ToLicoは12月21日、「子どものプログラミング学習」に関する調査結果を発表した。調査は11月26日~11月27日、小学生の子どもを持つ親1,004人を対象にインターネットで行われた。
9割の親は子どものうちからプログラミングに触れさせるべきだと考えている
はじめに、自身のプログラミング学習への考えに関して調査を行った。
「自身がプログラミング教育を受けることができなかったことに対して、悔しい(受けたかった)と思ったことはありますか? 」と質問したところ、3割が『ある(32.4%)』と回答。
また、「プログラミングは、将来役に立つと思いますか? 」と質問したところ、8割以上が「思う(83.9%)」と答えた。
さらに「子どものうちからプログラミングに触れることは必要だと思いますか? 」という質問に対しては、「とてもそう思う(40.5%)」「少しそう思う(53.2%)」と9割以上が必要だと思っている結果に。手に職をつけることは将来就職する時の強みにもなり、役に立つと考えている人が多いようにうかがえる。
プログラミングが必要だと思う理由を聞くと、「出来る事が増えるのは将来の可能性が広がりそうだから(30代/女性/パート・アルバイト)」「子どもの頃の方が柔軟に知識を吸収出来そう(30代/男性/会社員)」「将来、プログラミング能力なしでは生きていけなさそう(40代/女性/会社員)」「将来SEの職に就かないとしても、思考の方法としては役立つと思うから(50代/女性/会社員)」といった声があがった。
子どもへのフォローや学校の教育レベルの疑問が親の不安に
次に、学校のプログラミング学習の内容についてどの程度把握しているのか、また、不安に思っていることなどの調査を行った。
「小学校でのプログラミング学習の内容について、どれくらいご存じですか? 」と質問したところ、6割以上が「あまり知らない(42.4%)」「全く知らない(22.6%)」と回答。プログラミング学習について興味を持っているものの、学習内容は把握していない人が多いことがうかがえる。
また、「お子さんが小学校でプログラミング学習をすることに対して不安はありますか? 」と質問したところ、3割の親が「とても不安(4.3%)」「少し不安(27.8%)」と回答。
具体的な不安材料としては、「学校の授業だけで良いのか(53.4%)」との回答が最も多く、次いで「自分の子どもがついていけるのか(45.7%)」「学校の先生のプログラミングの教育レベルは十分なのか(39.1%)」と続いた。子どもにどのようなフォローが必要なのか、また、教師に対する教育レベルの疑問といった不安があるように見受けられた。
8割の親が大学共通テストへの科目追加を「知らなかった」
高校の授業では「情報教科」が新しく科目として追加され、2025年からは大学入学共通テストにも追加されることになった。
そこで、「2025年から大学入学共通テストで“情報教科”が追加されることをご存じですか? 」と質問したところ、8割以上が「知らない(83.1%)」と回答。非常に多くの親が、2025年の大学入学共通テストに情報教科が追加されることを把握していないことがわかった。
科目追加に関して、不安なことを聞いたところ、「プログラミング学習についていける教諭の育成がそんなに短期間にできるのか。教えることができるのか。保護者としては不安不満に感じます(30代/女性/公務員)」「勉強しなければいけないことが多くなり、部活など他のこととの両立ができるか、勉強内容についていけるか(40代/女性/専業主婦)」「どのように親がサポートしてあげられるか不安(40代/男性/公務員)」「学校によってICT環境の格差がある可能性があるのではないか。学校の環境に左右されず、家庭でも子どもの能力を伸ばせる工夫を取り入れていかねばならないと考えます(40代/男性/会社員)」などの回答が寄せられた。
また、「小学校の授業以外でのプログラミング学習の場があれば、利用したいと思いますか?」と質問したところ、7割以上が「とてもそう思う(17.3%)」「少しそう思う(53.5%)」と回答。外部で学ぶ場があれば利用したいと考える親が多いことがわかる。
今回の調査で、プログラミングは将来役に立つので、今のうちから触れさせておく方がよいと考えている親が多いことがわかった。しかし、小学校のプログラミング学習について内容を把握している人は少ないようだ。また、プログラミング学習について子どもがついていけるのか、教育レベルは十分なのかといった不安を持つ人も多い。
また、2025年から大学入学共通テストで情報教科が追加されることについては決まっているが、そのことを知らなかった親が多く、科目が増えることや、教育環境への不安を持っているようである。こうした不安から、小学校の授業以外でプログラミングを学べる場があれば、子どもに学ばせたいと考えている人は多いようだ。