公開初日を迎えた映画『仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』の舞台挨拶が17日、ユナイテッド・シネマ豊洲にて開催された。ステージには『仮面ライダーリバイス』の主要キャストと『仮面ライダーセイバー』内藤秀一郎、山口貴也、映画ゲストの中尾明慶、藤岡真威人、そして本作のメガホンを取った柴崎貴行監督がファンの前に姿を見せた。
本作は、現在好評放送中の『仮面ライダーリバイス』と、今年8月に終了した『仮面ライダーセイバー』の各キャラクターが豪華コラボを果たすほか、第1作『仮面ライダー』放送50周年を記念する意味で、50年前の1971年、現代の2021年、そして50年後の2071年という3つの時代をめぐる壮大なスケールの物語が描かれる。100年の時間と空間をまたいで仮面ライダーリバイと仮面ライダーセイバーたちが、世界の平和を脅かす最凶の悪魔ディアブロの野望を防ぐため、命をかけた戦いに挑んでいく。
五十嵐家の長男、仮面ライダーリバイ/五十嵐一輝を演じる前田拳太郎は「よーし、一気に行くぜ!」と一輝の決めゼリフを叫びながら挨拶。公開初日を迎えた心境をMC(寺迫麿)から尋ねられると「いつも応援してくださるファンの方たちと初めて会うので、今日という日をすごく楽しみにしていました。緊張していますが、楽しいという気持ちが勝っています」と、『リバイス』が始まってから初めて直接ファンの前に姿を見せることのできるうれしさを素直に語った。
一輝の弟で、デッドマンズと戦う組織フェニックスの隊長を務める仮面ライダーライブ/五十嵐大二を演じる日向亘は「大事に決めようか!」という決めゼリフとともに挨拶。日向も前田と同じく、ファンに直接言葉を届けられる機会が持てたことを喜びつつ「仮面ライダー50周年という節目の作品に出させていただけたのを光栄に思います」と、長い歴史を持つ仮面ライダーシリーズに出演していることを改めて噛みしめた。
一輝、大二の妹で、空手を得意とする現役女子高生・仮面ライダージャンヌ/五十嵐さくらを演じる井本彩花は「サクっと倒すよ!」と決めゼリフを交えて挨拶。大勢のファンから熱い視線を向けられていることについて「本当にうれしい気持ちです。みなさんありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、笑顔を見せた。
悪魔の力を使って人間を仮面ライダーに変身させるシステムを作り上げた科学者、ジョージ・狩崎を演じる濱尾ノリタカは「グレイィィィト!」と劇中のハイテンションぶりを再現しつつ挨拶。大勢のファンの姿を見渡しながら「実際にこうして多くの方たちを前にすると、仮面ライダーが愛されていることが伝わってきて、素直にうれしいです。ふだんSNSなどでお声をいただいているのも励みになっていますが、やはり直接みなさんのお顔が見られると、より励みになります。これからも頑張っていこうと思いました!」と、役柄に似合わぬカタめのコメントを残した。
『仮面ライダーセイバー』からは、水の剣士仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎役の山口貴也が登壇。放送が終了してから4ヶ月、ふたたびブレイズとしてスクリーンに戻ってきたことについては「久しぶりに剣士のみんなと再会して思ったことは『リバイス』のみなさんも同じだと思いますが、キャスト同士はライバルであり、戦友、仲間という意識があります。『セイバー』が終わり、みんな別々な場所で仕事をした後、また集まったとき、すごく『家族』と再会したような心強さを感じました」と、仲間との再会を喜んだことを明かした。そして「映画では、けっこういろんなことをやらせていただきました。僕のオススメは、芽依さんとの関係が(映画で)少し動いたかなと思っているので、そういうところをじっくり観ていただければ」と、映画での倫太郎と芽依(演:川津明日香)との仲がいかなる進展を見せたのか? を見どころとして紹介した。
映画のゲスト、物語のカギを握る「1971年から100年後の2071年に来た男」=百瀬龍之介を演じた中尾明慶は、「今ここでやっと言うことができます。僕、仮面ライダーセンチュリーに変身するんです!」と、予告編の段階では謎だった未来のライダー「仮面ライダーセンチュリー」の変身者であることを発表した。中尾は仮面ライダーになったことについて「人生初の“変身”ですよ! 芸能生活20年以上やってきて、まさか仮面ライダーに変身させていただく日が来るとは思っていなかった。めちゃくちゃうれしかったですね。実はまだ試写を観ておらず、公開されてから息子と一緒に観に行こうと思っています。そんな気持ちになる作品はなかなかありません」と、劇中の龍之介と同じく息子思い、家族思いの一面をのぞかせつつ、仮面ライダー映画への出演を心から喜んでいた。
時空を超えた龍之介は2021年の世界で息子の秀夫に会い、ある重要な使命を果たそうと懸命になる。本作では50年の時をまたいだ龍之介・秀夫の「父子の絆」がドラマのポイントとなった。秀夫を演じたベテラン俳優・古田新太について、中尾は「古田さんはお芝居では安心感がありましたけど、みなさんご存じかと思いますがお酒が大好きで、早朝ロケがあるときは若干酒くさいという(笑)。劇中では自分が父で古田さんが息子でしたけど、ずっと支えていただきました」と、「年上の息子」との演技を楽しそうにふりかえった。
1971年に父・藤岡弘、が体当たりで熱演した『仮面ライダー』の仮面ライダー1号/本郷猛役に起用された藤岡真威人は、つめかけた熱心な仮面ライダーファンを目の当たりにして少々緊張気味に挨拶。初の映画出演、初の舞台挨拶に臨んだ藤岡は、本作の出演が決まったときの気持ちを尋ねられ「まさか自分が仮面ライダーに変身する日が来るなんて夢にも思わなかったので、最初オファーをいただいたときはものすごい衝撃を受けて、父にすぐ報告しました」と、興奮気味に語った。
自身の役については「仮面ライダー50周年という節目のタイミングで、かつて父が演じた本郷猛を演じさせていただくのは、非常に光栄なことだと思いました。ファンの方々から『いつかは仮面ライダーになってほしい』とお声をいただいていましたし、うれしさに加えて責任感など、さまざまな感情が入り混じって撮影前日は眠れませんでした。本日こうして映画がお披露目でき、感無量です」と、映画初日を迎えられたことに喜びを見せた。そして映画の撮影を振り返り、「すでに完成された役柄を演じるわけですから、もう全力でやらせていただくしかないと思いました。試写で自分のシーンを観たときは、言葉がうまく出ないというか……そこはファンのみなさんに観ていただき、感想をお聞きしたいです」と、精一杯の力で演じあげた新しい本郷猛像を、ぜひ劇場で確認してほしいと強くアピールした。
柴崎貴行監督は、本作の本郷猛/藤岡真威人について「すでにお父さんが演じられたキャラクターイメージがある中での『本郷猛』役なので、かなりのプレッシャーがあっただろうし、大変だったと思います。でも真威人くんが演じてくれたことで、僕らがイメージしていた新しい本郷猛像を表現できました。これはお世辞じゃなく、もう少しこの本郷猛を撮っていたいと、クランクアップのとき真威人くんに伝えました。そんな本郷猛を、ぜひたくさんの方たちに観てほしいと思います」と語り、本作の本郷猛に仮面ライダーファンをひきつける強い魅力があると強調した。
イベント途中、当初の舞台挨拶予定になかった仮面ライダーセイバー/内藤秀一郎が急遽ステージにかけつけて、会場を大いに沸かせた。
内藤は「仕事の都合で出られなかったはずでしたが、少し早めに終わりまして『お願いだから(舞台挨拶に)行かせて!』と事務所に頼みまして、よし行こう!となりました。すみません遅れちゃって!」と多忙でありながら、それをものともしないエネルギッシュさを見せ、ファンに明るい笑顔を向けた。
久々の『セイバー』キャストとの再会について内藤は「ファイナルライブステージを経てすぐの映画撮影でしたから、団結力については大丈夫だという安心感がありました」と、1年間の撮影で築いたキャスト同士のチームワークが映画にも活かされていることを強くアピールした。そして映画での飛羽真の見どころについては「一番は、飛羽真がバイスに『約束』の大切さを、けっこう強めに伝えるシーンです。今までは、約束が大事なんだと自分に対して言い聞かせていた飛羽真でしたが、初めて相手に向けて言ったのが今回の映画。そこをしっかり観てください!」と、自身のおすすめシーンを熱く語った。その後、山口からうながされた内藤は、飛羽真の決めゼリフ「物語の結末は、俺が決める!」をポーズつきで披露し、客席のファンから大きな拍手を集めた。
今回の映画でテーマになっている「家族」について、前田は「テレビシリーズでも家族は重要なテーマでしたから、家族を大切にする一輝の思いを映画でも改めて伝えていきたかった。どれだけ時間が開いても、どれだけ距離が離れていても、家族はかけがえのないものだということを、親子で観に来てくださった方たちに伝えられれば」と、優しい笑顔と共に語った。日向も前田の言葉を受けて「親子で楽しめる作品。テレビを応援してくださるファンの方、その家族の人たちみんなに満足してもらえるような作品にしたいと思って取り組みました」と、撮影時に抱いた思いについて話した。井本は「映画では、テレビよりも先にジャンヌに変身するシーンを撮影しています。テレビと映画を同時進行で撮影し、よい経験になりました」と、自身がジャンヌに変身する経緯を知らないまま変身シーンの撮影に臨んだという裏話を明かした。
濱尾は「狩崎には、彼らのような素敵な家族愛というものがなさそう。でも僕自身としては、仮面ライダーという作品にある、家族的なものの中に入れたのがうれしいです」と、仮面ライダーシリーズのキャスト・スタッフ同士の絆の深さを実感しながらコメントした。映画の見どころについては「今回の映画では、2071年の未来に変なおじいちゃんがいたと思うんですけど、彼が存在する時代にも仮面ライダーが愛され続けていればいいなと思いを込めて、演じさせていただきました」と思わせぶりな発言を交えながら、仮面ライダーがこれから先も多くの人々から愛されてほしいと願った。濱尾は続けて「今日は僕の両親も観に来ています。僕は仮面ライダーが大好きな父の影響を受け、俳優を始めました。そして今、50周年という節目の『仮面ライダー』に出演しているのは、ありがたい限りです。家族がテーマの作品というのも、運命を感じます」と、仮面ライダー愛の強さが親譲りだということを改めて強調し、記念作品に出演していることに改めて感謝の意を示した。
内藤は「飛羽真や倫太郎にとっては、ソードオブロゴスの剣士たちが“家族”のようなもの。僕たちは1年間『セイバー』の撮影をやってきて、チームワークの良さが磨かれまくっている。そんな様子が映画にも表れていると思います」と、1年間の撮影を共に乗り越えたかけがえのない仲間たちとの絆を「家族」と称し、胸を張った。山口は「この映画をご覧になるファンのみなさんと、僕たちも“家族”なんだという思いがあります。映画では『昔の仮面ライダー』が何人も出てきます。お子さんだけでなく、お父さん世代もぜひ、いろんな思い出をめぐらせながら観てください」と、幅広い世代の心に刺さる思い出のライダーを映画の中で見つけてほしいと目を輝かせながら語った。
藤岡は映画の見どころについて「いろんな意味で、歴史的瞬間が収められた作品です。観終わったあと、親子の心に残るものがあればいいなと思っています。大きなスクリーンで自分の顔が鮮明に映ることに対して不安はありますけど(笑)、お楽しみいただきたいです」と話し、親子で観てほしい映画だと強調した。
中尾は特撮ヒーロー作品に初めて出演したことにより「女性ファンを獲得したい」という夢を語った。中尾によれば、今まで数多くの作品に出演したが、女性人気をゲットしたことがないのだという。「歴代の仮面ライダーに変身した人は、みんなすごい(人気)じゃないですか。僕とってのラストチャンス。帰りにキャーキャー言われたい! みなさん、ウソでもいいからキャーって言ってください。よろしくお願いします!」と、気合いを込めたコメントを残した。
柴崎監督は、客席いっぱいに集まったファンの応援に感動しつつ「今回の映画は子どもたちやセイバーファン、リバイスファンの方々に向けて作っているんですけど、鉄道ファンや、昭和ライダーを観てきたお父さんたちにも楽しんでもらいたい。幅広い層に響くように作りました。正直、お父さんを泣かせに行っています。ぜひ、かつて仮面ライダーを応援していたお父さん世代にも観てもらいたいです」と、あらゆる世代の仮面ライダーファンに喜んでもらえる作品だということを強くアピールした。
仮面ライダー誕生50年という節目を迎えた今、次の50年に向けてどのような思いを残したいか?という質問について前田は「僕は仮面ライダーになりたいという夢を追って俳優の道に進みました。50年後も、仮面ライダーがいろいろな人に夢を与える存在であってほしい」と答えた。内藤は「これから50年経っても、仮面ライダーが続いていってほしい。そのためには、仮面ライダーを卒業した僕たちも別の現場でしっかり結果を残して、仮面ライダーの名前を広めていかなければ」と、仮面ライダーが永遠に人々の憧れであってほしいと思いを述べた。
最後にマイクを手にした内藤は「今回、映画をご覧になる方の中には『リバイス』は知っていても『セイバー』を知らない、という人もいるかもしれません。劇中で、飛羽真や倫太郎は、とても大事なことをみなさんに伝えようとしています。興味を持たれましたら、ぜひ『セイバー』のテレビシリーズも観てほしいと思います。映画『ビヨンド・ジェネレーションズ』は素晴らしい映画になりましたので、たくさんの方に観ていただけるよう、宣伝をよろしくお願いします!」と、大勢のファンたちに応援を呼びかけた。前田は「まさか自分がこんなにたくさんの方たちの前でしゃべる機会が来るとは思わなかったので、今日はとても楽しかったです。この映画は仮面ライダーの歴史に新しい1ページを刻む作品。ぜひみなさんもお楽しみください!」と力強く語って、ファンからの大きな拍手を浴びた。
「ビヨンド・ジェネレーションズ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映