ラクオリア創薬と久光製薬は12月20日、ラクオリア創薬が創製した新規ナトリウムチャネル遮断薬に関するライセンス契約の締結について合意したことを発表した。
ラクオリア創薬は、名古屋市に研究拠点を有する研究開発型のベンチャー企業。同社が創製した新規ナトリウムチャネル遮断薬であるRQ-00350215(以下「本化合物」)は、痛み信号の伝達に関わる特定のナトリウムチャネルの機能を選択的に遮断することにより、既存の薬剤では十分な鎮痛効果が得られない慢性疼痛に対する画期的な新薬となることが期待されている。
ラクオリア創薬と久光製薬は共同で、新規ナトリウムチャネル遮断薬を含有する経皮吸収型薬剤の開発に関する提携の可能性と、本化合物を含む新規ナトリウムチャネル遮断薬の候補となり得る化合物群について、有効性、安全性、薬物動態、皮膚透過性といったさまざまな特性の評価を進めてきた。
その結果、本化合物が最も適した開発候補化合物として選定。化合物群の評価・検討が順調に進展したことから、並行してライセンス契約の協議を進め、この度締結について合意した。
今回のライセンス契約に基づき、久光製薬は本化合物の全世界を対象とした独占的な開発・製造・販売権を取得。ラクオリア創薬に対して契約一時金6億円を支払い、ラクオリア創薬は今後の開発段階に応じたマイルストンとして、最大で約30億円を受領する可能性があるという。また、本化合物を含有する医薬品の商業化が成功した場合、ラクオリア創薬は販売ロイヤルティとして一桁台後半の一定料率のロイヤルティのほか、販売額に応じた販売マイルストンとして最大で百数十億円を受け取る権利を得るとのこと。
今後、久光製薬は本化合物を含有する新たな疼痛治療薬の開発を前臨床試験段階から実施。久光製薬が強みを有する経皮吸収型薬剤の開発を進め、前臨床試験を経て臨床開発を行うことを計画している。
両社は今回のライセンス契約を通じて、疼痛領域におけるパイプラインのより一層の充実を図るとともに、慢性疼痛の新たな治療選択肢を提供することで、患者のQOLの向上に一層貢献できるよう努めていくという。