住宅ローンを組む上で大切なことは、月々の返済額と返済期間。借り入れ金額にもよりますが、頭金なし、あるいは少額の頭金でローンを組んだ場合や、ローンを組み始めた年齢が遅かった場合、定年後も支払いが続く場合も……。ローン完済の年齢が、75歳という人も珍しくはありません。そこで今回は住宅を購入した経験がある40代のマイナビニュース会員に、「住宅ローンの完済年齢」について聞いてみました。

Q.住宅購入の際、住宅ローンは組みましたか?

・「はい」……55.2%
・「いいえ」……44.8%

住宅購入経験があるマイナビニュース会員に、購入の際に住宅ローンを組んだか尋ねたところ、55.2%が「はい」、44.8%が「いいえ」と答えました。住宅ローンを組んでマイホームを購入した人の方が、やや多い結果となりました。

Q.何歳で住宅ローン完済予定ですか?

1位 40代のうちに完済予定……30.1%
2位 60歳以上~65歳未満……17.8%
3位 50歳以上~55歳未満……14.5%
4位 55歳以上~60歳未満……14.1%
5位 70歳以上~75歳未満……10.1%
6位 65歳以上~70歳未満……9.8%
7位 75歳以上……3.6%

何歳で住宅ローンを完済予定であるか尋ねたところ、30.1%は「40代のうちに完済予定」と回答しました。次いで「60歳以上~65歳未満」が17.8%、「50歳以上~55歳未満」が14.5%、55歳以上~60歳未満が14.1%と続き、8割は定年を意識してか65歳までに完済すると答えています。一方、75歳以上までローンを支払わなくてはならない人も3.6%いました。

  • 何歳で住宅ローン完済予定ですか?

Q.60歳以降、どのように住宅ローンを返済していく予定ですか?

1位 働き続けて返す……70.2%
2位 退職金を返済にあてる……19.3%
3位 老後資金を切り崩す……5.3%
4位 その他……5.3%

60歳以降もローンが残っている人に、どのように住宅ローンを返済していくか尋ねたところ、圧倒的に多かったのは「働き続けて返す」でした。「退職金を返済にあてる」は19.3%で、「老後資金を切り崩す」に至ってはわずか5.3%です。老後生活の生命線とも言える「年金」を切り崩すという回答は0%。老後資金や年金には手を付けず、働けるうちは働いて返済したいと考える人が多いようです。

  • 60歳以降、どのように住宅ローンを返済していく予定ですか?

Q.60歳以降も働き続ける予定ですか?

・「はい」……85.1%
・「いいえ」……14.9%

60歳以降も働き続けるか聞くと、「働き続ける」という回答が圧倒的でした。長い間務めた会社を定年退職したら、退職金をもらって悠々自適な生活を……なんて考える人が多いのかと思いきや、実際は働きたいと考える人が多数派でした。その理由とは、どういったものなのでしょうか。

  • 60歳以降も働き続ける予定ですか?

Q.(60歳以降も働き続けたいと答えた人に)その理由を教えてください

老後の生活資金が心配だから

「老後の生活資金が心配だから」(男性/47歳/奈良県/その他/その他・専業主婦等)
「老後の資金をそれまでに確保できそうにないから」(男性/40歳/滋賀県/食品/その他・専業主婦等)
「生活資金を調達するため」(男性/47歳/神奈川県/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
「年金では生活できないから」(男性/41歳/岩手県/広告・出版・印刷/営業関連)
「お金が無い」(女性/46歳//その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)
「働かないと生活できないと思うから」(男性/49歳/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

多かった回答は「老後資金が心配だから」というものでした。テレビやネットで話題となった「老後2000万円問題」で、自らの老後資金に危機感を抱いた人が多かったのかもしれません。「2000万円」などと具体的な金額が出てしまうと、いくら年金が支給されるとはいえ不安ですよね。

60歳以降もローンが残っているから

「住宅ローンの返済があるから」(男性/46歳/神奈川県/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)
「ローン返済が残っている限り働く」(男性/48歳/沖縄県/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
「働かないと返せない」(男性/42歳/兵庫県/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

35年の長期間の住宅ローンを組んだ人の中には、60歳以降も返済が続く人もいることでしょう。定年を迎えたのでゆっくりしたいとは思っているけれど、住宅ローンが残っているので働かざるを得ない人も多いようです。

働くのが好き、生きがい、健康のため

「生き甲斐のため」(男性/49歳//建築・土木関連技術職/個人事業主・会社役員)
「健康のため」(男性/44歳//技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)
「ぼけないために働く」(女性/46歳/その他/その他・専業主婦等)
「仕事が好きだから」(男性/41歳/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

年金も支給されるし、退職金もある。住宅ローンの支払いにもある程度目処が付いているし、経済的な心配もないけれど、元気なうちは働きたいと考える人も多くいました。「仕事が好き」「健康のため」という意見も目立ちました。

定年が延びたから

「定年が65歳だから。定年後もある程度の収入を確保したいので、体が丈夫なら働きたい」(男性/44歳/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
「定年が延びたから」(女性/46歳/その他/その他・専業主婦等)
「自営業なので退職はない」(女性/48歳/その他/その他・専業主婦等)
「自分が辞めると決めるまで働き続ける事が出来る会社だから」(男性/45歳/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

2025年4月から定年が65歳に延長されます。そのため、特に早期退職する理由がなければ、そのまま定年を迎える65歳まで働くという人もいました。定年の年齢が定められていない企業や、定年後も長く働ける再雇用制度が整備されている企業で働く人の中には、60歳以降も働き続けたい人は多いのではないでしょうか。

人生100年時代だから

「今時、働くのは普通でしょう」(男性/45歳/その他技術職/会社員・公務員・団体職員)
「人生100年時代だから」(男性/44歳/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
「生涯現役でいたいと今現在は思っています」(男性/47歳/その他/会社員・公務員・団体職員)

「今時、定年後も働くのは当たり前」という意見も。今は60歳といえどスタミナとエネルギーが満ち溢れている人が多いので、リタイア後、即隠居というケースは少ないのかもしれませんね。

働くという意見が大多数の中、「働かない」とキッパリ言い切る人も。いったいどのような理由からなのでしょうか。

働かないという意見

「老後はゆっくりしたいので」(男性/44歳/IT関連技術職/会社員・公務員・団体職員)
「仕事をしたくないから」(男性/44歳/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
「資産が潤沢なので」(男性/41歳/その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)
「定年前にはローンを完済したいと思っているので」(男性/44歳/IT関連技術職/個人事業主・会社役員)

多かった理由は「仕事したくない」「働きたくない」でした。現役時代はずっと働き詰めだったので、定年後はゆっくりしたいという気持ちが強いのかもしれません。住宅ローンの支払いが終われば、あとは最低限の生活費が確保できれば暮らしていくことは可能です。年金でその分をまかなうことができれば、あくせく働くことなくのんびり暮らすこともできますよね。

まとめ

40代の場合、住宅ローンの支払い終了の時期は「40代で終わらせる」が最多回答。そのほかも「65歳まで」を目処に完済を目指したいという意見が目立ちました。65歳以降にも支払うことを予定している人もいましたが、多くは「60歳以上になっても働く」「働いてローンを返し続ける」と答えており、年金や老後資金を返済に充てると回答した人はわずかでした。

住宅は購入したら終わりではなく、戸建てだったら壁や屋根などのメンテナンスも必要。いつ故障や修理が発生するかわからないので、そのための蓄えもしておきたいものです。集合住宅であれば毎月の修繕積立費や管理費もかかるので、ローンが終わっても住宅に関する支払いがまるっきりゼロになることはありません。家には何かとお金がかかるからこそ、働ける限り頑張りたいと考える人が多いのかもしれませんね。

調査時期:12月2日
調査対象:40代までのマイナビニュース会員
調査数:500名
調査方法:インターネットログイン式アンケート