JR東日本は21日、JR東日本研究開発センター(さいたま市)に実験棟を建設し、新しい試験装置「台車性能・耐久試験装置」を導入すると発表した。新しい試験装置「台車性能・耐久試験装置」は2024年夏頃の使用開始をめざすとしている。
JR東日本研究開発センターには研究員が業務を行う研究棟の他に、試験装置や設備を有する実験棟1・2と台車試験棟、スマートステーション実験棟がある。実験棟に関して、2003年から使用している台車試験装置の老朽取替と新たな研究開発のニーズに対応するため、新たに実験棟を建設するとのこと。工期は2021年11月26日から2023年7月頃までを予定している。
新設の実験棟では、新しい試験装置「台車性能・耐久試験装置」を導入。現在、高速で走行する新幹線車両の台車を開発するにあたり、台車試験装置を使用し、本線走行前に台車と台車部品の性能と信頼性を確認している。一方、高速試験電車「Fastech360」(360km/h域での営業走行をめざして製作。2009年6月まで各種走行試験を実施)に向けた台車開発の際、走行速度が大幅に向上することから、本線走行前に台車試験装置による長期耐久試験を台車開発手順に導入したという。
近年は新幹線の高速化にともない、走行性能試験だけでなく耐久試験のニーズが高まってきたことから、より本線走行に近い条件で耐久性を評価できる「台車性能・耐久試験装置」を導入が決定。2024年夏頃の使用開始をめざすとのこと。
新たな試験装置は、耐久試験装置として装置各部の耐久性向上を図るとともに、装置と試験用台車の常時遠隔監視を行い、オペレータの負担を大幅に軽減する。高速台車の起動時における耐寒性に関する試験も実施可能な構成としている。