アウトドアブランドを中心に高機能な街着が幾つも登場しています。最近では、作業着のワークマンも「高機能・低価格」をウリにして話題ですよね。
そんな中、元祖? 高品質・低価格のユニクロが新ラインアップ「+S(プラスエス)」を先ごろ発売。スポーツと日常の境目を無くした高機能ウェア「SUW(スポーツユーティリティウェア)」がコンセプトという同シリーズを試着&体験してきたので紹介します。
アスリートと共同開発
+Sには3つの意味があり、
+Sports:スポーツを楽しみたい全ての人のため
+Sweden:スウェーデンのトップアスリートと共同開発
+Sustinability:サステナビリティの要素をもつラインナップ
が開発の軸となっています。
そして今回は「21FW」ということで、冬のスポーツを念頭に展開。例えば撥水・耐久撥水加工、新素材「ウルトラストレッチドライ」などの機能性、軽量化かつ中綿を抜けにくくした「ライトパデッド」などの快適性、手洗いで洗濯が可能な粒中綿素材などの汎用性が特徴になるそうです。
実際、筆者が試着した「ライトパデッドストレッチジャケット +S」(9,990円)を例にすると、小雨の中でも気にならないほどの耐久撥水性を発揮していました。
街中で活躍しそうなカラー
今回は前述したジャケット以外に、「ライトパデッドストレッチショートパンツ +S」(5,990円)、「ウールブレンドドライ Tシャツ(長袖) +S」(2,990円)、「ウルトラストレッチドライ Tシャツ(長袖) +S」(2,990円)、「ウルトラストレッチサイドファスナーパンツ +S」(4,990円)、「ウルトラストレッチドライタイツ +S」(2,990円)の6アイテムがウェアとして登場しています。
機能性の高さだけでなく、日常のスポーツやトレーニング、登山などあらゆるシーンを想定しているためデザインもシンプルで使いまわしがききそうなのも特徴です。ブラック、ネイビー中心に展開しているのも、街着として活躍しそうな気がしました。
大容量バックパックも登場
またウェア以外にも、「ファンクショナルバックパック +S」(5,990円)が用意されています。止水ファスナーと撥水加工を施し、アウトドアでも日常でも使いやすい35lの大容量バックパックです。
ショルダーベルトはアジャスタ付きで、使う人の身長や体格に応じて調整可能となる他、PCスリーブを始めとする機能ポケットをバッグ内外に8つ装備するなど、通勤バッグとしても選択肢の一つになりそうですね。
高尾山でフィールドテスト
それでは実際に使ってみましょう。今回はアンダーウェアとして、ウルトラストレッチドライTシャツ、ウルトラストレッチドライタイツを着用し、アウターとしてライトパデッドストレッチジャケット、ライトパデッドストレッチショートパンツを選んでいます。また、ミドルウェアにはフリースジャケットをチョイスとなります。
今回は高尾山と逆側にある裏山をハイキングする1時間弱のコースで機能性を試します。当日は小雨がぱらつき気温はひとケタ、風はなくても寒い環境でした。
まず快適だったのは汗による「冷え」を感じないこと。ドライ機能が効果的に働き、足場の悪い山道を上下して汗をかいても不快感がなく、安定して「サラッとした状態」を維持できています。また、ストレッチ機能も秀逸で、特にタイツは足の運びを邪魔せず、スムーズに動かすことができるのでストレスを感じません。
筆者が趣味のスノーボードをする際に着用するタイツ、保温性は高いのですが、締め付けが窮屈だと思うこともあるのですが、本製品にそれは無かったですね。
一時間弱のコースでしたが、最後まで快適な状態で過ごせて、機能性の高さを実感しました。なお参考までに、170cmの筆者でアンダーウェアはともにMサイズ、アウター上下はSサイズを着用していますよ。
通勤やウォーキングで活躍
本シリーズは前述したように、スウェーデンのアスリートと共同開発された製品。同国を含め北欧はサステナビリティへの関心が高いため、こちらのすべての商品もサステナブルな要素が反映されています。
それは「ジャケット&パンツはユニクロ初となる、ペットボトルから作られるリサイクルポリエステルの粒中綿を使用」「その他製品も回収したペットボトルから作られたリサイクルポリエステルを使用」「フッ素を使わない撥水加工」などです。
スウェーデンのアスリートと共同開発、と聞くとスペックに注目しがちですが、「本シリーズは競技ウェアではありません」、と広報を担当する小笠原一郎さんは説明します。
「スウェーデンのオリンピック・パラリンピックの選手たちが、オリンピック村で過ごしたり、表彰式に参加したりする時に着用したウェアが本シリーズです。運動でも使える機能性を持っていますが、例えば通勤やウォーキングなど日常生活での利用を想定しています」
実際、スウェーデンの選手たちは明るいブルーのものを着用していましたが、一般販売にあたり黒やネイビーに変えたのも、日常利用を意識してのことだと言います。
またウェアだけでなく、バックパックも同様の考え。イマドキの若い選手たちはパソコンを常に携帯してSNSで情報発信するので、彼らが普段使いやすいように「ノートPCがきちんと入るポケット」を用意するなどしたそうです。
「通勤バッグを特に意識して開発していませんが、スペック的には十分対応します。私自身、仕事終わりにフットサルをする際の着替えや会社のノートPCをこれに入れていますね」
落ち着いたカラーリングと機能性、SUWのコンセプトである「スポーツでも街着でも境目なく使えるウェア」を具現化し、何より「ちょうどよいバランス」を保っているのがポイント。
平たく言うと「ハイスペック過ぎない」ことです。例えば、アウトドアブランド製品の「南極でも寒くない」スペックは凄いけど、そんな過酷な環境に行く人は少数でしょう!
その点、会社帰りのアクティビティ、自転車で通勤、一泊二日の近接旅行など、日常生活のそこかしこで、本シリーズは活躍するのではないでしょうか。
●information
ユニクロ21FW「+S」
発売日:12月13日~
※「ウールブレンドドライ T シャツ(長袖) +S」のみ12月20日~発売予定
販売予定店舗:国内11店舗で販売
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