、一番上は「先付(さきづけ)」から始まって、食べ進めるにしたがってデザートになるという、遊び心たっぷりの内容になっています。
農家さんから直接仕入れたフレッシュな地元野菜、大根の砂糖漬け、ブロッコリーや加賀野菜「味平かぼちゃ」のアイスなどなど、「これがパフェに!?」と驚くようなものばかり。しょっぱい要素と甘い要素のバランスが絶妙で、大満足です!
【14:00】気軽に入れる、山代温泉の源泉足湯へ
ランチの後は、温泉街中心部にある「源泉公園」へ向かいます。公園の中で人々を楽しませてくれる、この足湯。1300年もの歴史を誇る山代温泉の源泉が流れていて、誰でも無料で楽しめます。
ここは、温泉を飲む「飲泉」も可能ですが、湯口の温度が64度もあるので要注意。フーフー冷ましてから、飲んでみてください。
泉質はナトリウム、カルシウム一硫酸塩、塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)。この温泉を飲むことで、慢性便秘や肥満症などに効能があると言われています。
【15:00】界 加賀にチェックイン
足湯でじんわり体が温まったら、いよいよ「界 加賀」へチェックイン。
エントランスがある「伝統建築棟」は、歴史ある老舗温泉旅館「白銀屋」をリノベーションしたもの。こちらは江戸時代に加賀藩主も逗留した由緒ある建物で、伝統建築棟部分をそのまま活かした、凛とした佇まい。その背後に建っているのが、8階建てのモダンな「宿泊棟」です。
「界 加賀」の前身となる「白銀屋」は、1624年(江戸時代)に創業して以来、多くの文化人を迎えてきました。
その中でも有名なのが、陶芸家であり美食家としても知られる芸術家・北大路魯山人。魯山人自ら「白銀屋」に好んで逗留し、九谷焼を焼いたり、書をしたためたと言われています。
「界 加賀」ではそんな北大路魯山人の作品を、浴衣姿でゆったりくつろぎながら鑑賞できるのがポイント。
温泉もアートも、日常のストレスから開放してくれますよね。その両方が叶うのが「界 加賀」なんです。
「界 加賀」に来たら、お部屋でも“伝統工芸品に触れられる”楽しみが待っています。
お部屋番号が書かれたプレートも九谷焼。それぞれお部屋ごとに違うデザインが施されているんですよ。
それでは、お部屋の中も見ていきましょう。
ベッドのフットピローには「加賀友禅」、ベッドの背後には可愛らしい「加賀水引」、そしてリビングスペースの壁には「山中漆器」のオブジェが飾られ、加賀の文化を存分に楽しめる造りになっています。
伝統工芸を楽しんだ後は、お部屋の露天風呂で至福の湯浴みタイム!大浴場は入れる時間が決まっていますが、ここはマイ露天風呂。24時間好きな時にざぶん……できます。
ちなみに「界 加賀」は、露天風呂付きの客室が3割を占めています。予約が取りやすいのも嬉しいですね。
温泉に入って、ほっとリラックス……。湯上がりは、客室でおこもりしながら「ふたりの気晴らし湯治プラン」を楽しみましょう!
このプランには、二人の仲をぐっと深められる“2つの特典”があります。
1つ目は、地酒を楽しむサービス「湯上がりBARタイム」。「界 加賀」の「湯上がりBARタイム」では、お部屋にいながら、石川の地酒、菊姫の「男酒」と「女酒」の飲み比べを楽しめます。
力強い味わいの男酒と、ふくよかなお米のうまみを感じられる女酒。
「どっちが好き?」そんな風に地酒を飲み比べれば、幸せも倍増。二人でホワホワほろ酔いになれて、会話に花が咲きますよ!
もう1つは、二人で一緒に体と心のコリをほぐせる「界の温泉ペアストレッチ」。
このプランを申し込むと、イラスト付きの指南書を渡してもらえます。
二人でストレッチをするメリットは、自分では伸ばしにくい部位を伸ばすことができること。一人で行うよりもしっかり体が伸びて、気持ち良さも違います。
「どう?ここまで伸ばすと、痛い?」そうやって声を掛け合いながらストレッチをすれば、二人の距離も縮まって、旅の良い思い出になります。
夕食まで時間があるときは、お庭を眺めてリフレッシュしましょう。
「界 加賀」には、歴史ある「伝統建築棟」とモダンな「客室棟」をつなぐ3つの庭(前庭・中庭・茶庭)があります。
椅子もたくさん用意されているので、好きな場所を見つけて、ゆったりお庭を眺めてみてください。ここで過ごす贅沢な時間が、心と体を優しくリセットしてくれますよ。
夕食は、プライベート感のある半個室スペースで。美しい器に、手の混んだ会席料理が入っていて、スタッフが一品一品、絶妙なタイミングで運んできてくれます。
特に、九谷焼で出来た可愛らしい小箱入の「八寸」は、目も舌も喜ぶ逸品!旅の最大のお楽しみ「食欲」が大いに満たされます。